ネットオークションには、2つほど怖いものがある。
まあ、詐欺師や変な売り手・買い手に当たるのも怖いが、これは評価制度があるから、ある程度相手がどんな人かは判るものだ。
ここでは、通常避けて通れない、最低落札価格とスナイパーのことを書く。
(1)最低落札価格
オークションの売り手が、自分の出す品の価値が良く判らない場合、また、買って欲しいけど、高い値で出すと入札してくれないだろう、という場合に、開始価格以外に、最低落札価格というのを設定する場合がある。
これは、開始価格より高くて、入札者には公開されない。入札も、他のオークションと同じに行われる。ただ、yahooオークションの場合、最低落札価格が設定されているオークションであれば、他に入札者がいなくても、入札すれば、入札額が最低落札価格に達するまで、自動的に値がつりあがるようになっている。勿論、他に入札者がいて、自分より高い値を付けた場合は、その人が最高額入札者になる。
最低落札価格に達しない限り、”最低落札価格に未だ達していません”という注意書きが表示され、そのまま終わった場合は、オークションは成立しない。
(yahooオークションの場合、オークションが成立しなければ、互いのメールアドレスは公開されないので、この場合、成立しなかったら最低落札額以下で(オークション外で)取引するのは不可能である。これは、もう一つの大手オークション、e-bayとは決定的に違う。)
幸いにして私は、そういう事態に陥ったことは無いが、自分の最高額を入札しているのに、品物が落とせないというのは、余り愉快ではないと思う。(競争相手もいない、或いは勝っているのにね。)
また、競争相手もいないのに、自分の入札に応じて、値を吊り上げれば吊り上げるだけ、オークションの値段も自動的に上がっていくのを見るのは、余り心臓に良くないものだ。
(2)スナイパー
スナイパーと言うのは、本来、ネットオークションが盛んな(というよりネット社会の)アメリカでの用語で、ネットオークション終了時間直前に急に高値で入札する、或いは、前もって入札はしているものの、終了直前に値を吊り上げる人のことである。
特に、前者の、終了時間ぎりぎりに凄い高値で入札する人は、怖い。知り合いで、ネットオークションを出品者として利用している人も言っていたが、”ネットオークションは終了間際の競り合いが重要”なのだ。終了間際の入札が、何故有利かというと、まあ、次のような点があると思う。
i) |
時間が限られているので、必要以上に値が吊り上る心配が無い。 |
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終了まで充分時間があるうちに入札(本来、これが正当なのかもしれないが)すると、他の人が十分考えてからそれより高値を付ける可能性は高くなる。また、自分の予算が他の参加者にばれてしまう。
間際に、適当な高値(自分の払えない額ではない、でもオークションに勝つには充分な値段)で入札すれば、他の競争者に考える隙を与えないで、逃げ切って勝つことが出来る。
つまり、他の人に、自分という競争相手の存在と、値が吊り上る可能性(と金額)を知らせないままで逃げ切って勝つことが出来るのだ。
反対に、これは出品者にとっては、あまりありがたいことではない。
なにせ、終了に充分時間があるうちにまっとうに競りが行われていれば、もっと値がつりあがるかもしれないのに、それを意識して省略しようとしているということであるからだ。 |
ii) |
他の人に、自分と言う競争相手がいることと、予算を知らせないことが出来る。 |
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これは、上に書いたこととかなり重なる。直前に突然入札すれば、競争相手は、あなたがどの位の予算を考えているかと言うことが判らない。
それ以前に入札を行っていなければ、あなたが入札しようと思っていることすら知らない訳である。
また、本当に間際(終了1分前とか)に、充分な額で入札すれば、他の人が対抗して入札することすら防げるかもしれないし、入札しても、入札額が充分でない可能性も高いので(なにしろこちらの入札額が判らないのだから)、あなたが勝つ可能性も高くなるわけである。 |
こういったスナイパーを防止するために、yahooオークションでは”終了時間の自動延長”という制度が設けられている。
つまり、終了時間間際(多分、10分前より後)に入札が行われると、終了時間が、その時点から5〜10分後になるように(延長されるように)なっている。
つまり、1分前に入札してしめしめと思っていたら、その時点から自動的に6〜7分、オークションの終了時間が延長されるので、延長された時間内に他の人が入札する(入札できる)可能性もあるわけだ。
なお、この”終了時間の自動延長”は、出品者の選択によって、”自動延長なし”になっている場合もある(その場合は、そのオークションの画面上に表示されている)。
また、言うまでもないが、上に書いた事柄は、どちらかというと”自分がスナイパーになった場合の有利な点”を言っているのだけれど、これは反対に、オークションの終了間際に他の人にスナイパーをされる可能性もあるわけで、その場合はとっても怖い、ということになる。
(3)終了時間の自動延長
スナイパーについて書いたので、もっと怖いものとして書いておこうと思う。
(2)でも書いたが、これは、終了時間間際(多分、10分前より後)に入札が行われると、終了時間が、その時点から5〜10分後になるように(延長されるように)なっている制度である。(yahooオークションの場合。e-bayにはこの制度はない。)
(2)で書いたように、スナイパーを行おうと思う(というか、終了時間ぎりぎりに競ろうと思っている)人にとって、自動延長は結構怖いものである。
終了時間1分前に入札して、逃げ切りで勝とうと思っていても、その時点から最短で5分は時間が延長され、他の人が入札(あるいは再入札)をして来る事も多い。(まあ、そのための制度なのだから、当然といえば当然であるが。)
つまり、自動延長がされる場合、競争相手のどちらもがオークションを終了間際迄チェックしている場合は、オークションは正当に、入札金額での勝負となるのである。
(一方の入札者が、終了時間にチェックをしていない場合は、スナイパーの勝ちになるけれど。勿論、充分な額を入札していれば別だが。)
なお、これも(2)にも書いたが、この”終了時間の自動延長”は、出品者の選択によって、”自動延長なし”になっている場合もある(その場合は、そのオークションの画面上に表示されている)。
自動延長が嫌な場合は、”自動延長はありません”と書かれているオークションにだけ入札する、という手もあるが、大抵の場合、自動延長が選択されているので、この手はあまり使えない。
(おそらく、デフォルトで自動延長が選択されるようになっているのだろうと思う。まあ、オークションというものの本来の趣旨から考えて、そうするのが正当と言う気もするが。) |