睡眠の効能                 


私達は理性を働かせて意識的に感情をコントロールすることができますが、それにも限度があります。
1日中、様々な思考想念を脳裏や胸中に巡らせて生活をしているために、肉体も精神も疲労します。そのため一日数時間は睡眠をとならければ生きてゆけませ。
睡眠は日中の仕事、雑用による肉体的疲労や、精神的ストレスから解放される至福の時でもあります。でもその睡眠時の疲労回復力にも、人さまざまな違いがあるかもしれません。だとしても案外仕方ないとあきらめてしまいがちです。というか無意識で毎日同じような想念のパターンで眠りにつくのではないでしょうか。
でも睡眠の質という点を考えた時、眠りにつく前に頭の中に去来する想いという波動が、睡眠時の身心のクリーン化に無視できない影響があることが明らかになっています。そこには私達の想念は波動であるという科学的事実があります。とはいえ、自分の想念の波動の如何を知ることは出来ません。でも想念の波という、見えない働きの記録を残すのは幽体です。
私たちはそうしたメカニズムの実態を知りませんが、体内に生じる疲労の蓄積による様々な不調和を自覚症状が起こる前に取り除いてくれるのが睡眠中の働きという事になります。そこには精神面の疲労や不健康状態も含まれます。
一日24時間という限られたなかの、大きな部分を占める睡眠時間であれば、その間の働きについて、心を向けてみるのも価値ある事です。でもほとんどの人は睡眠中の自覚がないこともあり、よく眠れるか否かという事に興味を向けるだけではないでしょうか。でも平均睡眠時間が8時間であれば、単純計算では 1日の約3分の1は眠っていることになります。睡眠中の働きに対して、無関心であるのは、本当はもったいないことなのです。生命の働きという全体から見れば、私たちが意識を離れて眠っている時間こそ、生命の働きは最も活動を活発化させているといっても過言ではないからです。(五井昌久氏著書参照)

私達が例えば眠る前まで暴飲暴食をして肉体に過重な負担をかけたとしても、五臓六腑はもちろんのこと、その数60兆とも云われる細胞は、休むことなく働き続けてくれています。睡眠時間があるからこそ新陳代謝が可能なのだと思います。物質理論だけでは説明がつかない事ばかりです。
睡眠の質という事を考えるとき、眠りにつく前、頭の中を空っぽにすることが最善という理屈が成り立つようです。でもそれは殆んど無理というものです。脳裏に喜怒哀楽様々な想いが巡りつつ意識を失せる眠りにつくからです。でも無理にでも偽善でも、意識して感謝の想念を思い出してみることは出来ないことではありません。意識的な行為で睡眠効果を上げることは出来る事を信じて得をするのは自分だからです。
それは眠りにつくという一日の区切りのときを明るい気持、プラス思考で終えるという善行為につながるのは、想念の働きが生命につながる科学的働きであるからです。プラス思考で眠りにつくことが睡眠の質に良い影響をもたらすという根拠も、生命の働きが科学を司る深い叡智につながっているからに他なりません。

就寝中に行われる心身の疲労素の排除と浄化という働きに対して、就寝前の意識想念が直接に影響を及ぼすことを考えれば、就寝前は、なるべく気分的にゆったりとして、疲れやこりを和らげて休むのが良い事になります。となれば、一日24時間という時計の針は、如何に心が急いでも早く周ることはありません。
日々睡眠時間帯の働きをプラスアルファなものにするためには、焦らないことで努めて心を穏やかにしていれば、お任せで心身のクリーン化が進むのですから、こんなありがたいことはありません。
人によっては寝る前に軽い手足の運動を行ったり、呼吸法など深くゆっくりした呼吸を繰り返すのも良いといわれています。
そうした理にかなった事以上に、心穏やかに眠ることの有効性は、睡眠中に於ける守護の神霊のお働きが為し易くなるという隠れた理由はほとんど知られていません。
睡眠中に行われる守護の神霊のお働きに想いを向けることもなく、眠りも目覚めも、生理的現象のように考えるのが普通の感覚です。でも 睡眠時間を意識的によりよくすることが出来るという意識に立てば、睡眠時間イコール肉体の休憩で有っても、生命の働きは続いているという認識の変化も生まれます。
そうした意識の変化は、睡眠中も続く生命の働きに対する、感謝や敬意という心情の発露につながります。そこから良い睡眠を得る素地が生成されてゆくことにもなります。
すくなくとも、無意識のまま、心にネガティブな想念を詰め込んだ状態で 眠ってしまわない事を心がけることは大事であることは確かです。眠りにつく前の一時、自己の生命の働きに対して、良い眠りへの誘いを委ねることは賢い選択といえます

人は何かの選択肢の前では常に良好な結果の確認を急びます。でも病気が平癒してゆく様子について、《薄皮を剥ぐように快方に向かう》 という形容があるように、何事にも結果が現れるには時間がかかるものです。小たとえ日時がかかっても緩やかな変化を確信できるのは自己治癒力を信じることができるからではないでしょうか。
日々喜怒哀楽の喜と楽の想念と親しんで暮らしたいものですが、そうとばかりいかないのが人生です。自分発の怒にも哀にもまみれます。でも睡眠前のひと時は、意識すれば、不安心配、不平不満、その他否定的な想念から離れて眠りにつくことはできます。意識を良い方向に働かせることは良い睡眠つくりの基本であるといえます。


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