諸行無常の中に真実を観る
   
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ハスは水面下の泥中
で蓮根を育て、その
茎は地上に伸びて
葉を繁らせて、美しい
花を咲かせます

その神秘な特性を
仏教では、娑婆世界
における仏性顕現に
重ねています



祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす

おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし



上記は平家物語の有名な一節です。人間世界が諸行無常であることを、平家の盛衰に例えて語っています。

諸行無常の無常とは、生々滅々の繰り返しに揺れ動く人間世界の様子を指すと考えるとき、そこで生じる生命観や死生観にも絶対的定義はないことになります。

でも仏教の教えを具現化した仏様の像は、蓮華の台座に座していたり、菩薩像は、蓮花の蕾を挿す水瓶を持っていたりします。

それは人間生命の根源が地上界も天上界も縦の線で一つにつながっているという教えや、仏性顕現の教えにつながるのだと思います。

2千年前に咲いたハスの種が開花したという話題は、一粒の種の中心核に秘められた働きの不思議さを今の世に伝えています。

人間は遺伝子の操作は出来ても、種子の記憶である核そのものをつくり出すことは出来ません。

その事から、生命を生み出す叡智の神秘は、私たちが考える以上に、奥深いことが分かります



※ 昭和26年ハス博士といわれた故大賀一郎博士が古代ハスの種3粒を発見、そのうちの一粒の開花に成功。今日、縄文ハスとも大賀ハスとも呼ばれています

(上に掲載の写真は大賀ハスではありません)