打ち直し・仕立て
打ち直し
言葉の由来は二千年前からのもので、その当時は弓の弦で綿の表面を叩き繊維を解していましたので打つという言葉になったと思います。しかし現在の打ち直し機械は写真でご覧のようにお花の剣山のようにビッシリと針が巻かれているシリンダーという心臓部があり、早い回転で回っています。撮影のためにふたを開けてありますが、操業時は密封されています。その回転するシリンダーに古くなったふとんを少しずつ当ていくと針が繊維を引っ張り出す、これが解す行程なのです。この解しわたは新綿のような繊維と繊維の間に隙間ができ膨らみを取り戻すのです。百年位前までは弓で実際にわた打ちが行われておりましたが、当時は職人が敷きふとんなら一日一枚位が限度だったようです。
しかし現在の機械の力は昔の50倍以上の性能を発揮できます。その上わたをほぐすだけではなく(ここが当工場の自慢の設備)その中心に強烈な集塵装置(家庭用掃除機の30倍のパワー)を設置して、ゴミ、ホコリ、水分、臭いなど吸い取りキレイになった繊維が次の工程に進むようになっているのです。
以上ご説明しましたとおり、当工場の打ち直しは非常にクリーンになります。その上本来の打ち直しの使命、カサが回復するのですから昔からある方法なのに実に優れた再生方法だと言えるのではないでしょうか。
仕立て
打ち直しをしてシート状に製綿されたわたを職人が手ずくりで、わたを重ねて厚みを調節し、わたづくりをして側生地の中に詰め込む、これが仕立てです。(写真がその現場)
これはかなりの技術を要します。当店この点にも自信あります。店主は長年、技能検定委員でした。ふとん製作技術の技能検定一級を卓越したものが与えられる資格です。
価格について
価格の構成 → 打ち直し工賃 + 側生地代 + 仕立て工賃 = この3つの価格の合計
価格の一例 → シングル敷きふとんの場合 平均¥9,900 〜 ¥12,000
中綿の量、側生地のランク(3ランク)で価格の差が出ます。
また足し綿をした場合は上記の価格にプラスになります。
お預かりからお届けまで: 通常10日間程度のところ、自家工場のため納期のご相談可能です。詳しくはお電話にてお問合せください。
その他
最近はあまり足し綿はお勧めしておりません。昔のように重いふとんは現在必要ないと思います。建物の構造、地球の温暖化などにより厚いふとんは時代遅れだと思います。
軽く作るのは簡単なことです。中に入れる綿の量を減らせばよいのです。重い、ペチャンコのダーティーなイメージを払しょくすることに情熱を燃やしています。