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ヤイユーカラパーク VOL41 2002.07.25
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おもな内容

事務局点描

  • 4月のブラジル、東京、5月は沖縄、道東、6月に東北と、旅の連続でした。その合間に2回のキャンプをやり、パレスチナの若者を迎え、ハワイアンと交流し、あれやこれや……の日々でした。それぞれの旅には目的や役割りがあり、決して遊び歩いたわけではないのですが、何となく後ろめたさがつきまといます。やっぱり“楽しむ”ことが多かったせいでしょう。ブラジルと沖縄、4月の海で二度も泳いでしまったり……。

  • ブラジル報告が、無駄に誌面を占領しました。けれども、次号はカナダの報告をしなければならず、これを片づけなければ気持ちの整理もできない(?)だろうと、我儘をしました。済みません。

  • 沖縄の金城さんは、このファシズム回帰の時代に沖縄人のなすべきことは? を熱く語った。そして「本土復帰30年」という欺瞞に対する抗議の『100メートルレリーフ展』だったろう。

  • 「本土」という言葉への引っかかりはアイヌにもある。ユーカラの主人公ポイヤウンペとは“小さな本土人”であり、アイヌにとって本土とは北海道島である。沖縄人にとっての本土は沖縄諸島であるはずで、アイヌにとっても沖縄人にとっても、「本土復帰」は未だ出来ていないのだ。

  • 「ところで……」とハワイアンのおばちゃん、「日本の軍事状況はどうか?」。「ひどく悪くなっている」「やっぱり……」「ハワイは?」「ひどい……とてもひどい」「9月11日以後か?」「そう、特に悪くなった……!」……歌と踊りの合間に小声での会話。ファシズムのしわ寄せは、いつも周縁に集まる。ハワイ、沖縄、そして北海道にも……?

  • 私の住む札幌市の南地域には、自衛隊のベースと演習場が集まっている。9月11日以降、辺りを走り回る自衛隊車両が無闇に増えてきた。実弾演習の砲声も響いてくるし、ヘリコプターも飛び回る。そして、徐々に慣らさせられていくのだろう。民間機に戦闘服の自衛官が団体で乗り込んでも、以前ほどの抵抗もなく、報道もされなくなってきたように……。軍国日本の市民が育っている。

  • 初めて回った東北(奥羽)の旅。「正保国絵図」に点々と「\村」とある津軽半島の海岸線と、下北半島を車で走った。正保2(1645)年にアイヌの村があったと記録されている辺りは、崖が海に突き出ているような厳しい環境の土地だった。下北の古刹では、正徳5(1715)年の過去帳に、アイヌの名前を確かめさせて頂き、古い墓石も見せて頂いた。濃い霧の中を走りながら、300年、400年の時の移ろいを思い、この地のアイヌの来し方を思い、感慨深いものがあった。

  • 近年盛んになった“東北・北海道史”研究が進んでいけば、“幻想のアイヌ像”からの脱却が可能になるかもしれない。等身大のアイヌ像を獲得するために、期待したい。

  • サッカー・ワールドカップ、すべてを見ました。おもしろかった、です。判官贔屓―嫌いな言葉ですが―の俄かサポーターには、こたえられない毎日でした。何より、彼らのサッカーは良く分かった。“何やろうとしているのか分からん”試合をした時、日本は負けた。オリンピックでブラジルに負けた試合と同じでした。ヒデの苛つきと怒りが、分かったような気がしました。次回は、日本は予選落ちです。(1億総サッカー評論家の中の1人)

  • 有事立法こそ先送りになりそうですが、情報管理・統制がすすみ、我々はバーコードで管理され、ゆとり教育とやらで次世代は愚民と化し……なんとも悲惨な時代に突入していきます。宗教者はその歯止めになり得るのか? 先住民はじめ周縁に生きてきた人びとがその流れに抗して、新しい地平を獲得できるのか? ……“旅”の中からその方途を見つけたいと思います。

  • 気がついていましたか? この春から、北海道新聞の「卓上四季」がおもしろくなっています。これで当たり前なのですが、久し振りに新聞に“正論”が出ると安心し、嬉しくなります。道新の報道姿勢が同様に変わってくれれば何よりなのですが……それは無理なようです。