そば処きくちのそば用語 そばについて知りたい情報はそば用語で (あ~さ)
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そば用語 あ~さ
秋新(あきしん) 秋に収穫される新蕎麦のこと。味香り、透明感薄緑の色といい群を抜いている。新蕎麦の時期は蕎麦好きが胸躍らせる時期。
秋そば(あきそば) 秋そばは秋新とも呼ばれ、本来新蕎麦は秋そばと呼ばれていた。色・味・香りともに秋そばの方が優れているので昔から「秋新」と呼んで珍重されてきた。秋そばは八月に播種し、十月下旬から十一月上旬に収穫する。地域よっては若干異なる。
揚げざる(あげざる) 茹でた蕎麦を釜からすくい上げる、竹(ステンレス製もあり)で編まれたざる。これに蕎麦を載せて冷水で洗う。網目の細かさが異なる、蕎麦用揚げざるとうどん用揚げざるとがある。
朝引き(あさびき) 前日に出前した容器を翌朝回収すること。
厚削り(あつけずり) だしをとるために厚く削った鰹節。花かつおのように薄く削るのが普通だが、蕎麦屋ではこの厚削りが用いられる。
熱むぎ(あつむぎ)冷麦を茹でて、冷水で締めた後に湯通しして、温かい辛汁で食べるメニュー。
熱もり(あつもり) 温かいもり蕎麦のこと。湯通しともいう。もりそばを冷水で締めた後に湯通しして、温かい辛汁で食べるメニュー。蕎麦屋では熱もりを「土用」といい、冷たいもりを「寒」という。
兄貴(あんちゃん) 前日に作ったそばや具材を、翌日に持ち越したもの。開店直後に厨房からこの言葉が聞こえたら、あるいは打ち立てではないかも!?
甘皮(あまかわ) 蕎麦の黒い皮を取り除くと現れる種皮のこと。
荒節(あらぶし) 鰹節は製法の段階により荒節(鬼節)と枯節とがある。荒節は煮た魚を燻して乾燥させたもの。
霰蕎麦(あられそば) かけ蕎麦に海苔を敷いて、その上に小柱を散らしたもの。
庵(あん) 「庵」とは、本来、小さな住居を意味する言葉。昔、僧侶や尼僧が住む家等に使われていた。現在の蕎麦屋の屋号に庵という名前がついているのはこの神社の由来である。
石臼挽き(いしうすびき) 蕎麦粉を石臼で挽いたもの。挽く時に熱を持たないので、蕎麦の風味を損なうことがない。粒子は不ぞろいで見た目は悪いが現在の主流であるロール製粉に比べ風味が落ちる粉やけがなく、香りを飛ばさないことなどから評価が高い。
イタ 蕎麦の切れたる時のこと。
板そば
板そばはそば街道で有名な山形県村山市が発祥地。板そば用の大きな生舟に本格手打ちそばを盛付したそば通のための逸品です。 板そばとにしんの甘露煮はお客様に大変好評を頂いております。板そばの由来は昔、農作業をした後のご苦労ぶりをねぎらい、酒と大きな生舟に盛り付けた蕎麦を振舞ったのが板そばの由来と云われています。盛る器によって名称が変わる例では、新潟・小千谷市のへぎ蕎麦、兵庫・出石町の皿蕎麦等があります
板前(いたまえ) 広い板の台を用いて、そばを打つ職人のことを「板前」あるいは「機械場」という。
一番粉(いちばんこ) 内層とも言う。挽き抜き作業によってできたものから上割れを除いた全部と更級粉を取った残りとを混ぜたものが一番粉以下の並みの蕎麦粉の材料になります。それをふるいに掛けて得られる粉を一番粉といいます。
一夜蕎麦(いちやそば) 香川県陵南町小野では、打ってから一晩おいて食べるのがおいしいと言われそれを、一夜蕎麦と呼んでいる。
田舎蕎麦(いなかそば)一般的には蕎麦の殻まで挽きこんだ黒っぽくて太い蕎麦を指すことが多い。のど越しの良さはないが素朴で独特の味わいがある。
色物(いろもの) 色の白いそば粉にいろいろな混ぜ物をした変わり蕎麦の中でも色が鮮やかで見て楽しいのが色物の基本。
うすいろ醤油(うすいろしょうゆ) 濃口醤油の味そのままに、色だけ少し薄くした醤油。甘汁の色が濃いとしょっぱいと誤解されるので、最近ではうすいろ醤油を使うそば屋も多い。
臼挽職(うすひきしょく)「臼挽職」とは、手で使う直径一尺八寸(約五〇センチ強)ほどの「磨り臼」を車などに取り付けて、麺類店を定期的に回って、粉挽きを行う職業であり、「挽屋」とも呼ばれた。
打ち粉(うちこ) 捏ねた蕎麦を延ばすとき、くっつかないように表面に振る粉のこと。
内一(うちいち) 蕎麦粉と割粉の合計量に対する割合。そば粉9割に対して1割の小麦粉を加えるのを内一(うちいち)という。内二(うちに)。
うん六(うんろく) 幕末から明治にかけて大阪の北の新地と堺にあった店。この「うん六」の看板商品がうどんのあつもり。あつもり(熱盛)は、ざる用の汁を徳利に入れて湯煎して熱くし、茹で上がったそばを洗い、もう一度沸騰した湯にくぐらせ、蓋付きの蒸篭に盛る。ざるそばのように汁につけて食べるが、汁の中に生卵やとろろを落とし込むことも多い。栄養のバランスもとれた食べ方である。蒸篭に盛らずに「釜揚げそば(うどん)」「地獄そば」として茹で湯と一緒に出すものもあるが、そばが冷めにくいが、汁が薄められてしまう難点がある。
縁結びそば(えんむすびそば) 細長く続くように、という縁起から「縁結びのしるし」として嫁方から仲人付添いで、婿方へそばを持参する習慣。婿方から嫁方へと、逆の場合もある。清めの象徴であるそばは、婚礼の際も用いられるが地域によってはそばきりの「きり」を忌み嫌い(いみきらい)うどんを用いることもあります。また、薬味に使うネギは「禰宜(ネギ)」にも通じることから清めの意味もあったそうです。
駅そば(えきそば) 鉄道の開通は、明治五年の新橋~横浜間が最初であるが、鉄道開通により、駅を利用する乗降客や見送り、出迎えの利用客などがしだいに増加し、そうした客のさまざまなニーズを満たすために、いわゆる「構内営業」といわれる駅構内での食堂、喫茶店、売店などの開業が早い時期からスタートしている。駅そばが一般にポピュラーなものとなったのは、明治二七年の長野信越線の開通に伴い、明治三〇年ごろから軽井沢駅での営業を始めたことによるらしい。
おかめそば 具の並べ方がおかめひょとこのおかめの顔に似ていることからその名がついた。蝶の形に結んだ湯葉を両目、三つ葉を鼻、蒲鉾を頬、椎茸を口に見立てて上置きにする。
お声がかり お客さんの都合にあわせて蕎麦を出すという意味の業界用語。
追っかけ(おっかけ)朝に仕込んだものでは間に合わなくなり、急遽そばを打ったり、だしをとったりすること。午後に「追っかけ」をする日は、予想外に店が混んだ証拠でもある。
お膳を作る=台を立てる花番が汁をはかったり、箸をお膳に揃えたりすることを「お膳をつくる」とか「台を立てる」などといった。
鬼がら 玄そばの種子の外皮(殻)は食用にならないので一般的に外皮をむいて製粉します。殻付きのまま製粉する場合もありますが、殻は石臼でも製粉できないほど硬いので鬼がらとも呼ばれています。
鬼除け八日そば 奈良平安朝以来、邪悪なもの、もののけの類はすべて「鬼」とされ、この厄を除ける風習が各地に生まれた。これは栃木県あたりに残る風習で二月八日、師走八日に無病息災を願ってそばを食べるというもの。但し、この日取りは何をもとにして発したものか明らかでない。
おばけ 揚げ玉と油揚げを両方のせたもの。すなわち、キツネとタヌキのばかし合いで「おばけ」。
オヒネリ一杯きりの注文。
おろしそば 本来は大根卸しの汁をつゆのかわりに食べるそばのことだった。
かえし「かえし」とは、製法の違いにより本がえし、生がえし、半生がえしに分かれる。かえしとは、煮かえしの略である。かえしとは醤油と砂糖、味醂を合わせて寝かしこれにだしを合わせてそばつゆを作る。かえしは一週間ほど寝かせ、熟成させてから使う。
香り蕎麦の香りは微かなものである。香りを最も強く感じるのは蕎麦を打っているときである。
カカリモノ 同一方面へ持ち出す時、他家の分をも合わせて持ち出すものを言う。
がくがくとはヘタとも呼ばれている。玄そばは黒又は茶色の硬い外皮(殻)を被り、がくがついています。がくは花びらを支えていたもので、ソバ粒の一つの角についている。
掛け紙(かけがみ) 出前の時に、薬味皿を包む紙。薬味紙ともいう。お店の屋号や電話番号を記してPRも兼ねている。
かけ蕎麦(かけそば)めんどくさがりの江戸っ子が汁を蕎麦にぶっ掛けて食べたことから始まった。また、丼に入れた蕎麦に辛味大根のおろしと冷やつゆをかけて「ぶっかけ」と称する店もある。ぶっかけ蕎麦を省略してかけになった。
カチ二種の物の多き方を指して言う。
鰹節(かつおぶし) 鰹節は蕎麦、うどんのだしの必需品ともいわれる材料のひとつだ。関西と関東ではだしに使われる鰹節の種類も違う。一般に関東では「かびつけ」をした「枯節」、関西ではかびつけをしない「荒節」を使うことが多い。「枯節」はカビが鰹節からにじみ出る脂肪分を分解することから、魚くささがあまりなくカビの働きで水分が十分に飛んでいるので、うまみ成分のイノシン酸が分解されにくいとゆう特徴がある。
釜前(かままえ) 昔の蕎麦屋では、茹でを担当する職人を釜前といった。釜前はめったに風邪をひかないと言われてきた。釜から上がる湯気を吸っているだけで健康に効果があったという。
釜が来た(かまがきた) 湯の沸騰することを蕎麦屋の通し言葉で釜が来たという。つまり沸いて来たという略。
鴨せいろ(かもせいろ) 甘辛く煮た鴨肉を入れたつゆで、冷たい蕎麦を食べるもの。
鴨南蛮(かもなんばん) 「鴨南」とも言う。南は南蛮で、ネギを使った料理のことと言われている。吐く息が真っ白になるような寒い日にぴったりのかも南蛮。鴨はたいてい合鴨が使われる。処でこの南蛮とは葱のこと、鴨の油かごま油でさっといためるのが定番。鳥肉を使えば「鳥南」である。
枯節(かれぶし) 枯節は荒節の表面を削って(これを裸節と呼ぶ)カビづけしたもの。カビが節の水分を吸収し、脂分を分解するので枯節の方が軽い味になる。
辛汁(からじる) もりやざるようの濃厚な汁のこと。
変わりそば(かわりそば) 白色の一番粉を使った蕎麦に、海老、菊、柚子、胡麻、けし、鶏卵、ヨモギ、オオバ等を練り入れて色をつけた蕎麦。
寒ざらしそば(かんざらしそば)江戸時代に途絶えた寒ざらしそばは一九七四年に復興し、ソバの実(でわかおり)を冷水に浸し(水浸し作業)、約二週間後に水揚げして寒風にさらして乾燥させるソバで風味や甘みが増すといわれています。大寒の時期に行われ蔵王山系を水源とする上宝沢の清流で行われます。山めん寒ざらしそばは四月下旬から山形市のおそば屋さんで食べられます。
菊練り(きくねり) 水回しで固まりを掌で内側に折り込む作業を、玉を回しながら全体に施していくと玉の中心に菊花のようなしわができる。これを「菊練り」と言う。
生粉(きこ) 蕎麦粉100%の蕎麦。これで打った蕎麦を生粉(きこ)打ちという。
生粉打ち(きこうち) 蕎麦粉だけで打った十割蕎麦。小麦などのつなぎを一切入れずそば粉だけで打つこと。
義士蕎麦(ぎしそば) 赤穂浪士討ち入り追悼の蕎麦会。 赤穂浪士討ち入りを追懐して行なわれるようになったそば会、あるいはそのそば。昭和2年(1927)に東京の有楽町更科ではじめて「義士そば」 の行事が行なわれ、色物(変わりそば)が作られた。正式名称は「赤穂浪士追懐、五色そばの会」。当時の新聞に「有楽町更科の藤村おやぢ、昨年師走14日、赤穂義士討入りそばの会を催したところ2000人からの申し込み、今年(昭和3年・1928)はさらに大仕掛、本店支店打ち寄っての大がかり、そばは古来家伝の七色そば、もう今から申し殺到」とある。参考リンク:そばの豆事典様より
生そば(きそば) 本来は生粉打ちのそばを指すが、現在では暖簾に「きそば」とあっても、必ずしもつなぎを入れてない蕎麦を提供しているとは考えない方がいいかもしれない。
きつね温かい掛けそばに油揚げを載せたもの。具の油揚げが狐の好物ということからついた名称。関西では信田。
木鉢下(きばちした)もともとは作業をしやすくするために、木鉢を乗せた丸桶のことだったが、やがて、その桶の中に保管した蕎麦粉と小麦粉の混合粉を指すようになった。
きらず玉水回しで均等に回らなかったりしたものを「きらず玉」と言う。
切りべら二三本(きりべらにさんぼん) 蕎麦を切る時の太さについて、江戸時代「切りべら二三本」が並蕎麦の定法とされてきた。切りべらとは延した生地の厚みより包丁で切る幅の方が薄いことで「切って薄べったくした」と言う意味である。生地一寸(3.03cm)幅を二三本に切るのが標準とされた。
きん「きん」とは、麺類店独特の通し言葉である。「台はきんで願います」と奥(調理場)に通せば、常連客や得意客などへ、そばやうどんの量を多めに盛ることをいった。つまり、そばやうどんの量を多めに盛ることをいう。語源は尺貫法の重さの単位である斤量(一斤は160匁(もんめ)=約600g)に由来するという説があり、目方を増やしてサービスすることから、この言葉が使われたといわれている。ちなみに、これとは反対に量を少なめに盛ることを「さくら」という。
くち味醂(くちみりん) 辛汁の味の調整において、最後に加える味醂。飲める味醂を使うことが肝心らしい。
口物(くちもの)大口注文のことをさす。
九品院(くほんいん) 九品院は、浄土宗誓願寺に属した「塔頭寺院」の一つで、「延命蕎麦喰地蔵尊」をまつっていることで知られる寺である。
車(くるま) 車海老のこと。天ぷらそばの素材では最も高級。東京の老舗は、たとえ小さくてもだいたい車海老を使っている。
化粧水(けしょうみず) 茹であがったそばを洗い桶で洗ったあと、仕上げに清水をもう二三回かけること。これにより、そばがキリッと締まっておいしくなる。
玄蕎麦(げんそば) 黒い殻のついた蕎麦の実のこと。
慳貪(けんどん) けんどんとは、麺器を納める箱の蓋を言う。慳貪の名を蕎麦に冠したのは、寛文四年に慳貪蕎麦切り始まる、値八文ずつにて、下賎の食とすとあるのが、けんどん蕎麦の最初である。
五穀(ごごく) 五穀とは主食とする穀物の代表でイネ、ムギ、アワ、キビ、マメを指します。
こし 噛んで弾力を感じる歯ごたえを言う。ただ固ければいいというものではない。もちもちとした弾力、粘り気が望ましい。柔らかいけれど、歯をしっかり受け止めてくれるような力強さが蕎麦独特のコシなのである。
御膳がえし(ごぜんがえし) かえしに、さらに同量の味醂を加えて作ったかえし。もり汁とざる汁を区別している店では、ざる汁用に用いられた。
御膳蕎麦(ごぜんそば)更級粉で打った純白の蕎麦は、香りは乏しいが、上品なので御膳蕎麦と呼ばれた。
御前蕎麦(ごぜんそば)江戸時代、「永坂更級」では、卵白をつなぎにした白い更科蕎麦をもって、将軍様や諸大名の御用をつとめたので「御前蕎麦」とも称した。
ゴソウ 出前の後口のなき場合に言う。
粉焼け(こなやけ) 粉を挽く際に、摩擦熱が加わり、風味を損なってしまうこと。あえて石臼引きを使うのはこれを防ぐため。
捏ね(こね) 木鉢で蕎麦粉に水分を加えて練る作業。水回し(みずまわし)とも言う。水で練るのは「水捏ね」、水の代わりに熱湯で練るのを「湯捏ね(ゆごね)」と言う。
小間板(こまいた) 駒板とも言う。麺を切る時に当てる木製の定規。小間板の材質は、手でおさえる部分が、桐や杉などでできており、「立ち上がり」と呼ばれる定規の部分は樫木で、薄板の端は削られていて、そばが最後までなめらかに切れるようになっている。
五味(ごみ) 蕎麦の味覚は五味を超えると言われてきた。「甘(かん)、酸(さん)、鹹(からさ)、苦(く)、辛(しん)」などと言い、あまさ、すっぱさ、しおけ、にがみ、からさのことを言う。六味といえば、「淡」が加わりさっぱりしていると言う意味。
ざるそば 語源は単純で、そばを笊に盛って出したからである。江戸時代の初期から中期にかけての頃、冷たいそばは平椀か皿に盛るのがふつうだったが、そこに登場したのが笊に盛るという新趣向だった。今は一般に、ざるそばイコール「海苔かけ」と思われている節があるが、もりそばに海苔をかけて「ざる」としたのは明治以降のことである。本来は何もかけずに、わさびだけを添えるのが定法とされている。
サクラ キンと反対の言葉。分量を少なく盛ること。
笹切り(ささきり) 笹粉を混ぜた変わりそば。笹の若葉を粉にして、蕎麦粉に混ぜた変わりそばの一つ。山国の風趣をしのぶ趣向だ。
さなご ソバの実を外皮すれすれまで挽きつめ、ふるいにかけて通り抜けずに残った最後の粗い粉。栄養分は豊富だが繊維質が多いため、余り食用には用いない。
鯖節(さばぶし) だしの材料の一つ。お蕎麦屋さんのだしを取るために使う。鯖の生っぽい風味と、甘味のあるまろやかなコクが特徴。
更級系(さらしなけい) 更級系とは、信州の蕎麦粉の集散地更級郡から「更」を、主家保科家から許された「科」をそれにつけて「信州更級蕎麦処」としたところ、客が「更級」と呼び習わし通称になった。
更級粉(さらしなこ)=御膳粉(ごぜんこ) 挽き抜き作業によってできた上割れだけを上臼を少し浮かせて軽く挽いた粉です。さらしたように白いところから更級粉、ごく少量しか得られないところから御膳粉とも言います。
三たて(さんたて) 美味しい蕎麦の条件として「挽きたて、打ちたて、茹でたて」がある。これらを蕎麦の三たてと言う。挽きたて、打ちたて、茹でたてがうまい、の意。ただし、打ち立ては麺生地内にまだ空気を含んでいるため、うまく茹でられない。厳密には打ち立てより、少し寝かせてからのほうが美味しい。
三番粉(さんばんこ)表層とも言う。二番粉の次に得られる粉です。外皮に近い部分の粉で、甘皮(ソバの実の殻の下にある種皮)部分を含んでいて茶色がかった灰色です。蕎麦特有の香りが強く栄養成分も高い粉ですが、歯ざわりはあまりよくありません。
三色そば 三色そばの場合は、赤(海老切りなど)、白(さらしなそば)、青(蓮切り、茶そばなど)の組み合わせ。五色そばは、これに黄(卵切りなど)、黒(ごま切りなど)を加える。
仕舞蕎麦(しまいそば) 「かんばん」後に、従業員が残ったそばなどを食しながら、その日の食材のことや、反省点などを話しあうこと。つまり、今で言う終業後のミーティング、あるいは反省会といった趣。こうした時間を持つことにより、主人や従業員同士のコミュニケーションがはかられていた。従業員教育を重んじるそば屋では、伝統的な習慣として残っていたものらしい。
正月蕎麦(しょうがつそば) 正月に食す年中行事そば。甲信越、東北の一部では清めの食べ物として、正月元旦、二日、十五日、晦日にそばを打つ風習がありました。古来より、そばは清めの象徴として祝儀にも用いられました。寒い時でも、もりが喜ばれ、東北地方には「そばは温まるまで食え」という言葉もあります。そばを食べて、満腹でこたつに横になれば天下泰平、自然と体が温まって幸福な眠りに誘われるということのようです。
新そば(しんそば) 蕎麦は春や夏にも収穫されるが、そちらは新そばとは言わない。10月ころから出始める秋新がいわゆる新そば。
末粉(すえこ) 三番粉をさらに挽くと出てくる甘皮や子葉部分の粉。そば屋ではほとんど用いられず乾麺用などに用いられる。
すだれ せいろに引く蕎麦を乗せる竹で編んだもの。蕎麦屋の店先に干してある数で、その店の繁盛ぶりが判断できる。
砂場系(すなばけい) 砂場という暖簾の発祥は豊臣秀吉の大坂城築城の時にさかのぼる。工事用の砂置場周辺に「津国屋」「和泉屋」等の蕎麦屋が開業し所在地の俗称で「砂場」と呼ばれそれが蕎麦屋の代名詞になってしまった。
ずる玉水回しで加水が柔らかすぎるものを「ずる玉」と言う。失敗作。
節分 豆まきは「鬼は外、福は内」と言いながら鬼払いの豆をまくのが一般的です。まき終わったら、福が逃げないように素早く戸を閉め年の数の豆を食べます。
全層粉 玄ソバを丸ごと製粉したものを「全層粉」という。以前は、玄ソバの殻が付いたままを石臼で挽き、ふるって殻を取り除く方法で、殻が完全には除去できずに粉の色は黒く、食感もぼそつくが栄養価は高かった。
全粒粉 現在は、玄ソバの外皮(殻)を取り除いて甘皮に包まれた状態の丸抜き(ヌキ)を石臼で挽き、粉の取り分けをしないでそのまま挽きこんだ粉のことを「全粒粉」といって主流になっている。現在ではこれらが混同されているが、いずれも「石臼挽き」の特徴で「挽きぐるみ」という。
節分いわし 「門守り」といって節分の日に、柊(ひいらぎ)の枝にイワシの頭を刺したものを家の戸口にさす風習があり、イワシのニオイで悪疫を祓(はら)うといわれています。
節分そば 立春の前日の節分は大寒の最終日で冬から春への節目の日。そのため江戸時代には大晦日ではなく節分を本当の年越し(立春が年の改まる日)という考え方がありました。節分に食べるそばを年越しそばと呼ぶようになったといわれています宗田節(そうだぶし) だしの材料である宗田鰹。雑っぽい香りと苦味、雑味のあるコクが特徴だ。
外一(そといち)蕎麦粉と割粉の比率が、10対1の混合粉のこと。
外二(そとに) 10割のそば粉に対して2割の小麦粉を加える。つまりikgのそば粉に対して200gの小麦粉を加える。
蕎麦(そば)古名:そばむぎ。タデ科の一年生作物。原産地は東アジア北部とされ、中国・朝鮮から日本に渡来。ロシアに多く栽培。多くの品種があり、夏そば・秋そばに大別。茎は赤みを帯び、花は白。収穫までの期間が短く荒地にもよく育つ。果実の胚乳で蕎麦粉を製する。古今著聞集に「ぬす人は
蕎麦を取りてぞ はしりさりぬる」
そば街道そば街道の正式名称は最上川三難所そば街道。最上川の中でも最も急な流れとして知られる三難所沿いにそば街道があります。全長15Kmほどの街道沿いに13軒のそば屋が点在し、各店で板そばなど個性的な風味豊かなそばが味わえます
そばがき そば粉を湯で手早くといて、団子状にしたメニュー。そばつゆや生醤油で食べる。ここ村山では、かいもちといい、納豆をつけて食べるのが一般的。
そば菓子(そばがし) 『近世事物考』という文献の中に、「そば、うどんは、寛文以後元禄の初までは、皆菓子屋にてあつらへしなり」という記述があり、その頃は菓子職人の年季を測るのにそば打ちをやらせたという説があるが、直接そば粉を原料に用いた菓子は、昔からいろいろと作られていたようである。
そばの日昔、そばの日とは江戸の商人が毎月月末に縁起物として蕎麦を食べていたことに由来しています。細くて長いそばの形状から、身代(しんだい=家の財産)が長続きするようにという願いを込めていたようです。
蕎麦ずし(そばずし) 御飯の代わりに蕎麦を使ったすし。干瓢、卵焼き、三つ葉、鮪などを芯にして海苔で巻くのが一般的。
そば猪口(そばちょく) もりやざるなどのつけ汁を入れる器。そのほとんどが伊万里焼だ。
蕎麦の三返り(そばのみかえり) 蕎麦屋では最適の火加減を蕎麦の三返りと言う。釜にいれた蕎麦が三回返った時に茹で上がるのが最もよい火加減と言うことである。
蕎麦振る舞い(そばふるまい) 新そばを収穫すると親戚知人を招いて蕎麦会を開く風習。「縁者呼び」とも言う。蕎麦前を出してから蕎麦、そのあとに中割という酒が出されてまた蕎麦となる。最後に納めの酒「箸洗い」が出てお開きとなった。
蕎麦前(そばまえ) 酒のこと。蕎麦屋では酒を蕎麦前と言う。昔の蕎麦前は燗酒であった。蕎麦屋らしい酒肴、板わさ、海苔、油揚げ、焼き味噌などで燗酒を傾けもり蕎麦で締める。
そば味噌(そばみそ) なめ味噌と、味醂汁タイプの二通りある。前者は甘味噌と抜きなどを混ぜたもので、お酒のお通しとして気が利いている。後者は、普通の味噌の米こうじの代わりにそばこうじを使ったもの。
そば屋の酒 昔から「蕎麦屋の酒は上等」といわれる。これは酒が貴重品だった明治の頃、居酒屋やすし屋はいい酒をグレードの低い酒で割って出すのが普通だったのに対して酒を提供するノウハウを持たなかったそば屋は、いい酒をそのまま提供したため。加えて、そば屋の肴は日本酒に合うものが多いので、余計にそう感じられるのかもしれない。
そば湯(そばゆ)
別名「蕎麦の後口(あとくち)」と呼ばれている。そば湯とはお蕎麦を茹でた釜の湯です。冷たいお蕎麦を食べ終わって残ったつゆ(もりつゆ)にこのそば湯を足して飲みます。蕎麦を茹で上げた後のゆで汁には蕎麦の栄養分であるビタミン、タンパク質が溶け出しているので栄養万点。このタンパク質は蕎麦のうまみの成分でもある。当店では直接、蕎麦粉で蕎麦湯を作ります。