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コント55号とミーコの絶体絶命

コント55号(萩本欽一・坂上二郎) 主演 野村芳太郎監督作品。
“湘南市役所なんでもやる課”に勤める面々は外回りで大忙し。だが坂本次郎は文句ひとつ言わず、弟の金作と働き、ボロボロの家へとまっすぐ帰っていく。
休日、叩き起こされた金作は貧乏飯に嫌気が差し、遊びに外出。ボウリングの後、入ったゴーゴークラブで歌う歌手の秀子に絵を奪われる。
そして後日、出勤した金作は助役と課長に呼ばれ、日曜日にデートして遊んだ女の子が、田所桃代といって実は県会議員の大河内の妾との娘であると知らされ、さらに桃代が金作を気に入って、結婚したいと言っていることから、金作は係長に内定する。
設けられた見合いの席で、金作は桃代に連れ出され外へ。車で移動し、立ち寄ったガソリンスタンドで働く秀子を見かけ見とれ、桃代に叱られる。
帰宅した金作に、次郎は珍しく酒を出す。だがあまりのケチぶりにケンカになった。
係長に出世した金作は、次郎に汲み取りや不発弾処理の仕事をあてがい、こき使う。
次郎はあるアパートの立ち退きを手伝い、その荷物を働き手である秀子のガソリンスタンドへと運ぶ。
次郎は前任の係長が末期ガンである事を同僚から知らされ、胃薬を買いに行った薬局で、店員にガンを心配される。
金作は昇進祝いに自らの奢りで飲み会を開き、帰宅すると、ふさぎ込んでいる次郎を心配し、病院に検査へ行かせることに。次郎は待合室で他の患者に脅され、一方、付き添いの金作は盗み聞きを間違え、ただの懐虫を、2人は末期ガンだと思い込むのだった。

結末 ネタバレ注意

金作がわざとらしく優しく接するのを次郎は見透かし、それでも金作は次郎を勇気づけ、カラーテレビを見せて、次郎は熱海の温泉へ。そして次郎はケチケチ貯めた預金をすべて解約した。
一方、金作は仕事中に桃代に連れ出され、ガソリンスタンドで秀子と話しているところを桃代に見つかり、お釣りを間違えた秀子とケンカしだしてしまい、桃代を怒らせ、課長を怒らせてしまう。
金作は上司の武藤に誘われたビアガーデンで唄う秀子と再会。カンペを手紙と勘違いし、終わるのを待っていた金作は秀子と喋り、身の上を話し合った。
三日後、次郎は帰宅。次郎はキャバレーの女に騙されるも、死の覚悟で腹を括り、100万円で事態を乗り切る。そして入水した次郎は秀子に助けられ、秀子を助けることに決めるが、金は海に流れてしまった。
仕方ないので、次郎は金を工面するため、自分を死んだことにして退職金や香典を集めることに。
手伝う金作だが、桃代に言い寄られ、突き放したためまたケンカになり、とうとうキレた金作は結婚を破断にする。すると沼田課長が香典を回収しようとしたため、棺桶から次郎が飛び出し、嘘がバレてしまい、金作は皆を追い返した。
金作は自分の退職金を渡し、次郎の相手が秀子と知って驚くも、寿命を思い送り出し、だが次郎が怖気づき、金作が代わりに金を渡し、次郎と恋人になってもらうよう頼むが、秀子からガンじゃないことを知らされ、次郎もガンじゃないと知っていると聞き、次郎と金作は、どっちもガンだと言ってないとケンカし、秀子の取り合いに。そこを秀子に母の手術が終わってからとうまく収められ、3か月後、夜鳴きそば屋をしていた金作と次郎は昔の同僚たちと再会。すっかり痩せた沼田課長を気遣いつつも脅かし、だが病院の前で手術台に渡したお金を返される。というのも、秀子が選んだ相手は、医師の杉本だった。
フラれた2人は、夜泣きして下り坂を転がり落ちて行った。
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管理人の批評

1971年、昭和46年、日本の作品です。
共演:由美かおる 和田アキ子 財津一郎 田中邦衛 太地喜和子 西城正三 なかにし礼 倍賞美津子 三木のり平
この映画は日本の喜劇映画の名手、野村芳太郎監督と、お茶の間の人気をドリフターズと二分したお笑いコンビ、コント55号がタッグを組んだ6作目の作品です。
ドリフターズと言えば、いかりや長介さんをリーダーに、高木ブーさん、仲本工事さん、荒井注さん、加藤茶さん、志村けんさんといった大人気グループで、「8時だヨ!全員集合!!」(TBS系)や「ドリフ大爆笑」(フジテレビ系)で長年親しまれているお笑いグループですが、そのドリフターズの人気が爆発的に上がる以前にお茶の間を賑わせていたのがコント55号です。
そしてこの二組が引き起こしたのが「土8戦争」と呼ばれる、フジテレビとTBSの土曜夜8時の視聴率の奪い合いです。お互いがコント番組を行い、結論を言うと、ドリフが勝利いたしました。コント55号のコントが、2人の軽妙なやり取りが即興によって引き起こされる化学反応を起こし爆笑を生み出すのに対し、ドリフターズは練りに練った台本と大掛かりな仕掛けを日本各地から生放送で行う事で人気を得ました。ドリフのその熱心な打ち合わせを目撃した萩本欽一氏は、考える時間の総量の違いに敗北を悟りました。そして萩本氏は素人の生み出す笑いに着目し、別番組を立ち上げ、時間もずらしました。
ただ、コント55号とドリフターズが仲が悪かったかというとそうではなく、あくまでテレビ局同士のケンカであり、萩本欽一氏と加藤茶氏は当時は一緒に遊ぶほど、かなり仲が良いそうです。
また、「土8戦争」はビートたけし氏、明石家さんま氏をはじめとする「オレたちひょうきん族」との戦いに突入します。
もちろんコント55号の活躍は土8戦争だけでなく、日本テレビでは「裏番組をぶっとばせ!!」と女性と野球拳を繰り広げ、大反響を得ました。
そしてピンで活動するようになってからの萩本欽一氏が多くのお笑い番組を手掛けるようになり、「欽ドン」「欽どこ」「週刊欽曜日」と3本のレギュラーの週の視聴率の合計が100%を越えることから、視聴率100%男と呼ばれるようになりました。
最近では、そのテレビづくりへの執念が、弟子である日テレの土屋さんにより映画化された「WeLoveTelevision?」という作品がございますので、そちらもご覧ください。
そして同じく、ドリフターズのみなさんも主演映画を撮っています。こちらから確認できますのでぜひ一度ご覧ください。
また、どちらの作品にも出演しているのが三木のり平さん。当時の喜劇作りにおいて欠かせない存在であったことがうかがえますが、セリフを覚えてこないのが有名で、あちこちにカンニングペーパーを仕込んでいたという逸話も有名です。
共演の由美かおるさんというのは、日本を代表する国民的時代劇「水戸黄門」にくノ一・かげろうお銀役で出演し、入浴シーンでお茶の間の男性を魅了させた(と言っても極度のお色気志向ではありませんが)女優さんです。その抜群のスタイルは10代から変わらず、というのも、名門西野バレエ団のご出身ということで。相当なプロ意識がうかがえます。またアコーディオンが得意という一面も持っています。