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書庫の中のノート

工 房 日 誌 2004年7月

2004年 7月30日

パソコンの前に座っていると暑いです。熱がどんどん伝わってきます。
もしかして、最新式のパソコンを買ったら、こんな風には暑くないのでしょうか。それとも、外に熱が出てくるということは、内部に熱気がこもっていないわけだから、機械のためにはいいことなのでしょうか。でも、近ごろは外もかなり高温だから、機械も参っているのではないでしょうか。今、壊れてもらっては困ります。

どっちにしても暑いです。膝の上に参考資料を広げていたら、それだけで暑いです。扇風機の生ぬるい風に当たりながら、秋を待っています。

2004年 7月28日

ここ数年の傾向として、シリーズで刊行される作品が圧倒的に多くなりました。単品は流行らないのでしょうか。好きな作品を続けて読めるのはうれしいけれども、一冊で輝いている作品にもっと出会いたいものです。
なかには、一冊目で終わっていればとても良かったのに、どうして後を続けてしまったんだろう、というような悲しい末路の作品群に会うこともあります。もちろんこれは私の勝手な感想であって、売れるから(読者に支持されるから)出版されるのでしょうけれど。

そんななかで、伊藤遊さんの『ユウキ』(福音館書店)は、一冊で極上の味わいを持てる本でした。
先週の土曜日、この本を課題図書とした読書会に参加してきたところです。

2004年 7月19日

翻訳者によって、「この人の訳したものなら、たぶん面白いだろう」と思って本を手にすることができる人がいます。

同じ原作者の作品でも、ある翻訳者が手がけている本は面白くて、別の翻訳者が手がけた本はちっとも面白くない、といったこともあります。

これは原著を選び出す眼の問題なのでしょうか。それとも、翻訳の文章を書く力量の問題なのでしょうか。
後の方だとすると、訳した人によって、外国文学との出会いは大きく左右されることになります。

2004年 7月11日

昨日の夜、アヴィの『クリスピン』(求龍堂)を読了しました。作者がアヴィなので、期待しつつ読みましたが、期待以上に読んでよかったと思える本でした。

本の面白さに「キャラメルの甘さ」と「ご飯粒をかみしめて出てくる甘み」があるとすれば、この本の面白さは「ご飯粒」の方に属するでしょう。でも、そういう地味な味わいの本としては珍しく(?)、読んでいる最中も夢中になって楽しめる、一気に読ませられてしまう力のある本でした。(表紙も地味ですから、目立ちません)。

全部のページを読み終えたときに、「そうこなくちゃ」「ああよかった」と、一点の不快感もなく(また、拍子抜けすることもなく)、満足できる本でありました。

一言で紹介するとすれば、14世紀のイギリス社会を背景にした歴史物語とも、少年が自由を獲得していく過程を描いた成長小説とも、謎の大道芸人〈熊〉とクリスピンが敵の魔手を切り抜けていく冒険物語とも呼べるでしょう。(一言にしては長いかも……?)

※ 当初、文中に「13世紀のイギリス」と書いていましたが、「14世紀のイギリス」の誤りですので、訂正しております。(後日、注記)

2004年 7月7日

私の勤務先は県立図書館からあまり離れていないところにあります。
春、秋、冬の昼休みには、しばしば図書館に出かけていました。けれども、さすがに夏は暑くて、出かけるのに勇気がいります。
夏の盛りの図書館活用法は、休日に車で乗り付けるか、または残業のない日の夕方に立ち寄ることにします。

ところが、このやり方では問題が一つありました。
児童図書の部屋は5時に閉まってしまうので、仕事が終わってから行ったのでは、児童図書を借りることができません。私が読みたい本の半分以上は児童図書なのです。休みの日にまとめて借りるしかありません。

この春から県立図書館にはティーンズコーナーというのが設けられました。おかげで、午後5時以降も、10代の少年少女向けの本を借りることができるようになりました。
過去に10代だった人もOKだそうで、どしどし利用させてもらっています。

2004年 7月4日

山口県の文化イベントで児童文学の展示をするそうで、自分の活動を振り返って紹介文をまとめる機会がありました。(と、言いますか……資料となる原稿を書かなくちゃならなかった訳です)。

こういうイベントのたびに、近ごろなんにも形にしてないなあと、自己嫌悪。「マイペース」という言い方もありますが、ちょっと度が過ぎるのではないかと……。

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