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テープレコダーの電気回路をやさしく解説しています。 質問・要望は  koukouisao@yahoo.co.jp
(10)ダイオードとトランジスター増幅器
   (a)ダイオード
        ダイオードに電圧を加えた時のダイオード両端の電圧について考えてみる 
 
   上図で1.5Vのときのダイオード両端の電圧と、4.5Vのときの電圧とどちらもほとんど変化をしない。
   (ダイオードにかかる電圧と電流の関係が抵抗のときのように比例関係に無いため、オームの法則
   によって計算できない。ダイオード両端電圧が流れる電流に比例しない)

  ダイオードに流れる電流とダイオード両端の電圧の関係を右上図に示している。
   電流が増加しても両端電圧がほとんど変化しない。(約0.6Vである)
   (ダイオードがの方向に電流が流れているときは約0.6V一定と考えてよい)
  また電源(電池)を逆に接続しなおすと電圧を増加しても電流が流れない。
  (の方向には電圧を加えても電気が流れない)

  下図のように交流信号をダイオードに加えた場合、
 

   ダイオードの方向に電圧が加わったときは流れるが逆方向では流れない。
   上図でA期間は流れるがB期間は流れないことになり上図の右のような電流
   が流れ、抵抗Rの両端の電圧も同じような波形となる。

  (b)トランジスタを使用した増幅器の原理
   トランジスタの性質
     トランジスタにはNPN型とPNP型の2種類がある。
この相違点から説明します。



   2種類のトランジスタをダイオードの組み合わせとして表示してみると
    PNP型とNPN型の違いはダイオードの方向がまったく逆になっている。
   (NPN・PNPという呼び方は、半導体でP形→N形には電気が流れるが逆は流れない
    というダイオードの基本構造からきている
    上図の注意点として、上図のようにダイオードを結線すればトランジスターなる訳ではない.
    トランジスターの内部にPN接合がどのように配置されているかを表しているに過ぎない。

   トランジスタの性質
   ベース−エミッタのダイオードに電流を流すとそのhfe倍の電流が自動的にコレクタ−ーエミッタに流 れる。
    
左図のようなトランジスタ回路を考えてみる。
エミッタ電圧は 400Ω x 1mA=0.4V
(ベース→エミッターに流れるベース電流5μAは無視している)

ベース電圧は 0.4V+(ベース−エミッタ間電圧)=
0.4V+0.6V=1.0V (ベース-エミッタ方向電圧=0.6V)

hfe=200と仮定すると、ベース−エミッタダイオードに流
れている電流は 1mA / 200=0.005mA=5μA

右図の※印のところが切れているとき、R1・R2を流れる電流は
8V /(140kΩ+20kΩ)=0.05mA=50μA
X点の電圧は 8V x 20kΩ/ (140kΩ+20kΩ)=1V

※点を切断している状態では、X点とベース電圧は同じ 1V になっている。
※点を接続すると、ベースには電流が5μA流れるが、この電流は140kΩを通じて流されるが、
50μAの1/10しかないので無視して考える)
これはコレクタ−エミッタへ1mA流れるよう設計されたものなのでエミッタ電流1mAで計算すると
多くの概算の為の無視を使用することでつじつまが合う。
 (R1+R2に流れる電流をベース電流の10倍にして、ベース電流によってX点の電圧大きく変化しない様にして
  おいて計算はベース電流の影響を省略する等の様に、ある配慮のもとで計算省略して、設計と 実回路の動作
  に大差がない計算方法にしている。これはまたx点の電圧がトランジスターのバラツキで変化しにくくして、回路を
  安定化させる対策でもある。)

実際の回路の動作は8VがR1とR2で分割された電圧でベース電圧が決まり、ベース−エミッタ
間ダイオードに電流が流れ電圧0.6Vとなる。そしてB−E間に電流が流れたため、そのhfe倍の電流が
C−E間にエミッタ電圧が0.4Vになるまで流れる。(B−E間電圧+R4 x 電流=ベース電圧)
コレクタ電圧は 8V−(3.6kΩ x 1mA)=4.4V

右図のように交流信号0.1Vを電解コンデンサーを通して
ベースに加える。
(電解コンデンサーは容量が十分大きく、入力信号に
     対してのインピーダンスは無視できるものとする)
ベース電圧は
    @ ベース電圧が1.0Vのときのコレクタ電圧は前述のように4.4V
    A ベース電圧が1.1Vのときのコレクター電圧を求めると
      エミッタ電圧:1.1V−0.6V=0.5V  エミッタを流れる電流は 0.5V / 400Ω=1.25mA
      よってコレクタ電圧は 8V−(3.6kΩ x 1.25mA)=3.5V となる
    B ベース電圧が0.9Vのときのコレクター電圧を求めると
      エミッタ電圧:0.9V−0.6V=0.3V  エミッタを流れる電流は 0.3V / 400Ω=0.75mA
      よってコレクタ電圧は 8V−(3.6kΩ x 0.75mA)=5.3V

 まとめてみると左図のようになる。

ベースの交流信号レベルは0.1Vであったが、コレクタでの
交流信号レベルは0.9Vになっている。

0.1V →0.9Vと9倍になっていることがわかる。

  トランジスタに加えた交流信号を0.1Vから0.5Vまで大きくした  場合を考えてみると
 ベース電圧は左図のようになり
@ ベース電圧が1.0Vのときコレクタ電圧は4.4V
A ベース電圧が1.5Vのとき エミッタ電圧は1.5V−0.6V=0.9V
 エミッタ電流は0.9V / 400Ω=2.25mA
 よってコレクタ電圧は 8V−(3.6kΩ x 2.25mA)=−0.1V
 コレクタ電圧>エミッタ電圧となるためコレクタ電圧が0.9Vに
 なる電流を求めて
 (8V−0.9V)/ 3.6kΩ=1.97mA
エミッタ電流は1.97mA以下となる。

B ベース電圧が0.5Vのときのコレクター電圧を求めてみると
 エミッタ電圧は0.5V−0.6V=−0.1V
エミッタ電流:0mA(ベース−エミッタ間ダイオードが方向の電流が流れなくなるとエミッター電流が0になるのでベース電圧が0.6V以下になるとエミッター電流が0になる)
エミッター電流が0ということはコレクター電圧が8Vになる。
よってコレクタ電圧は 8V−(3.6kΩx 0mA)=8V
まとめると左図のようになる。
入力が大きくなると波形の上下が削り取られて歪んでしま
う。これをクリップされたという。
入力が大きくなって出力が歪んでしまったのである。
今計算した回路はクリップが上下ほぼ同じように現れており、
大きな入力に上手く設計されていることになる。

設計した通りの抵抗値を使用しない場合には、小さな入力
でもクリップが上か下に発生し不良となることがある。

交流信号が入っていないときのエミッタ電流(交流信号を考えずに直流的に計算した値;今回の場合1mA)をトランジスタのバイアス電流と呼ぶ


        ---以下準備中--
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