高麗の郷ハイキング

日和田山と巾着田


2020年1月






 
武蔵横手駅
 武蔵横手駅

 埼玉県の南西部に位置する丘陵地帯、奥武蔵とも呼ばれるこの場所で、今日はのんびり里山歩きをしようとやって来ました。東京の池袋から西武鉄道池袋線に乗車しておよそ70分、ここ武蔵横手駅からハイキングスタート。





駅前を走る国道
 駅前を走る国道

 朝8時過ぎのひっそりとした改札を抜けて、駅舎を後にします。駅前を走る片道1車線ずつの道路は、国道299号線です。





国道を渡り左へ
 国道を渡り右へ

 目の前の横断歩道を渡って、ひとまず国道を右手に進みましょう。





国道から分かれて左手へ
 国道から分かれて左手へ

 およそ50mほど進んだ場所に、国道から分かれて左方向へと延びて行く林道がありました。少し分かり難いのですが、国道の向こう側に、五常の滝への指導標が立っています。先ずはこの滝を目指して進みます。





林道関の入線
 林道関の入線

 国道から分かれて左手に入り林道へ。以降は、所々に設けられた指導標に従って進んで行けるので分かり易い。ところで今日これからのスケジュールはと言うと、滝見をした後小さな里山のピークを二つ越えて、高麗の郷の巾着田へと向かいます。





沢を眺めながら進む
 沢を眺めながら進む

 この林道は、林道関の入線。右手に流れる沢を眺めながら、しばしなだらかな上り坂を歩いて行きましょう。朝の空気がとっても気持ち良い。





五常の滝受付
 五常の滝受付

 武蔵横手駅前をスタートしておよそ2kmほど。今日最初の目的地、五常の滝に到着です。入山料は200円也。ここでちょっとお勉強。滝の名前の「五常」とは、仁・義・礼・智・信からなる人が守らなければならない五つの徳で、「五徳」とも呼ばれる儒教の教えなんだって。





儒教者の聖廟
 儒教者の聖廟

 そんな訳で滝見台へと向かう道端には、五常に因んで孔子や孟子をはじめ儒教者の聖廟が並んでいるんです。





五常の滝
 五常の滝

 五常の滝は落差12mの、それ程大きくはない静かで清らかな雰囲気の滝。その昔戦場へ向かう武士たちが、この滝の水に打たれて必勝を祈願したという言い伝えから、必勝祈願の滝と言われているらしい。





切り通し
 切り通し

 次なる目標は北向地蔵。五常の滝を後にして、林道を先へと進みましょう。目前に現れたのは、立ちはだかる巨岩を切り開いて道を造った「切り通し」。





林道から分かれて左へ
 林道から分かれて左へ

 やがて進む道は左右に分かれます。舗装された林道を右手に分けて、ここは左方向へと延びる登山道に進みましょう。





熊注意!
 熊注意!

 登山道の入り口に設けられたバリケードには、車両通行止めの案内と共にこんな案内が・・・

 まぁ、「クマに注意」は山道では当たり前ではあるんだけど、ともかく熊鈴は必携であります。





林道土山線
 林道土山線

 登山道を先へと進み、徐々に標高を上げて行くと間もなく、再び舗装路の林道に合流します。これは林道土山線。





指導標に従い再び登山道へ
 指導標に従い再び登山道へ

 これを渡って、林道と交差する形で伸びる登山道をそのままに進んで行きましょう。傍らには「北向地蔵」への指導標が。

 山道と舗装路は、以降幾度となく合流する事になります。





北向地蔵に到着
 地蔵堂がありました

 更に山道を登って行く事およそ20分。前方で交差する舗装路の林道、奥武蔵グリーンラインの向こう側に、北向地蔵のお堂が見えて来ました。





北向地蔵に到着
 北向地蔵

 江戸時代中期に発生した天明の大飢饉。この時に飢饉や疫病からこの土地や村人を守るため、1786年に下野(しもつけ 現・栃木県)の岩船地蔵尊から分身を譲り受けたのがこのお地蔵様なのだとか。





縁結びのお地蔵様
 縁結びのお地蔵様

 この場所から見ると北の方角にあたる、岩船地蔵尊に向けて建立されたので北向地蔵。元々は飢饉から守るお地蔵様なんだけど、今では縁結びのご利益があるらしい。





物見山へ
 物見山へ

 因みにこの辺りは標高380m。実はこの場所が、今日のハイキングの最高地点なんです。そしてこの後は小さなアップダウンを幾つか経て、二つの里山のピークを目指します。先ずは最初のピーク、物見山への指導標に従って、地蔵堂の目の前のハイキングコースを進みましょう。





指導標に従い物見山へ
 指導標に従い物見山へ

 しばしのんびりと尾根歩きを楽しんでいたら、やがて分岐点が近づいて来ました。二つの道は結局この先でまた合流するのですが、指導標によると左方向に進めば物見山山頂です。ここは左の道へ。





物見山山頂
 物見山山頂し

 程なく、標高375mの物見山山頂に到着。まぁしかし、山頂とは言え周囲の眺めはそれ程でもありません。ともかく山頂のベンチに腰掛けて、水分補給をしながら小休止。





高指山経由で日和田山へ
 高指山経由で日和田山へ

 この後は高指山の脇をかすめて、今日の二つ目のピーク、眺望が素晴らしい日和田山の山頂を目指します。





山頂近くの急勾配を下る
 山頂近くの急勾配を下る

 ひとまず高指山への指導標に従い、物見山あとにして山頂近くの急勾配を下って行きましょう。





林道沿いのトイレ
 林道沿いのトイレ

 山道を15分ほど進むと、舗装された林道に合流します。この辺りは駒高の集落。そして林道沿いに綺麗な手洗いを発見。ここで一旦トイレ休憩することに。





指導標に従い日和田山へ
 指導標に従い日和田山へ

 林道をそのまま進むと、10分ほどで右手に分かれて行く山道が現れました。指導標によると右の山道へ入ると日和田山へ、左の舗装路を進むと間もなく物見山山頂へ。だけど物見山の山頂は電波塔が建っているだけで見晴らしは全く期待できないんです。と言う訳で、ここは右手の山道へと入って行きます。





日和田山山頂への急登
 日和田山山頂への急登

 山道のハイキングコースを暫く歩いて行くと、目前に岩肌のあらわな急登が現れました。そしてこの先に日和田山の山頂が待っているんです。





日和田山山頂
 日和田山山頂

 短い急登をあっと言う間によじ登ると、一瞬に視界が開けました。ここが日和田山山頂





筑波山を望む
 筑波山を望む

 標高305m。東京スカイツリーの半分、東京タワーよりも低い山ではありますが、眺望はハンパない! 快晴の今日は、遥か筑波山の姿も見晴らせます。





金刀比羅神社
 金刀比羅神社

 そしてそして、この頂上からほんの少し下った場所にある、金刀比羅神社からの眺めが更に素晴らしいんです。いよいよ今日のハイキングのクライマックス!!





丹沢山地を望む
 丹沢山地を望む

 先ず目に飛び込んで来たのは、大山から始まる丹沢山地の山々。





富士山を発見
 富士山も見えます

 そして右方向へ視線を移して行くと、雪を頂いた富士山も顔を出しています。





眼下に見える巾着田
 眼下に見える巾着田

 眼下にはこれから訪れる予定の、高麗の郷の巾着田が確認できます。高麗川が大きく蛇行した場所を開墾して作られた水田で、川の蛇行が巾着袋の形に似ているところからこの様に名付けられました。





女坂で下山
 女坂で下山

 日和田山からの下山は男坂と女坂の二通りだけど、どちらもやがては合流します。今日は女坂を選択。





短時間で下山
 短時間で下山

 山道のハイキングコースを、30分ほど下って行きます。低山の里山なので、下山に時間はそれ程かかりません。





巾着田へ
 巾着田へ

 下山後舗装路に合流したら、指導標に従って巾着田を目指します。





高麗本郷交差点を左折
 高麗本郷交差点を左折

 間もなく正面に、高麗本郷交差点のT字路が見えて来ます。これを左折して、県道15号線を進みましょう。





巾着田
 巾着田

 高麗本郷交差点からおよそ200mほどで、高麗の郷巾着田に到着です。





巾着田より日和田山を望む
 巾着田より日和田山を望む

 ここは8世紀の始め、奈良時代の頃に、朝鮮半島の高句麗から海を渡って移住してきた人々が、土地を切り開いて水田を造った場所。





巾着田を流れる高麗川
 巾着田を流れる高麗川

 だから、高句麗からの移民が住んだ場所なので、高麗(こま)という土地の名前になったのでした。





巾着田の遊歩道
 ヒガンバナの群生地

 ほぼ円形の形をしたこの土地の大きさは直径およそ500m、広さは22ヘクタールで東京ドーム5個弱の面積です。かつてあった水田は現在では無くなっていますが、現在ではヒガンバナやコスモス、桜や菜の花といった美しい花々の姿を、季節によって楽しむ事ができます。





ヒガンバナ(2009年9月撮影)
 ヒガンバナ(2009年9月撮影)

 なかでも特にヒガンバナ(曼殊沙華)の群生地として人気の場所で、秋口のシーズン中、高麗川沿いに長さおよそ600m、幅およそ50mに亘って咲き乱れる様子は圧巻です。





遊歩道を歩く
 遊歩道を歩く

 巾着田ではこの他、小さな牧場や水車があったり、バーベキューやキャンプが出来たりと、結構いろいろ楽しめるんです。





コスモスも楽しめます(2009年9月撮影)
 コスモスも楽しめます(2009年9月撮影)

 既述のように秋にはコスモスも見られるので、ヒガンバナのイベント期間中には同時に楽しむ事が出来ます。





鹿台橋
 鹿台橋

 さてさて、県道15号線をさっきの高麗本郷交差点まで戻ったら、そのまま県道を進んで鹿台橋を渡りましょう。





鹿台橋より高麗川を望む
 鹿台橋より高麗川を望む

 鹿台橋は高麗川に架かる橋。川の流れはこの場所から大きく蛇行して、既述の様に巾着袋の形を描いているんです。





指導標に従い小道へ入る
 指導標に従い小道へ入る

 鹿台橋から100mほど先の、鹿台橋交差点手前。左手に分かれる脇道には「高麗駅」への指導標が建っています。これに従い左折して、脇の小道へと入って行きましょう。





高札場が見えたら左折
 高札場が見えたら左折

 道なりに進んでゆくとT字路に突き当たるので、指導標に従い左折。手前に建っているのは復元された高札場。これは江戸時代に、幕府からの通達などの御触書(おふれがき)を掲示した場所です。





高麗駅ホームが見えてきた
 高麗駅ホームが見えてきた

 程なくハイキングのゴール、西武鉄道池袋線の高麗駅が見えて来ました。





高麗駅前
 高麗駅前

 高麗駅前にそびえているこの2本の柱は、朝鮮の魔除け将軍標。朝鮮半島からの渡来人の歴史に因んだものです。









★交通 西武鉄道池袋線 武蔵横手駅下車
★歩行距離 約 9.5 km



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