―カナダからのニュース―
私たちがネスコンリスに滞在しているときに、「8月29日に、サンピークスに対して大規模な抗議行動を起こす」と知らされ、そのためのミーティングも行われていました。
それに呼応して行動を起こす力と態勢が私たちにはないので、心配しながらも現地からの情報を待っていたところ、松井健一さんから連続してメールが入ってきました。
情報量は多いのですが松井さんも忙しく、英文のまま転送されてくるものをこちらで翻訳する作業がなかなか進みません。
とりあえずは、吉田三千代さんに翻訳していただいたものを掲載します。サンピークス・リゾートの敷地内にテントを張って抗議行動をしていたメンバーが逮捕され、その裁判の経過です。分かりにくい部分もありますが、想像力を駆使してお読みください。
9月4日着信/松井健一さんからの報告
前略、お元気でしょうか。
8月29日(日)に、サンピークスで大きなデモがあったことは、ご存じかとおもいます。僕は、参加しませんでしたが、聞くところCBCや各メディアが大きく報道したそうです。この詳細は、現在確認中で、後日お知らせできるかと思います。当日、サンピークス・リゾートのヴィレッジ近くにあるゴルフ場の16番ホールやコンドミニアム建設地で、何人かがテントを張って住み始めました。これに対しサンピークス・リゾート社は、早速州政府とはかり、バンクーバーにある州政府の最高裁判所に強制退去命令を出すよう求め、今日、9月3日午後に、その公判がありました。僕も傍聴に行きましたので、概要をご報告します。
この公判は、サンピークス・リゾート社(弁護士ジョン・ハンター氏)が、ジャニス・ビリー氏をはじめとする不特定多数のキャンプ生活者に対しておこしたものです。州法務大臣を代表する弁護士も出席し、サンピークス・リゾート社による撤去命令申請を支持するかたちで介入しました。被告の代表は、アーサー・マニュエル氏、ジャニス・ビリー氏とアーニー・ジャック氏(今回博物館やサンピークスを一緒に回ってくれた一人で、眼鏡をかけた40代前半の男性)の三人。後に証人として、長老のアイリーン・ビリー氏とサラ・デノールト氏も招聘されました。被告は、代表する弁護士を得ることができず、自己弁護で二人のプロ弁護士に対抗するという厳しい闘いを余儀なくされました。
サンピークス・リゾート社は、州から買ったベース・エリア(ビレッジ周辺)とリースしているリクリエーション・エリアを含む全ての範囲で、ジャニスたち先住民族の立ち入りを禁止することを法廷に求めました。リクリエーション・エリアは、法律上非排他的居住(non-exclusive occupation)目的のための許可証に基づいたもので、文字通り会社が他の人の居住を阻止することはできません。しかし、ハンター氏によると、州土地法の65条に、「不法侵入者」から居住地を守る権利をもつという条文があり、また建設進行中のコンドミニアムやゴルフ場(ベース・エリア内)の邪魔になるという理由で、申請は正当化できると訴えました。また彼は、最高裁が先住民族の権原を認めていることについて認識したものの、被告はチーフからの後押しを得ておらず、民族を代表しているとは思われないと主張しました。彼の情報では、ネスコンリス・バンド、アダムズレイク・バンド、リトル・シューシュワップ・バンドのチーフは皆直接抗議運動に難色を示しており、これをもってチーフたちは運動を反対していると解釈。
介入した法務大臣付弁護士も、「公共の利益のため」サンピークス・リゾート社の申請を後押しするとし、これまでの反対運動がどれだけ住民にとって害があるものであったかを強調しました。
被告のマニュエル氏は、憲法に認識された先住民族の権利、最高裁が確認した先住民族の権利が州によって無視されている事実をあげ、これまでカナダ社会の中で、また法廷によってどれだけ差別に苦しんできたかをあげ、法廷による撤去命令が伝統活動に大きなダメージを与えると訴えました。
裁判長は、一貫して被告に対して、2001年の反対運動と今回の運動がどう違うのかを明確にするよう求めましたが、マニュエル氏の主張は、裁判長の目からは、脱線が多く(最高裁やWTOなど彼がやってきた業績)、基本的には前回の運動と同じであるという結論をもったようです。
次に証言台にたったジャック氏は、今回のあまりにも早急でパワーバランスの欠けた公判では、公正な裁きができないことを強調し、現に供述書などの提出さえできない状況で裁かれる不満を訴えました。彼は、今回のキャンプがプロテストではなく、平和的で外部からも「友好的」であると見なされている証拠を提出し、警察にコーヒーを差し出したといった友好的なものであると主張。これには裁判長も好意的な反応を示していました。また彼女は、ジャック氏に対し、もし撤去命令が出た際は、それに従うかどうかを質問。ジャック氏は、迷ったものの、最終的には従えないと応答。ジャック氏は、その他に、サンピークス・リゾート社側が主張した、チーフが運動に反対しているというのに対し、それが間違った情報で、自分たちはそれを証明するビデオをもっていると言いましたが、これは証拠として提出されませんでした。
ジャニス・ビリー氏は、自分がプロテストのためにテントをたてたのではなく、自らの家だからだと主張。もともと拡張開発計画に強く反対していた事実を述べ、開発地が伝統活動継続に不可欠な場所であることを強調しました。これに続いてアイリーン・ビリー氏も、1998年11月に大久保氏やその他の企業代表がアダムズレイク・バンドのオフィスに来た時、はっきりと拡張反対を表明した事実、それを無視し環境を悪化させた会社側の責任を問い、また自分の家族が伝統的に開発地で狩猟をしてきたことを訴えました。彼女の明確でするどい指摘は多くの人の共感を得たようで、裁判長や相手弁護士も深く聞き入っていました。サラ・デノールト氏も81歳の病弱の体をおして出廷し、最高裁判決などについて語りました。
サラ・デノールト氏の発言の後すぐ、裁判長は口頭で判決を下しました。当初、判決はすぐ出さないと言っていたように思うのですが。彼女は、被告の誠実な心からの訴えには共感を示したものの、サンピークス・リゾート社と法務大臣の主張をほぼ全面的に受け入れ、9月3日付けで強制的(法施行能力をともなう)撤去命令をだしました。ただ、サンピークス・リゾート社が求めていた、リゾート地区全体への進入禁止はあまりに広範囲に及ぶとして、ベース・エリアのみにとどめるとしました。
彼女は、被告の訴えが2001年のものと基本的に同じであり、その訴えに対して地方裁判所が下した判決を先例に持ち出し、今回も前回と同じならば判決も同じだという理由をつけています。前回の判決の正誤性やその内容は鑑みないまま、結論を早急に出したことになります。
さらに裁判長は、判決を出すにあたって、今回は先住民族の権利とはまったく関係ないとして、先住民族の運動、訴えを西洋法的に「同化」したといえます。
近いうちに、この判決に対して共同声明がだされると思いますが、とりあえず近況報告まで。できるだけ多くの人にこの情報を広めていただくようお願いします。 早々 <松井健一>
9月7日着信/プロテクションセンターのプレスリリース
サンピークス判決は経済的人種差別である
BC州最高裁判所は、9月3日禁止命令(中間差し止め命令)を出し、サンピークスでの先住民族の政治的存在を否定しました。この命令によれば、スクウェルクウェックウェルト・プロテクションセンターでの開発(破壊)や土地の売却を監視(モニター)することを禁じました。現在キャンプにいる人々は、もういつでも逮捕される可能性があります。この決定は、私たちセクエップムゥ先住民の権益を無視するものです。
裁判官のサタノーヴ女史は、サンピークス社の副社長・総支配人であるダーシー・アレクサンダー氏と弁護士でサンピークス社にも出資しているフランク・クイン氏の草案を受け入れた形です。
判決によれば、カナダ騎馬警察がサンピークスのベース地区で土地を占拠しようとする疑いのあるインディアン及び友人を阻止し逮捕することができるというものです。このことで逮捕される人は法廷侮辱罪になります。
この命令はサンピークス社の利益を裏付けるもので、先住民が政治的な守護権を持ち国や地区政府やサンピークスのような企業により無視されている所有権を守ることを含めた、先住民が経済的な権利を持つという事実を否定しています。
裁判官はコンドミニアムやタウンハウスの開発に対して完全なバックアップをしています。
フランク・クインは宣誓供述書で、60棟のコンドミニアムと48戸のタウンハウスを建設すると言っています。サンピークスのコンドミニアムは、平均約445,000ドルで、全体では21,000,000ドルです。この判決によりクインは36,000,000ドルの売上を得ることになります。クインはキャンプが撤去されなければ、このプロジェクトの利益に悪影響があると延べています。
ダーシー・アレクサンダーは、シュスワップ部族評議会(SNTC)による議論や疑問のあるプレスリリースによって、スクウェルクウェックウェルト・プロテクションセンターの評判を悪くしようとたくらんでいます。
アレクサンダーはバンドのプレスリリースを証拠Dとして提出し、宣誓して、シュスワップ部族評議会が地元のバンドを代表していると言い、反対運動に対する反対として、プレスリリースがあったとしています。
BC最高裁判所のヒアリングでは、反対者と呼ばれる人はどこの代表でもなく、シュスワップのチーフ達の反対にあっているとしています。裁判官はこのプレスリリースを禁止命令(中間差し止め命令)を出すことに使っています。
プロテクションセンター側は裁判で、先住民族の権原は、取り返しのつかない害を誰が被るかということを、かつて決定した(注:1997年のデルガムク判決)利便性の中でのバランスを考えに入れる必要があると主張しました。
クインが土地権のことを取り上げるまで待つことで困ることはありませんが、60のコンドミニアムと48のタウンハウスを作られては、我々が苦しむことになります。(判決では)そのことは全く無視されています。
BC州最高裁は、世界貿易機構(WTO)から言われた、カナダとアメリカの木材の論争の中で了承された経済・貿易の先住民ネットワーク(INET)の3つの提案(amicus curiae)が受け入れられたとし、我々の利益については考慮しないとしています。この提案では、連邦政府が権原を認識しないことで、カナダ森林企業に対する現金助成ではないかということが議論されました。これはまた、アレクサンダーやクインによって売却された土地にも関係しています。
この事件に関しては裁判所は先住民の利益はゼロに等しく、白人投資家には市場価値で評価するという矛盾があります。これは経済的人種差別です。
裁判所の命令はアレクサンダーとクインにより草案が書かれたものであり、インディアンは全くサンピークスに近付けないのです。というのは、近付けばすぐに職務質問にあい、裁判所が逮捕する可能性があるからです。地域の限定はありますが、騎馬警察による強制禁止の元ではインディアンはいつも過度な緊張を強いられているのです。
インディアン立ち入り禁止(No Indians Allowd)という看板は、この裁判所によって実施されたものです。
これは開発者や不動産業者がインディアンの土地を裁判所の保護の元で売ることができることを基本としています。このような偏見に満ちた価値観は、我々の経済基盤が改善されれば止める必要があります。先住民の権原はマクロな視点で考えられるべきです。
州政府は、ハイダの事例(注:開発の際、州政府と企業は先住民族に対し開発の相談をし、合意を得る必要があるとした州地裁判決)のような他の選択肢について議論があると言っていますが、地域ではこれを実行するプロセスを作り上げていないともいわれています。
フェイズ2を承認する決定と285,000,000ドルの拡張はハイダのケースとは違い、彼等が言っているのは口だけのことです。州政府は不法侵入通知によっているわけでなく、公共の利益にのみ基づいていると言っています。
権原のある先住民に対して、立ち入り禁止をすることがかなり難しいことは州政府も理解しています。州最高裁ではそのことを避けて、セクウェプムゥの行動にのみ焦点をあてており、キャンプにいることがうるさいということを支持しています。
私的財産という視点からすれば、立ち入り禁止のことを避けることは、コンドミニアムやタウンハウスの売却を法的に完璧にするには当たりません。州やサンピークスはセクウェップムゥが不動産取り引きを拒否することをわかっていても売ろうとしていることは明らかです。サンピークスでの権原を持たないシュスワップ部族評議会(SNTC)の支持が得られるだけです。権原はセクウェップムゥの人々が事実、昔からの価値観や智恵と行動によって土地を使い、守っていることにあるのです。
今現在、12人がプロテクションセンターにおり、裁判所の命令に従うようにと言われています。
私はこの人たちが、先住民族の権利の最前線に立っていると考えます。彼等が守ろうとしている伝統的価値観や智恵と行動は、先住民族の権利の根底にあるものです。
私は彼等を支持します。彼らはカナダの法的システムは、私たちをさらに虚弱化させる方法だということを暴いているのです。
私たちはクインの36,000,000ドルの不動産取り引きの中の1セントも受け取らないし、最大の疑問はSNTCがクイン、アレクサンダー、サンンピークスから何か受け取るものがあるのかということです。
アーサー・マニュエル(翻訳:吉田 三千代)
9月21日着信/松井健一さんからのメール
前略
下に、20日付けプレスリリース(※未翻訳)を添付します。これは、セクウェップムゥ民族の17のバンドを統括する、Shuswap Nation Tribal Council (SNTC)の代表である Nathan Matthew氏(以前はアーサーが代表)が、現在進行中のスクウェルクウェックウェルト・プロテクションセンターの活動を公式に支持したもので、これまで直接運動に慎重派だったSNTCがこうした声明を出したことは、歴史的出来事と言ってもいいでしょう。前日に、アーサー・マニュエル氏がマシュー氏と会見しており、それがうまくいったようです。
さらに、この20日付けのプレスリリースは、9月3日におこなわれた州最高裁での差し止め請求申請において、サンピークス・リゾート社が提出したSNTCの「声明」のなかに、プロテクションセンターの活動への否定的な表現があったという部分について、これは事実無根であることを明確にしており、この点についても大きなニュースだと言えます。
これによって、サンピークス・リゾート社の提出した証拠の信憑性が、ますます問われることになります。現在まで、警察はまだ、キャンプ生活者の逮捕に動いていないようですが、訴えられたアーサーの娘の一人は、現在進行中の裁判での結果で、禁固刑に科される可能性があり、せっぱ詰まった感は決してぬぐえません。
現在僕は、授業の準備等に追われて、詳しいこと書けませんが、後ほどあらためて、もうすこし詳しく経過をお知らせしたいと思います。また、日本の数人の方からすでに激励の言葉もいただいており、先方にもまとめてきちんと日本側の支持の声を伝えてゆきたいと思っております。できれば皆さんからこうしたニュースを広めていただければありがたいです。12月の来日イベントに向けて、拍車がかかってきた気がします。よろしくお願いします。 早々
9月22日着信/アーサー・マニュエル氏よりのメール
友人のみなさんへ
サンピークスでの強制退去命令は、セクウェプムウ族にとっては、伝統の土地から追い出されることに等しく、それにより、サンピークスの開発をすすめる人間がコンドミニアムや住宅をその土地に建てることになる。これはある意味では「大量虐殺」と同じだといえる、というのは「大量虐殺」という言葉の定義をみれば、土地から強制的に人を追い払うということだからだ。今回はカナダ国家騎馬警察がその任務を負う。
カナダでは銃を装備した形が取られる。なぜなら国家ならびに地域の政策においては、1997年12月に連邦最高裁が出したデルガムク判決による先住民の権利については認証されていないからだ。この場合、警察はすでに無効のBC州の土地法に基づいて動き、その中では先住民の権利はうたわれていない。騎馬警察は、BC州ではキャンベル首相、プラント判事といった人々が政治的目的を持って使っている。
みなさんには、カナダ国家、およびBC州政府に手紙を書いて、彼等の政策を正しいものに直し、先住民の権利と土地権を認めるように促していただきたい。みなさんのご協力を切望する。
警察には警察本来の仕事をしてもらい、首相やBC州知事のような先住民の権利を無視するといった間違いをしないで、一緒に合致し得る結論を見つけ出したいと考える。それはBC州の先住民も含むすべての人々のニーズと合致すると信じる。
セクウェルウェクウェルト・プロテクションセンターはまた、サンピークスの不動産を買わないように、また、サンピークスに行ったり、デルタホテルを利用しないようにと呼び掛けています。
サンピークス側がお金だけのことを考えているのは明らかで、環境のことは何も考えてはいません。キャンプのまわりの環境破壊はひどいものです。彼等は6から8個の削岩機を使ってマクギルバリー川を痛めつけています。
アーサー・マニュエル(翻訳:吉田 三千代)
10月14日/現地発オンラインニュースの記事
『長老たちも閉め出しにあい、傷付く』………カムループス・デイリーニュース・オンライン紙/マイケル・ヤング
ネスコンリス・インディアン・バンドの長老たちのうち、サンピークスリゾートへの反対運動に巻き込まれてきた長老たちは、10月初旬にシュスワップ民族評議会の事務所に入れてもらえなかったことに対して「失望し、傷付いた」と話している。
長老サラ・デノールト、反対キャンペーン広報担当のジャニス・ビリーさんといっしょに行動したアイリーン・ビリーさんは部族評議会会長のネイサン・マシュー氏に手紙を届けに、カムループスにある保留地内の事務所に行きました。76歳のビリーさんは、3人で事務所に行ったが、迎えたのは2人の警備員だけで、その後すぐドアが音を立てて閉められたと言っています。「彼等はドアを閉めて、私たちをいれようとしなかった」ということです。
それに対し、マシュー氏は、その翌日バンクーバーで会見し、ビリーさんが言ったような日にカムループスでそんな事実はないと答えている。「これは不運な状況だが、私自身も長老たちに相談するまで、コメントはできない」と言い、更に付け加えて「事務所に法的な用件で来訪する人たちを評議会が排斥する意図はない」とも言った。
また、警備スタッフはいるが、その人たちは評議会だけのためにいるわけではないと付け加えた。彼は、事実を明らかにするようにするとともに、長老と話し合いをして正確に何があったのかを探り出すと答えた。
アイリーン・ビリーさんの義理の娘であるジャニス・ビリーさんはサンピークスの反対運動の中心メンバーであり、アイリーンさんやサラ・デノールトさんもデモを行なったりしてきた。彼女の推測によれば、このような行動が、面会拒否の裏に隠されているのではという。「私も驚きました。だって、サラは85か86歳の高齢で、そういう2人を追い払うなんて。シュスワプ民族評議会の事務所のドアから入れないなんて信じられません」。
ビリーさんは手紙の内容には触れませんでしたが、マシュー氏がこの問題を解決するために評議会を代表している旨を述べた。最終的には、ネスコンリス・バンドの評議員であるジュディ・ウィルソンさんが3人に話してマシュー氏に手紙を渡すようになったのだが、「マシュー氏はサンピークスの問題について、私たちと話しをすべきよ。そして、リゾートがどんどん拡張されていることについてもね」と、ビリーさんは述べています。「シュスワップ民族評議会事務所はブリティッシュ・コロンビア州の全ての先住民のためでなければならないはずで、(そうではないとわかって)私は失望感と共に傷付いた。自分達と同じ仲間のはずの人たちから排斥されるなんてね。自分達の品格を下げる行為だと思う」と。
サラ・デノールトさんはカムループスのインディアン居留地を取り締まるRCMPに手紙を書いたが、RCMPには部族評議会事務所がある。手紙の中でサラさんは、セクウェップムーの言語ワーク委員会の文化教育部会に自分は所属しており、その部会の事務所も同じ建物にあると指摘している。サラさんはその部会事務局に入ることも阻止されてしまい、そこに自由に行き討議することもできないのではないかと恐れている。「私は、その地域に行くことさえ安全な気にはなれないし、自分の所属する事務所に入るときに、まるで犯罪者のように取り扱われるべきだとは思わない」と述べています。
ビリーさんは、地域の先住民が、彼女自身が4年間かかわってきたサン・ピークス反対運動では意見が割れていると話している。「かなりいらだつ状況になってきている。この問題で時間的にも縛られ、心配ごとやストレスもたまってきた」「力を合わせて問題に当たる代わりに、先住民たちが割れてしまっている。わかってもらえない人達にはいらいらしてしまうし、わかってくれても、外に出て声を出して行動することは怖くてできない人もいるし。近い将来、一緒に行動し、問題解決にあたってもらいたい。そして、このストレスや心配がなくなるようにしたい」。
ビリーさんはさらに、サン・ピークスはスキー場やゴルフコース、コンドミニアムになる前は緑の多いところであったと述べた。孫が昨年も大きなムース鹿を射止めたし、実際、先住民がいまだに狩猟をしているところだそうだ。しかし、残念ながら、今は敗北していくような気持になりつつある。
「私たちが土地を失ってしまったのだということはわかっている、でもそれをあきらめたくはない。そこは私たちの狩猟の場所で、サン・ピークスのすぐ横はハックルベリーがたくさんあって摘める場所だから」。
翻訳:吉田 三千代
※ この記事は、前掲した20日付プレスリリース(9/21着信メール)の内容と矛盾しています。
この間にSNTCの姿勢・対応に変化があったのでしょうか? 元々SNTCはサンピークスについて、プロテクションセンターの反対運動を支持してはいなかったのですが、それにしても2週間くらいの間にこんな事態になるとは驚きです。
松井さんから新たな情報が入るか、12月の彼らの来日で、詳細が分かると思います。<事務局>
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