室蘭 焼き鳥 焼鳥 やきとり ヤキトリ 焼きとり |
室蘭で焼き鳥と言えば「豚肉」「玉ねぎ」「洋がらし」というスタイルが一般的です。そのため、室蘭では焼き鳥や焼鳥という漢字を使わず、「やきとり」と書くのが一般的です。 室蘭に限らず、道南ではやきとりに豚肉を使う地域が多いと聞きますが、間に玉ねぎを使い、洋がらしを付けて食べるというのは室蘭独自のスタイルです。 室蘭やきとりのルーツについてはいろいろと言われており、いつ・どこでというのははっきりしていません。おおまかな歴史はこちらを参照してください。 ただ、鶏の肉が一般化、大衆化していく時代の中、室蘭の鉄工所で働く人々が鳥肉より豚肉を好んだのは確かなようです。 ちなみに私が考える室蘭やきとりの定義はこちらをご覧下さい(店主のブログ) |
◆豚肉の部位について | |
一般的な豚肉のやきとり=豚串、やきとんにはバラ肉を使います。ばら肉は柔らかいと思っている方もいるかもしれませんが、実は脂身が多いためにそう感じるだけで赤身は硬い部位です。ばら肉の美味さは脂身にありますが、脂身が苦手な方も多く、くどさを感じるため老若男女が沢山食べられる部位ではありません。 それに対し室蘭のやきとり店では豚バラではなく肩ロースを使用している店が少なくありません。肩ロースはヒレの次に取れる量が少なく、旨味が非常に濃厚で「もっとも豚肉らしい部位」と言われる高級部位です。ばら肉のような脂っぽさがないのでヘルシーであっさりと何本でも食べられるのが肩ロースやきとりの特長です。旨味が濃い赤身には適度な脂肪が網目状に入っているのでモモ肉のようなパサつきもありません。室蘭の焼き鳥が美味いと言われる秘密の一つがこの使用部位だと言えるでしょう。ばら肉やもも肉の1.5倍も原価がかかる部位なのですが、日本でも屈指の数を誇る焼き鳥店の競合の結果に生まれたこの肩ロースやきとりは室蘭やきとりの王道です。 当店では北海道産の厳選された肩ロースを精肉店(肉屋)などを介さずに養豚業者から直接仕入れております。肉の産地や部位が問題とされる昨今ですが、美味しさと安全性については自信を持ってご提供させて頂いております。旨味が濃い赤身と網目状に入った適度な脂、ここ室蘭でもお昼時に道産生肩ロースのやきとりを食べられるお店は当店だけかと存じます。 |
◆ヘルシーで栄養満点 ダイエットにも最適? | |
豚肉は良質なタンパク質が豊富で、疲労回復に絶大な効果があるビタミンB1の宝庫です。 さらに玉ねぎに含まれる硫化プロピルがこのビタミンB1の吸収を高めると共に、ケルセチンによる強い抗酸化作用で血をサラサラにすると言われています。 また、網焼きなので焼くときに余計な脂肪分が落ちてカロリーも大幅にダウン。大変ヘルシーで理にかなった食べ方と言えるでしょう。 当店では北海道産の生豚肉にこだわり、肉の旨みと柔らかさには自信を持ってご提供させて頂いております。 |
◆洋がらしは変ですか? | |
洋がらしを付ける・付けないは食べる人の自由ですが、初めてという方は一度付けて食べてみてください。 室蘭以外の方は”やきとりに洋がらしなんて付けない”という先入観があり、初めは抵抗感があるようですが、付けてみると 「これ、合うね」 という方がほとんどです。 でも良く考えると、トンカツや豚の角煮に洋がらしは合いますよね。豚肉と洋がらしの相性の良さは疑う余地もありません。 |
|
◆タレ味と塩味はどっちが美味しいの? | |
室蘭のやきとりも普通に塩味とタレ味があります。よく 「どっちが美味しいの?」と質問を受けることがありますが、困ってしまいます(笑) こればかりは人それぞれの好みですが、販売実績という意味では塩味の方が若干人気が高いようです。 ただ、塩味の場合は焼いてから時間が経つと塩が肉の水分を吸っていき肉が硬くなります。そのためお持ち帰りの場合には「タレ味」をオススメしております。 タレ味と塩味で迷ったら、是非両方頼んでください(笑) |
◆室蘭 焼き鳥 裏話 (店長の嘆き?) |
年々知名度を上げている室蘭焼き鳥ですが、観光で訪れたお客様からは「お昼にやっている店は少ないんだね」と言われることがあります。確かにお昼に営業しているお店は少なく、「せっかくの室蘭名物なのだから昼にもっと多くの店が営業したら良いのに・・・」という声が聞かれます。また地元のお客様からは「美味しいんだけど、一本100円にならないかね」と価格について厳しい意見を頂いたこともあります。 しかし、焼き鳥店には多少複雑な事情があります。ぶっちゃけると、焼鳥は非常に手間がかかる上、利益が少ないのです。特に国産豚肉は室蘭やきとりが誕生した当時から見ると約5倍も物価上昇しています。さらにその肉を成形して串に差すのですから、手間がかかります。小さなお店では昼時に自分で串をうち、夜に商売をするのが普通です。パートを雇って串を差せば人権費もかかります。さらにタレにも各店舗手間と時間を割いています。 それでも焼き鳥の価格は長い間それほど上がっていません。それは焼き鳥が酒の肴という特別な存在だからです。看板商品の焼き鳥を値上げするとお客様が離れてしまうので、お酒や他の商品(モツ串系などを含めて)で利益を補っているのが実情です。一般的な飲食店の原価率は2割から3割ですが、道内産肩ロースやきとりの原価は3割など遥かに超えています。半値程度で買える輸入冷凍肉を使えば儲けは出ますが、いずれお客様が来なくなることは店主が一番分っています。それだけ室蘭の人はヤキトリに厳しいのです。 室蘭の焼き鳥店では”品切れ”が日常茶飯事ですし、お土産(持ち帰り)を断られることもあります。人件費とロスを考えると1日に仕込める量は限られてきます。混んでいる日は店内のお客様が最優先となるのです。 ここまで書くともう話は簡単だと思いますが、室蘭に限らず、焼き鳥屋というのはお酒を飲んでもらえることを前提に営業しているのです。もちろん、お酒を飲まれないお客様もいらっしゃいますが、全体比率から言えば少数です。 焼き鳥とは肴であり、お酒やその他のおつまみを食べてもらって営業が成り立っています。 なにやら大変卑しい話で恐縮ですが、室蘭やきとりが名物となっても商売ということを考えると昼に営業する店舗が少ないのは仕方が無いことだと思います。 それでも当店が「やきとり丼」などを販売開始した当時に比べれば、昼に「室蘭やきとり」を提供するお店も増えてきました。しかし私が室蘭やきとりの王道だと信じて疑わない「道内産生肩ロース」のやきとりは当店以外に見たことがありません。酒の肴ではなく、食事としての原価を考えるとバラ肉やモモ肉、輸入肉を使うのはこれまた仕方が無いことだと思います。冒頭でも書いたとおり、焼き鳥とは100円程度のものという感覚が一般化していますので、これ以上価格を上げることには店としても抵抗があります。 また夜の店にはない別の問題もあります。通常夜の店では、やきとりを注文してからビールを飲み、お通しを食べて友人達と話をしながらやきとりの焼き上がりを待ちます。しかし昼のお食事やお土産にとやきとりを注文してから、じっと待っていると例え5〜10分でも非常に長く待っているように感じるものです。混雑している夜の焼き鳥店では注文してからやきとりが来るまで30分以上かかることも普通ですが、お昼時に30分以上かかると言われたらどうでしょうか?やはり焼き鳥は焼き立てが一番ですが、強火の遠火が焼きの基本、手間だけでなく意外と時間がかかるのです。さらに一度に焼ける量も限られています。早く焼きたいと思っているのは店側も同じですが、美味しく焼くには・・・・・・これまた苦悩です。 また、夜のやきとり店では精肉の他にもレバー、ハツ、シロ・・・などお店として儲け率が高いメニューが売れますが、昼の営業では名物である精肉しかほとんど売れません。稀にレバーや、ハツなどのモツ系を買いたいというお客様がいらっしゃいますが、普段は売れ残って捨てることになるため、仕込みが出来ないのが実情です。 さらに「やきとりを50本くれ」というご注文にも残念ながらお応え出来ないことが多々あります。混雑時は次から次とお待ちのお客様がいらっしゃいます。せっかく楽しみにきていただけるお客様に一人でも多くご提供するためには、多量のお持ち帰りをお断りしております。事前にお電話して頂ければ対応できますが、混雑時には10本以上のご注文をお断りしているのが実状です。 そして「むろらん焼き鳥」には名物としての弱点があります。やきとりとは焼き立てを食べるのが基本です。肉の水分率が鶏肉より低い豚肉は特に焼き立てを食べてもらうのが本来の味です。時間が経つと肉汁が出て固くなり、美味しくありません。そのため、当店でも焼き置きのやきとりは作りません。しかし名物をおみやげにしたいと思うのは当然であり、お持ち帰りを望むお客様が多いのも事実です。もちろん、おみやげ用も喜んでお作りしますが出来れば焼き立ても食べていってほしいと思います。せっかく室蘭まで来たのですから、焼き立てを一本でも召し上がってほしいと思うのが店側の意見です。出来上がったラーメンを持ち帰るお客様はほとんどいないと思いますが、店としてはやきとりも同じくらい焼き立てが大事だと思っております。 裏話というよりほとんど愚痴のようになってしまいましたが、室蘭やきとりを名物として盛り上げる一方、日中に観光で来られたお客様や、お酒を飲まないお客様にも「ただの豚串ではない室蘭のやきとり」を楽しんでいただけるようがんばりますので、これからもご愛好のほどよろしくお願い申し上げます。 |
◆関連リンク | |
室蘭やきとりを探る | 〜 室蘭市のやきとりPRホームページ |
通信販売はこちら |
copyright 2004 TORIYASU All rights reserved.