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テープレコダーの電気回路をやさしく解説しています。 質問・要望は  koukouisao@yahoo.co.jp
  (6)バルボルの構造と使い方


A点での電圧は1mVでも1Vでも同じになる。
最小レンジが1mVのバルボルでは
      1mVの入力の時メーターがフルスケールまで振れる様に作られる。
通常, レンジは10dB単位で切り換え出来、1mV->3mV->10mV->30mV・・・・・となります。

1mVレンジから3mVに切り換えると上図に示す様に抵抗で分割して入力を 1/3 (正確には) に
することで入力3mVでA点の電圧が1mVのときと等しくなり、メーターはフルスケールまで振れること
になる。

(B)dBの取り扱い
数式では
で表される。(電圧で比較の場合)
人間の感じる量は刺激量(電気の分野では電力量)の対数に比例することから
 電力W1に対して電力W2がどれだけ大きいかを対数尺度で表したのがB(ベル)です
dBはBの1/10の単位を表します。
電力W1,W2を電圧と抵抗で表すとW1= ,W2=
dB=10log(W2/W1)=10log{/}==20log(V2/V1)
dBは倍数を対数尺度で表した単位である。
logA=X とは  Aと言う数は10の何乗に当たるかがXになります。
w2/w1の倍率の数は10の何乗になっているかがB(ベル)ということになります。

     扱う数値が電圧の場合

2倍 6dB 1/2倍 −6dB
3倍 約10dB 1/3倍 約−10dB
10倍 20dB 1/10倍 −6dB
100倍 40dB 1/100倍 約−10dB
計算例
1000倍の場合
   1000 =  20 log = 3 X 20 log10 = 60


logAとは Aは10の何乗になっているかという数字
例えばlog2は 2 = でxの値がlog2である。

(C)バルボルの読み方

レンジ切換スイッチの表示値は
メーターが右一杯になったときの
値を示している。

(例)
 30mVのレンジでは上から2番
目の目盛りの 3 が30mVになる。

 10Vのレンジでは1番上の目盛
りの1.0が 10Vになる。

音を扱う信号の大きさは
1V=0dB として扱う。
よって1Vのレンジのところに0dBと
表示されている。

300mVは約 1/3Vなので−10dBが
表示されている。

0.5V±3dBとはどの範囲か。

1Vレンジで右図の指針の位置が
0.5Vである。

また±3dBは一番下のdB目盛り
で+3dBは右側に3dB分の目盛
位置点まで、
−3dBは左側に点までの範囲
となり、0.5V±3dBとはからの間の範囲になる。

S/N比33dB以上とはどの範囲か

S/N比とはS(signal:信号)に対してN(noise:ノイズ)がどれだけ小さいかを表す値である。
信号の出ているとき、たとえば0.5Vだったとすると上図の指針の位置になる。
信号を切ったときも同じ0.5Vだったとすると、S/N比は0dBである。
の点まで下がればS/N比は3dBになる。
0.5VはdBの目盛で-3.75dBの値を示している。この値より10dB下げるには、1レンジ下げて指針が
同じ位置(-3.75dB)を指すようにすれば良い(1レンジ毎に10dB差がある)。
すなわS/N比33dB以上とは、レンジを3回下げ、元の指針の位置からさらに3dB以上低い値を
示す範囲となる。 (30mVレンジで-3.75dbよりさらに-3dbの-6.75db点より低い範囲)
      
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