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2001.11.8 |
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広島・九州を10日間歩き、気がつくと国内では最長期間の旅でした。そのせいで発行が遅れたことと、船旅レポートがのさばって窮屈な構成になったことをお詫びします。下船して1年にもなるので、"とにかく終わらせなければ"の一念だったのです。そして、「次はいつ乗ろうか……」と、不埒なことも考えているこの頃です。
3年前、『森』のニューヨークツアー。半日間の市内観光で、ツインタワーに登りました。あの足元から崩れていったら……。想像を絶します。せめてのこと、早朝でよかった。
2001年9月11日を挟んで、世界は確かに変わりました。新世紀とともにやって来た新時代は、最悪の時代になるかもしれません。「民主主義」を標榜する強権と暴力の時代に。
「このテロ行為は単にアメリカに対するものではなく、文明社会に対する攻撃だ」と言います。つまり、「非文明社会」があるということなのでしょう。テロリスト達が使っている武器は、どこの国で作られている? 世界最大の武器製造・輸出国が世界中にばら撒いた武器・兵器の存在。これも「文明の利器」です。
「アメリカに付かない国は、テロリスト側だ」とブッシュ。"Show the Flag"に応えようと懸命な日本政府。「日本とアメリカは運命共同体」だと言う。リニューアルした「大東亜共栄圏」か。
「憲法がなんぼのもんじゃ。国民が死に絶えて憲法だけが残るようなことになるぞ」と吹きまくる石原慎太郎の"思い描く"国になってしまうのか?
テレビで見るブッシュと小泉、日ごとに表情が卑しくなっていく。ハイエナのブッシュとキツネの小泉。どうかすると、ビンラディンの目元がすずしくさえ見えてくるのが怖い。
戦後55年。"資本の論理"でアジア・太平洋・南北米大陸に到るまで制圧した「日本」が、武器を手にして"力"の論理でその覇権を確立しようとしている。'99年タヒチでのNFIP会議のプレゼンテーションで私は、「戦争ができる国になろうとしている日本」を報告した。その時にはまだ、こんなにも早い時期にそれが実現するとは思いもしなかったのだが……。
遠くの島々、国々に住む友人たちのことを考えます。「兄弟」と呼びかけあうことから、希望は生まれてくるのでしょうし、闘いはそこからしか作り得ないでしょう。希望のない闘いは挫折し、テロへと走るしかないのです。
戦前・戦中を知らない私にさえ、いまの日本が当時の状況に戻りつつあることが実感できます。1年前のピースボート船上で、私よりもうんと若い世代の人びとが、「戦後世代の戦争責任」について議論をしました。その中にこの国の"希望"を見たような気がしたのですが……。
おだてられ、祭り上げられた阿呆な宰相が、着々と"軍国ニッポン"をつくる中で目くらましが必要と選ばれたのが、スケープゴートとしての田中真紀子。本人も阿呆だが、割食っているのは確かだ。
九州から帰って、溜まった新聞を読む。「ウタリ協会、鈴木宗男と和解」……何だ、こりゃあ!
前号で紹介したカナダ・B.C州セクウェックムク領の日本企業によるリゾート開発で、ヴィバリーなどが州警察に逮捕されるという事件があり、松井さんからの情報をメールネットで配信したところ、多数の反応がありました。その後の展開などを、次号でお知らせしたいと思います。
『ヤイユーカラの森』が、創立10年を迎えます。大変な時代のはじまりに、ひとつの節目を越えることになりました.。来年は、忙しい1年になりそうです。
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