輝け!絶海の孤島!沖ノ鳥島!!(海守ブログより)
 

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 「輝け!絶海の孤島!沖ノ鳥島!!」 2007年03月22日(木)より転載

 先週の3月16日(金)、東京から約1,740km南方に位置する日本最南端の島、沖ノ鳥島に新たな灯台が誕生しました。その名も『沖ノ鳥島灯台』といいます。もちろん日本最南端の灯台です!一体どういった経緯で設置されたのでしょうか。また、設置するとこの意味は?
 前々回の記事「マラッカ大動脈」でもご紹介しましたが、この灯台設置にも日本財団の取り組みが活かされているのです。

≪沖ノ鳥島って?≫
 沖ノ鳥島(愛着を込めて、以下オキトリとします)について、おさらいです。
 オキトリは、日本最南端の島として存在し、東京都小笠原村に属し、沖ノ鳥島1番地、2番地として住所を持っています。また、排他的経済水域は、日本の国土面積を上回る40万平方kmも有するとてつもなく大切な島なのです。これを有することによって、海底鉱山資源物、遠洋漁業やエネルギー開発など日本にとってその価値は計り知れません。また、オキトリは北回帰線以南にある我が国唯一の熱帯気候の領土でもあります。(これは、ホノルル(ハワイ)とほぼ同位置!)

 この島をご存じない方、「コンクリートと消波ブロックに囲まれた島」といえばイメージが湧くのでは?でも実態は珊瑚で構成される環礁で、その中に浮かぶ2つの島からなっているのです!また、周辺海域は1,000mを越える水深で(ちょうど富士山を沈めた感じ!)、太平洋の真ん中に東西4.5Km、南北1.7Kmの環礁が浮き上がるのです!

 この大切な大切なオキトリですが、この島が置かれている環境は苛酷です。那覇からでも片道40時間以上もかかるため容易に近づけない絶海に位置し、気象環境もとても厳しい所です。何せ台風が発生するエリアですからね。

≪灯台設置までの経緯≫
 日本財団は、2004年11月、2005年3月の2度にわたり、民間視察団を派遣し、現地調査を行ないました。その報告書の中に、

1. 灯台などといった航路標識の設置計画
2. 沖ノ鳥島再生計画
3. 海洋の温度差を利用した発電計画

以上3つを最重要課題として掲げ、調査・提言をされたようです。今回は、その1番目の項目が実現したわけです!『沖ノ鳥島灯台』の運用が開始されたことで、オキトリは世界の海図にデビューすることになります。(3月30日の水路通報に載ります!)
 これも立派な経済活動!!これら2度にわたる視察・調査の報告書は下記を参照してください!見ごたえ充分!!

■「沖ノ鳥島の有効利用を目的とした視察団」報告書
■「沖ノ鳥島における経済活動を促進させる調査団」報告書−詳細版−

≪これも必見!!≫
ここに至るまで、日本財団が行なった沖ノ鳥島への取組みが全て確認できます!
■2004年11月19日 「沖ノ鳥島に関するセミナー」が開催されました
■2004年12月01日 沖ノ鳥島 民間初の視察団!【報告】
■2004年12月16日 【沖ノ鳥島】の国際法上の地位について(視察報告会より)
■2005年04月17日 沖ノ鳥島の調査報告(第2次民間調査団)
■2007年03月20日 沖ノ鳥島に灯台 日本最南端の航路標識

                                 

以上



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**海救隊サイト内の関連記事も併せてご参照ください。 
 ・海への想い海図(尖閣諸島/沖縄島至台湾)
 ・海と竹島を守ろう


新コーナー 「海救隊お薦めの一冊」 新設のお知らせ!!


 新コーナーでは、海救隊活動に関連する書籍を紹介させていただきます。どうぞご参照ください。また、皆様のご意見ご感想も是非お寄せください。

 コーナー新設にあたり、上記海守ブログ記事にも関連した書籍を紹介いたします。


 針路を海にとれ (海洋国日本のかたち) 大山高明著 産経新聞出版 2006年10月


 四面環海の「海洋国日本」に住む私たちは、将来のために、いま、何をどうなさなければならないか。日本の海洋にまつわる諸問題を検証し、進むべき道を提言する。「針路を海へとれ!」と。

 日本人は古来、海の民だった
 海洋国家としての歴史をかえりみる
 海運業が日本経済を支えている
 世界造船王国への再チャレンジ
 港湾の変革が始まる
 漁業の将来を切り拓くカギ
 海洋の資源は無限だ
 海洋の環境破壊は地球を滅ぼす
 海の守りは大丈夫か
 今日でも海賊は跋扈している
 海洋戦略なき日本を憂慮する
 海洋教育が日本人を変える 


 (コメント)
 筆者は海救隊隊長より「よかったら読んでご覧なさい」と、本書をいただきました。
 沖ノ鳥島への政府や都の取り組みや、尖閣諸島灯台の海図への記載、なども述べられています。
 そのなかで、平成16年11月より、沖ノ鳥島への調査を主宰した「日本財団」笹川陽平会長の述べた言葉が紹介されています。

 「日本人は領土というものに対する関心が薄い。そんな意識を少しでも喚起するきっかけになれば。」

 筆者はこれに深く共感いたしました。

 興味深い内容を、わかりやすく述べておられます。ハンドブック的な一冊です。
 是非、多くの皆様が手にとって読んでいただきたいと思います。
 

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