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ヤイユーカラパーク VOL35 2000.12.28
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事務局点描

  • 12月に入って頻繁に使われた枕詞「20世紀最後の……」を冠するならば、20世紀最後のニュース発行が來世紀にまたがることになり、悔しがっています。明けて早々にはお手元へ……。

  • 結局はひどく忙しい1年になり、やれなかった事ややり残した仕事が気になりつつの年末です。

  • 20世紀を定義する様々なテーマが云々されましたが、私は「映画の世紀」だったろうと思います。テレビもコンピューターも所詮は道具にしか過ぎませんし、戦争や変革は世紀が変わろうと続いていきます。それまでのどの世紀もそうであったように……。映画こそ今世紀に生まれ、発展し、新しい文化を創りあげました。それも、世界中に。と、かつての映画少年、映画で育った感のある私は思うわけです。

  • 映画の国アメリカが危機と終末映画ばかりを作るようになったのは、とても象徴的だと思います。21世紀には、ハリウッドが"文化"を創ることは出来なくなるのではないでしょうか。日本もまた然りでしょう。アジアや中南米などが映画の未来を創り、21世紀の希望も作っていくような気がします。

  • 「所詮は道具」と偉そうに考えていた罰なのか、わがパソコンには振り回されました。長旅から帰宅し、パソコンの使用環境を少しグレードアップしようと考えたのが原因です。

  • まずウインドウズ95を98にし、電話回線をISDNにし、インターネットのプロバイダーを変えました――これは、MSNネットワークがなくなるという事情からですが――。すると何が起きたか? 来年3月一杯はつながるはずだったMSNメールが死んだ。……泡くって新しいメールアドレスを各方面に通知し、交信できるようにした。頻繁に画面が凍った。……わがパソコンの師に来てもらい、原因は95を98に変えたためメモリー容量が足りなくなったためと判明。新メモリーを買い込んで付設してもらう。容量が5倍になりひとまず安心、反応がいかにも軽くなった……。

  • この春就職して東京でプログラマー(駆け出しの)になった息子が年末に帰省し、ホームページ作成ソフトをインストールしてくれた。「素材と環境――スキャナーなど――があれば、1〜2時間で出来ちゃうんだけど」などと豪語していたが、モノが揃っていないので真偽は確かめられない。翌日一冊の本を買ってきて、「これ読みながらやれば、大丈夫」と宣っていたが、そんなこと出来るわきゃない。読んだところで何言っているのか分からないのだ。懸案の『森』ホームページは、立ち上げまで今しばらく時間がかかりそうです。

  • アメリカ大統領がブッシュになり、オーストラリアはオリンピックが終わったのでハワードが本領を発揮するだろうし、日本はご存知の通り……。右傾化傾向が強くなっています。船で映画『スペシャリスト―自覚なき殺戮者』を見ました。アイヒマン裁判の資料映像を編集した作品で、『ショアー』とは違った意味で衝撃を与えました。平凡な普通の官吏によって、自覚も、ある意味では殺意さえなく事務処理されアウシュビッツへと送り込まれた人びと。『ショアー』は大量殺戮の「傍観者」の存在を印象付けましたが、この映画は「悪の凡庸さ」を強く印象付けました。状況次第で誰でも殺戮者になり得るし、なってきたという証明です。

  • 「いつか来た道」………もう、そこへ帰っているのかもしれません。

  • ともあれ、来たる世紀を生き延びて行こうではありませんか。