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ヤイユーカラパーク VOL47 2004.06.30
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連載 西本願寺 連続差別事件へ
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西本願寺札幌別院・連続差別落書き事件

「前号での報告以来、教区・教団との間では、何ひとつ進展をみないまま今日に至っています」と前号に記しましたが、まったく同じことを今号にも記さなければならないのは"慙愧"の至りです。

『森』との話し合いができない理由として教区は、「新年度、人事異動に伴い、教区と教区基推委の態勢ができていないから」というのですが、2003年4・5月に起きた3件の「差別ハガキ・落書き事件」(『森』ニュース45号)の対応委員会が、いまだに"対応要綱"さえまとめることができていないという教区の実状は、異常としか言いようがありません。事が起こった時、"対応要綱"や"マニュアル"作り――たとえそれがその場しのぎのものであれ――だけは迅速に行なってきた教団・教区が、それさえも出来ずに1年以上も放置してきた――少なくとも差別攻撃された人びとにとっては――というのは、本願寺教団の病(?)がいかに重症かを物語っているようです。

6月22日、新任の教務所長が『森』事務所を訪れ、現状と今後について話すことができました。

まず昨年の「差別ハガキ・落書き事件」の対応委員会での論議を正常化し、結論を出して教区内に広めていくこと。さらに、1994年以来の連続差別事件の検証と総括を基推委で行なっていくこと。その基底に、"この10年間、教区内では差別が再生産され続けている"という認識を据え、その解消に取り組んでいく基推委を作っていくこと。今回辞令を受理するにあたっては、教団総務とこのことを確認したうえで着任してきたということでした。

『森』との話し合いを再開し、その席には教団からも出席させるという言葉には、今後への展望を感じさせるものがありました。空しい議論ではなく、行動につながる話し合いの場を作っていかなければなりません。


北海道教区のなかで「仮称・北海道同朋運動推進協議会」設立へ向けての動きが始まったようです。先輩格の「九州・沖縄同朋運動推進協議会」からは、メール通信が届き、同地域の本願寺派僧侶の真摯な活動が伝わってきます。北海道でも、教団・教区の枷から離れた"真の同朋教団をめざす活動"が始まれば、根強い差別状況を切り開いていく拠点となっていくでしょう。今後、ともに考え、力を出し合っていきたいと思います。