紙の種類は様々ですが、印刷物の用途によって適切な紙の種類は異なってきます。 印刷物はデザインや刷り色ももちろんですが、用いる紙の選択も非常に重要なのです。
パルプを原料として作られた用紙は、パルプの繊維が絡み合っているため、表面に凹凸が見られます。
それをそのままの状態で使ったのが非塗工紙であるのに対し、紙の表面を白色顔料などで滑らかにコーティングしたのが塗工紙です。
印刷されるインクの彩度は、用紙表面の平滑度と光沢の強さに比例しますが、非塗工紙は、
パルプの繊維による表面の凹凸がむき出しになっているため、平滑度が低く、光の反射との関係で、
色が沈んで見えてしまいます。よって、カラー印刷や写真入りの印刷にはあまり不向きですが、一方で表面に光沢がなく、
紙面を見る際の目の負担が軽いため、文字の多い冊子の本文などには合っています。
それに対し塗工紙は、表面が滑らかなため、色を鮮やかに再現できます。
ただし、グロス系コート紙・アート紙などの光沢が強い用紙は、目に負担がかかるという短所もあります。
紙の原料であるパルプは、化学パルプと機械パルプの2つに分けれますが、 化学パルプは漂白などの化学処理が施されているのに対し、機械パルプは、 漂白などの処理は行われていないため、機械パルプの含まれる割合が多いと、 用紙の白色度がさがり、目も粗くなります。非塗工紙は、用紙中の化学パルプの割合によって、 表1のように区分されます。
表1:非塗工紙の区分
名称 | 化学パルプの割合 | 主な用途 |
---|---|---|
上質紙 | 100% | 書籍、教科書、商業印刷、一般印刷など |
中質紙 | 70%以上 | 書籍、教科書、文庫本、雑誌の本文など |
下級紙 | 70%未満 | 雑誌本文、電話番号簿など |
塗工紙は、ベースの用紙と塗工量によって、表2のように区分されます。(用途はあくまでも目安です)
表2:塗工紙の区分
名称 | ベースの用紙 | 塗工量 | 主な用途 |
---|---|---|---|
微塗工紙 | 上質紙・中質紙 | 5g/m2ほど | チラシなど |
軽量コート紙 | 上質紙・中質紙 | 10g/m2ほど | 雑誌本文、カラーページ、チラシなど |
コート紙 | 上質紙・中質紙 | 15g/m2ほど | ポスター、カタログ、カレンダーなど |
アート紙 | 上質紙 | 20g/m2ほど | カレンダー、高級美術印刷など |
表面に光沢が出るよう塗工された用紙を、グロス系アート紙(コート紙)と呼びます。
光沢があるとカラーの彩度が上がり、鮮やかな色が再現できますが、反面、目に負担が大きくかかるという短所もあります。
それに対し、ダル系アート紙というのは、塗工の際、白色面の光沢が抑えられるよう工夫された塗工紙です。
白色面に比べカラー部分の光沢は比較的維持され、インクの彩度はあまり落ちません。
マット系アート紙は、白色面、カラー部分共に光沢が抑えられるよう処理された塗工紙です。彩度は落ちますが、落ち着いた色合いを表現することができます。
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