無量山 聞光寺本堂再建事業趣意書
謹啓 初夏の候 門信徒の皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
いつもお世話になりありがとうございます。中越沖地震で大被害を蒙ってから七月で早や満二年になります。
物心両面に被災されたご門徒の皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様におかれましては、力強く復興にご努力されておらるることと存じます。
さて、聞光寺においてもご存知のとおり本堂・鐘楼が全壊いたしました。何とか、再建したいと思いつつも皆様方の窮状を考えると声も出ませんでした。
昨年五月の「臨時世話方総会」で、本堂再建をご承認いただき、再建委員会を立上げました。
以後、会議を重ね、検討協議、熟慮の上漸く再建案がまとまり、去る、五月二十四日、第二回目の「臨時世話方総会」において、本堂再建案が承認されました。
当聞光寺は、開基以来八百年、柏崎のこの地に落ち着いてから四百三十年、由緒ある聞光寺の法灯を守り、後世につないで行かなければなりません。過去においては、文政七年(1824)頃と明治時代に、三回も本堂を焼失しましたが不死身のごとく、ご門徒の皆様方の大きなお力で、再建されてきました。前本堂は、火事に強くということで「土蔵造り」とし、延焼には絶対大丈夫だから、寺内からは絶対に火を出してはならないと「寺訓」を肝に銘じてきましたが思いもよらない大地震で、あっけなく倒壊してしまいました。
今度は、「地震に強く」、「火事に強く」、「塩害に強く」、そして「高齢者には優しく」安心して参詣できる本堂を建てなければなりません。
本堂の再建は、聞光寺八百年の歴史の中でも最大の大事業であります。この大事業は、全ての門信徒各位のご協力ご支援をいただかなければ一歩も前身することはできません。
本堂は、門信徒各位の信心のよりどころでもあり共有の財産であるとはいえ、被災された方々は、もとより大変きびしい経済事情の中、皆様方に多大なご負担をお願いすることは心苦しいかぎりであります。当然のことながら、事業の推進に当たっては、冗費を省き虚飾を排除し、実質を尊重し今後、数世紀の後世に伝えられる「本堂」を建立すべく鋭意努力してまいる所存であります。
以上の趣意をご理解賜り門信徒各位並びに有縁の方々のご懇志をお願い申し上げます。
何分よろしくご支援ご協力くださいますよう伏してお願い申し上げます。
合 掌
平成二十一年六月
聞光寺住職 井上 温成
責任役員・総代一同
本堂再建委員長 内山 千一
再建委員 一同