完成の慶び
落慶法要
聞光寺本堂落慶法要を迎えて
世話人 中村 信男
冷たい風が吹いている3月23日、由緒ある梵鐘にふさわしい鐘楼からゴーン、ゴーンと落慶法要開始を告げる鐘の音がひびき渡る。
堂内では楽人の奏するおごそかな音色に合せて式が始まった。聞光寺にご縁のある僧侶が大勢参集しての勤行が堂内にひびき渡る。天井が高いせいか余韻がつづく。式が終ると建設にご苦労を頂いた方々に感謝状の贈呈が行われた。住職は今日の日を迎えて感きわまって声のつまることが度たびあった。思い出がこみあげてくるのだろう!
3月24日、今日も冷たい風が吹いている。朝早くから稚児行列に参加する子供達が着飾ってうきうきとしている、可愛いもんだ。
光圓寺様から聞光寺までの「おねり」、聞光寺の門に来ると迎えの梵鐘の音が境内にひびき渡る。堂内は檀家の人々でいっぱいだ。楽人の奏する音色が一段とさえ渡る。
本山からの祝辞の朗読、住職が読む「表白」堂内はしーんとして咳ひとつない。住職は感激で時々言葉がとぎれる。最後は今日の式典にご参集ありがとうございましたと住職の御礼の挨拶で式は無事に終った。
木の香りが漂う本堂で祝宴が賑やかに始まる。建設の話、懇志金の話があちこちから聞こえる。建物は出来たが内陣が未完成だと昼酒を頂きながら口も軽くなる。懇志金について、今だ返答のない人、ご先祖さんがお浄土で早く納めるようにと気をもんでいるだろう。祝宴は楽酔の境界を越えて賑やかにめでたく終宴となった。
聞光寺本堂落慶法要に参加して、今は亡き人との心の会話を大切に過去を教訓として未来への思いを新たに檀家さんこぞって本堂再建を祝った。
合掌
地震後本山や他寺院の本堂をお参りしたり、荒れ果てた本堂跡地を見るたびに、もう二度と聞光寺本堂でお参りすることができないのではないかとそんな気持ちで、いっぱいでした。
その後、皆様のおかげで再建が叶うこととなり、時間とともに出来上がっていく姿に、毎日ワクワク嬉しい気持ちで過ごさせていただきました。
そして、迎えた落慶法要。道のりが厳しかっただけに厳かな樂と共に法要が始まった途端、今までの思いが宗いっぱいに溢れ出て、何とも言えない感激でいっぱいになりました。
有縁のお寺様方で慶びいっぱいの法要を勤めていただき、またお檀家の皆様と、喜びの法要に遇うことができたこと、言葉で言い表すことのできない感動でした。
大きな願い(本願)に生かされている私たち、皆様とともに、お念仏の心を大切に、聞光寺を守っていきたいと改めて思わせていただきました。
大変有難うございました。
合掌