トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

ダーティハリー4

ダーティハリー5

クリント・イーストウッド主演 バディ・バン・ホーン監督作品。
テレビのニュースで検事補が事件の功労者としてハリーを讃えている。高層ビルの一室でそれを見ていた人物は、あるリストにハリーの名を書き加えるのだった。
運転をしていたハリーは、突然命を狙われ、車を横転させられるも、銃で殺し屋を全員返り討ちに。ハリー含め警察は裁判中の被疑者ジェネロを疑い、ハリーには中国系アメリカ人のクアンが相棒に付けられる。
映画撮影現場の控室のトレーラーで、ドラッグを楽しむジョニー。だが何者かに侵入され、毒殺された。
ハリー達がジョニーの事件を捜査し始め、それがニュースになると、あの人物がリストをタイプし、マスコミへと送った。
レストランで強盗事件が発生。ハリーが銃を使い、クアンがカンフーで鎮圧。その場の死体の懐からハリーの名の書かれたリストが見つかる。
しかしハリーは上司命令で、記者サマンサのカメラを壊した事への贖罪として、サマンサと食事へ。密着取材を申し込まれるハリーだったが、その思惑を読んだハリーは中座する。
捜査を進めるハリー達に、上司のアッカーマン、そしてテレビ放送からサマンサがリストに記された8名の誰が生き残るか賭けをする「デッドプール」ゲームが行われている事を発表した。

結末 ネタバレ注意

ジョニーの葬儀で、ハリーは参列者のピーター・スワン監督を尋問。さらにサマンサにクレームを言って、リストが送られてきた手紙を入手し、食事へ。だが店のエレベーターで殺し屋に襲われてしまう。ハリーは刑務所でジェネロを脅迫した。
スワン監督と思しき者が老映画評論家フィッシャーを殺害した。
ハリーはサマンサと、嘘の自供をして注目を浴びようとする愉快犯を説得し、サマンサのジャーナリストとしての心変わりに気付く。
スワンのアリバイが立証され、ハリーはスタジャンを持つ人間を調べる。
ラジコンプラスチック爆弾でモーランが殺され、マスコミの注目はスワンに。だがスワンはハリーに疑われていないと公表。それを見ていた真犯人は憤った。
ジョギング中のハリーは尾行車に気付き、待ち伏せして捕まえ、殴る。だがジェネロが雇ったハリーの護衛だった。
そしてスワン監督の熱狂的なファン、ハーラン・ルックが捜査線上に浮上。ハリーとクアンはラジコン爆弾に気付き、カーチェイス。追い詰められたハリーは九死に一生を得たものの、クアンがケガを負い、入院。
ハーランの元担当医に会い、上司とガサ入れをしたハリーはハーランがスワン監督に成りきっていると知る。
その頃ハーランは、スワンになりすまし、サマンサを呼びだし、誘拐した。
ハリーは小切手に気付き、車を走らせる。
アジトでもみ合う2人の前にハリーが現れ、ハーランはサマンサを盾に。ハリーは銃を捨て油断させると、サマンサを引き離して、保護。
ハリーはサマンサを隠し、弾を使い切ったハーランに、撮影で使用した銛をお見舞いし、串刺しに。
2人はマスコミをすり抜け、現場を後にした。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1988年、アメリカの作品です。
原題:THE DEAD POOL
共演:パトリシア・クラークソン リーアム・ニーソン ジム・キャリー
ダーティハリー最後の作品は、日本にとって昭和の終わりを感じさせるものになってしまいました。暴力社会に対抗するための暴力刑事も去る時代が来たのかもしれません。思えば、ヒーロー刑事は、常に社会で最も大きなタイプの悪に対抗するために生まれてきました。子供達が憧れるべきは表面的なものではなく、常に悪と戦うための必要な装備をするという事だったのかもしれません。
最後に銃を使わないというのは、「こんなものが無くてもやっていける」というような暗喩だったのかもしれません。どうしても形から入ってしまう事はあります。ですが44マグナムは扱いやすい銃であるとはとても言えず、ましてや使う側が危険になる事も多々あります。少なくともアメリカ人なら小口径の銃を。日本人でもコンパクトな警棒くらいは持っていても良いような気がしますが、そういった危険があるのは、今の日本では田舎くらいでしょうねえ。
報道というものについても考えなければいけません。報道はほぼ毎日、ニュースショーの尺を、決まったページを埋めなければなりません。毎日字や写真の大きさ、ページ数や時間、喋り方を変えてはいけないのです。そして尚、読者視聴者に触れてもらうために、注意を惹きつける為に取っておきの「ネタ」というものを用意しなければなりません。その為に躍起になり、煙たがられる思いをしなければなりません。もしかしたら我々人間の悪意の集合体なのかもしれないという事を、決して捨てることはできません。
一方で、しつこく丁寧に突いていく事で浮かび上がってくる悪もあります。それを決して逃さないために彼らの存在は必要であり、私達もまた、社会に胸を張って生活できる人間でなくてはいけないのです。
映画史的に、これからの刑事モノは凶悪犯が個人サイコパスから、それらを含んだテロリストなどに代わり、『ダイ・ハード』のような超大型アクション作品へと製作が変わって行き、一対一の刑事ドラマはしっとりと、シリアスかつ感動的な、叙情的作品が好まれるようになります。ですから今作品は、映画がまだ大味で良かった頃の最後の作品に位置づけられるでしょう。

ダーティハリー4