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ヤイユーカラパーク VOL43 2003.04.21
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おもな内容

事務局点描

  • いやはや、申し訳ありません。「トンガから帰ったら、ニュースを出して」という予定ではいたのですが……。予定は、希望に終わってしまいました。何やかや、いつも理由というものはあるものですが、3ヶ月遅れはひど過ぎる。深い反省とともに、43号ニュース(!?)をお届けします。「『ヤイユーカラの森』はつぶれたのでは?」とご心配いただいた方々には、とくに深くお詫びいたします。

  • ほんとうに大砲が弾けました。この半年の世界のありようは、怖ろしいものがあります。そしてこの国の無様な有様も……。そこで右往左往している我が身が、情けなくなることがあります。澤地久枝が書いた『ファシズムは過去の、私たちに無関係の「怪物」ではない』を実感します。東京都知事選の300万票は、それが幻想ではないことを立証しました。都民を責める資格はありません

  • ごく身近なところでは、浄土真宗本願寺派(西本願寺)がおかしくなってきています。「何をいまさら……」と思う人もいるでしょうが、本山の機構を変えてまでやろうとしているのは、何なのでしょう。その影響が早くも北海道教区のなかにも現われはじめました。教団内が“戦前”状態に戻ったら……怖ろしいことです。折りしも上野の東京国立博物館で「西本願寺展」開催。真宗王国の“美”が由って来るところを思い、寒くなります。北海道教区のことは、次号で……。

  • 王国といえば、トンガは面白い国でした。南太平洋最後の王国。人口十万人のほとんどがキリスト教徒で、日曜日は終日島中に賛美歌が響いていました。日曜は商店もタクシーも休み、海水浴も駄目、とにかく教会へ通うのです。「Keiraさん、教会へ行ってきたかい?」とロペティ、「いいや」「何故?」「ブッディストだから」「フーム……」われながら、「よく言うよ!」です。立憲君主制だが、31名の国会議員のほとんどは国王が指名し、内閣も然り。民主化運動が進んでいて、ロペティはそのリーダー。鬚を剃ったのは政界に出るつもりでは?という私の問いに、「いいや、国会議員うち27名は我々のメンバーだから、その必要はない」という答えでした。皆、王様が好きらしいのです。“田舎のいいところ”を絵に描いたような、トンガを再び訪れたいと思います。防虫剤とかゆみ止めを抱えて……。

  • 私が留守の間、事務所は珍客で賑わったようです。船に乗っている最中の11月に、国連人権委員会の特別報告者R.スターベンハーゲン氏が、トンガで会議をやっている最中には、映画『裸足の1500マイル』の原作者D.ビルキングトンさんが、いずれも「智子さんに会いたい」と訪ねてきたそうです。もちろん、それぞれ案内してくれる人がいての来訪ですが、「どうだった?」の問いに、「うん、おしゃべりができたよ」との答えでした。出かけなくても来てくれるんだから、オレより大物かぁ。

  • 『裸足の1500マイル』は、やっと最近観ることが出来ました。いろんな評価や受けとめ方はあるでしょうが、私は「よく、撮ったなぁ!」と感心しました。原作(メディアファクトリー刊)を読めば分かるように、決してドラマチックに描かれてはいない“逃避行”を、オーストラリアの赤い大地と果てしなく続くウサギ・フェンス、見え隠れする三人の少女たちによって描き出した映像世界は、腹の底に沁みこんできました。そして、アボリジニーの絶望感もまた……。2000年のP・Bで一緒になったアボリジニー女性ジョーン(彼女は母親によって幸運にも奪還されたのですが)の、ぬぐい難いトラウマを思い出します。アイヌにも「盗まれた世代」はありました。その影響は現在までも……。

  • 床田和隆・運営委員が、石垣島へ移転しました。これは、痛手です。「ヤイユーカラの森・石垣島支部を作ります」という床田さんの言を信じるにしても……。石垣島へヤイユーカラしに行きましょう。