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 骨董行脚 -ネットオークション編-

2.海外編

1) やっぱ海外オークション(一寸覗いてみました)
 
 このHPからもリンクを付けているが、骨董関連のお友達サイト(と言っていいのか判らないが)に陶迷庵さんがある。お友達などと言ってしまっては、怒られるのではないかと思うくらい、ハイレベルなサイトだ。ここの掲示板には、やはりハイレベルな人達が集まって来る。人数は少ないが、亭主のまゆきさんをはじめ、希少なコレクションを持っていらっしゃる人達ばかりだ。
 その人達が、どこでそういう優れたコレクションを集めるかというのを、折に触れて語ってくれていた。なんでも、米国のe-bayというオークションサイトで入手することが多いようだ。そういえば、陶迷庵のリンク集にも、e-bayへのリンクがある。また、凄い品が出品されたりすると、掲示板にリンクをつけて見せて下さったりする。
そんなこんなで、ちょこちょことe-bayを覗くようになった。勿論、米国のだ。日本のは、出品数が乏しくて、話にならない。
(注:日本のe-bayは、今年5月末頃に閉鎖された。ついでに言うと、その途端に、yahooオークションが有料化した。怪しからん話である。)

 で、まず、”Meissen”で検索してみる。なんと、1000近いアイテムが出品されている。
(注:'02年7月時点では、1000以上(1100個程度)。)
しかも、日本でなら、1000円代など稀(大抵は1万円以上)なのに、10ドル位から出品されているのがごろごろ。(まあ、それなりに値段が上がって、最後には結構な値段に落ち着くのだが。)
いや、それでも、なかなかなのだ。値段だけではない。藍色の地に、窓が開いて、花絵が描かれている見事なカップ、フィギュア(1900年代初頭の、ヘンチェルという作者の作品など)だって、数万円の値段でオークションが終了する。まあ、そういうのは大抵、リザーブ価格(日本のyahooオークションで言う、最低落札価格)がついていて、下手な安値では落ちないようになっているが。

 他にも、マイセンドラゴンや、シノワズリと呼ばれる、伊万里を真似たような絵柄のカップや皿などが、常に出品されている。また、風景画が描かれたカップなどで、見事なものも。何しろ、800個あるのだ。とりどりで楽しい。
ただ、e-bayの欠点とも言えるかもしれないが、一覧で、写真を見れるオークションの数が限られている。勿論、個々のオークションには必ず写真が付いているが、一覧ページで写真を表示しようと思うと、特別な手続きが必要なようなのだ。その代わりと言うべきか、写真の表示を選択している場合は、一覧の左端に自動的に写真が表示されている。yahooオークションのように、”写真のみ表示”のページに切り替えなくても良いわけだ。

 出品は、スウェーデン、オランダ、ドイツ、米国、オーストラリア、と様様。おそらく、他の国(フランスやイタリア)も出品されているのだと思うが、やはり英語圏でないと、検索に引っかかってくれない。
マイセンであるから、ドイツからの出品も多い。ただ、ドイツからのものは、ドイツ語で説明が書かれているものも多い。そういうのは、支払いの方法も”Wire Transfer/DirectDavid”(良く判らないが、銀行振込と銀行カードからの直接払いのことだと思う)である事が多く、私にとっては利用しにくい。英語で書いてあるのもあり、そういうのは大抵、Money Order(国際郵便為替)でも支払える。

 品物は、やはり玉石混交だが、マイセン骨董の専門店などで見かけるようなものが、ひょこっところがっていたりする。値の安いものもある。日本のyahooオークションもそうだが、USのe-bayでは、日本に輪をかけて2級品が多い。(マイセンの2級品は、裏の双剣マークにスクラッチ(引っかき傷、1本から4本まである)が入れられるので、容易に判る。ちなみに、引っかき傷1本は白磁のまま販売されて、絵付けが他のメーカーのもの、2本や3本は、何らかの理由(絵付け、白磁の出来など)で1級品にならなかったもの、4本は、職人に現物支給されて、職人が自分で絵付けなどを行ったもの、だったと思う。)
 やはり2級品は、1級品に比べて絵付けの完璧さが足りない、と思うことも多いが、それなりに、気楽に楽しめると言う長所もある。また、マイセンの、マイセン風の”完璧さ”に飽きた目には、2級品のちょっと抜けた所がかえって新鮮で愛すべきものに思えたりする。
何だか、修行中の職人さんが、一生懸命絵付けしたんじゃないかとか、いろいろ想像してしまうのだ。この絵付けをした人は、後日、どんな職人になったのかとか。

 また、マルコリーニ期と呼ばれる、18世紀、マイセンのスタイルが確立される前の試行錯誤の時期(と同時に、窯の存続の危機にもさらされていたようだが)のものも、結構出ている。
これ以前の時代のものは、今のものと器の形が違う。器は(カップもプレートも)全体に丸っこくて単純だ。コーヒーや紅茶のポットなどは、今の形に近いものもあるが。
 また、マルコリーニ期の場合、今のマイセンでは見られない、丸いカップに角張った取っ手がついたものも多い。花絵も、今は見られない、黄緑がかった単子葉植物(ススキや稲のような)の葉と、花々を束ねたような花束が描かれたり、白黒のチューリップが描かれていたりする。器の縁には、そのころ資金不足だったせいだろう、金彩の代わりに茶色の彩色が施されていたりする(これは、丁度この時期のような古い時代の英国の軟質磁器にも見られるようだ)。他にも、全体に角張った太目の磁器の網目で形作られた籠などもある。
(これはオークションではなく、マイセン骨董専門店の展示会で見たのだが。)

なんか、いくら語っても語り足りないが、これくらいにしておこう。


2)e-bayは安くてよいよい
 
 この項は1)と重なるところが多いかもしれない。
USのe-bayは、日本のyahooオークションと比べて全体に値が安い。
(これは、日本の物価が海外より全体に高いせいだろうと思う。)

 例えば、日本のオークションでドラゴン柄のマイセンを買うと、大抵は2,3万はする。また、マルコリーニ期と呼ばれる、18世紀末頃の皿などは、4、5万を下ることはない。
 ところが、これらを私は100ドルで手に入れたことがあるのだ。e-bayで。ドラゴンの方は、パープルドラゴンとされるもののケーキ皿2枚を200ドル、マルコリーニ期のは、直径30センチ近いのを100ドルで。ドラゴンの方は競った記憶があるが、マルコリーニの方は(花柄の皿であるが)、縁の金彩がはげているという記載があったせいか、はたまたスタート価格が100ドルと、e-bayにしては比較的高かったせいか、私以外の入札がなかった。これをこの価格で日本のオークションで出したら、必ず売れるだろう。どういう値が付くかは判らないが。
 他にも、マイセンのミンクドラゴンと呼ばれる、多く見られるのとは別の柄の、より中国っぽい柄で緑のもののラッパ型の花瓶などが、これもオークション外の取引だったが、180ドルで手に入った。(私が最高額だったが、最低落札価格に達しなかったので、オークションが成立しなかった。売り手と個人取引をして入手した。)
このシリーズは、カップ&ソーサーで定価が8万5千円する。多分、花瓶だとそれ以上、10万は下らないだろう。それを、約2万で売っているのだ。なんか凄い。

 また、全般に言えるが、特に米国から出品されているものは、スタート価格が安い。9.99ドルからというのがざらである。まあ、そうでないと入札がないからかも知れないし、値はどうせあがるのだが。

 あ、それから、、いかにe-bayといえども、本当の逸品(時々出る)は、やはりそれなりの値段になるようだ。まあ、それでも、日本で、小売店やデパートで買うよりは、はるかに安いと思うが。
(というより、日本の下手な骨董店は、価格がべらぼうなのだ。あんなところでは、とても買い物など出来ないと思う。まともな職業の人は。)


3)獲物はどこだ?
 
 さて、e-bayでの獲物の探し方だ。
私は、e-bayで探す場合、”meissen”だけでなく、キーワードを2つ入れて検索する。大抵1000個を越えるアイテムを全部見ることはしんどいからだ。
meissen、dragonで検索すると大抵4,5個はヒットする。結構みそっかすのもある。カップだけでソーサーが無かったり。2級品だったり。でも、結構いいのもある。
 marcoliniの場合は、わざわざmeissenというキーワードと一緒に検索しなくても、meissen以外はひっかからないので、単独で探す。
他にも、Herold、Kakiemonなどのキーワードを、meissenといっしょにして検索することもある。引っかからないこともあるが。

 だが、1度くらいは、meissenだけで引いて、ざっと最初から最後まで見てみてもいい。但し、”写真のみ表示”のような機能が無く、外部掲示用の写真がないと、一覧表からは品物の姿を見れないので、結構難しいかもしれない。
 最初から最後まで見れば、どんな品が出ているのかが判る。ドイツ語で書かれているのも結構ある。また、ピンクローズとかのいろいろな形のとか、箱もの、フィギュアなど、とりどりだ。2級品も結構あるし、”うーん”とうなる逸品も時々ある。時間があれば、ゆっくり見ると楽しい。
 日本のyahooと違って、”マイセンスタイル”の、マイセンではないものはあまりない。”マイセン級の”ベルリンKPMだとか、ドレスデンだとかは結構あるが。また、出品者はマイセンだと思っていて、つけられたマークの
写真を見ると”こりゃ違うよ”というのだったり。どんな品があるか、一辺は見ておいた方がいいと思う。

 ちなみに、HeroldとかMarcoliniだとかの古い時代のカップになると、ソーサーが無いものも多い。ソーサーが無ければ、それなりに安い値段で出て、安い値段で落ちている。

 いいと思うものに出会ったら、まず値段をチェックしよう。私はやはり、千円台から始まっている(現在価格が千円台(100ドルに達していない))ものを見てしまう。大体、物にも因るが、カップやプレートなどで、スタート価格が100ドル以上のものは敬遠されて、入札が入っていないものも多い。そういうのは、結構狙い目のような気がする。ぎりぎりで入札すれば、他の人と争うことなく品物が手に入る可能性が高いからだ。マイセンの皿やカップを1万円台の前半(1〜2万)位で手に入れられれば、結構お得だ。(ブルーオニオンなどの、高くないものは別にして。それならば、日本のyahooでも手に入る。)

 それから、終了時間だ。何しろ、出品者は米国、ドイツ、スウェーデン、オーストラリア、などなど、様様な国にいる。当然、日本のyahooオークションでなら、大抵は終了時間を夜中などに設定する(その方が、終了時間間際に入札出来る人が増えて値段が上がるからだと思う)が、同じように考えても、時差のせいで終了時間が日中になることも多い(欧米の時間で夜中)。
 第一、表示されている時間からして、US時間である。日本とは8時間の時差がある。これについては良く注意して、間違わないようにしなければいけない。
むしろ、終了時間そのものではなく、終了までの残り時間で判断した方がいい。(ただし、各オークションの終了時間を日本時間で知る方法もある。ただ、これは少し手間がかかる。これをするには、お目当てのオークションをMy e-bayに登録しなくてはいけない。登録後、日本のe-bayページにアクセスし、そこで、自分のアカウントでMy e-bayを見るのだ。すると、終了時間(及び開始時間)が日本時間で表示されているし、オークションの主解説(出品者が自分で書きこむ文を除く)を日本語で見ることが出来る。ただ、出品者の記載は、翻訳されない。アカウント、登録名、パスワードはUS e-bayと同じだ。
(注:1)でも書いたが、日本のe-bayは、今年('02年)5月末で閉鎖された。故に、上記のの操作は出来なくなった。本当に、残念である。)
また、yahooと違って、e-bayは、ウォッチリストに登録できる総数が20に制限されていることにも注意が必要。)

 また、日本時間の日中に終了する場合、当然ながら勤め人などはその時刻に入札するのは難しい。(まあ、そういうことが出来る環境にいる人もいるかもしれないが、お勧めできることではないだろう。)だから、ある程度の値段を張って家を出て、後は運を天に任すしかないと言うことになる。

 それと、支払方法も重要だ。支払方法は様様で、Money Orderと呼ばれる、国際郵便為替、クレジットカード決済、また、各種のシステムによる、クレジットカードを個人間取引で(互いのカード番号等を明かすことなく)取引できる方法(Billpoint、PayPal、BidPay等)、また、Wire Transfer/Direct Davidと呼ばれる、銀行振込や銀行カード決済などもある。自分が支払える方法を選択しているセラーさんでないと、入札して、もし落札できたとしても、支払いで困ってしまうので注意。

 こういう、種種の困難をクリアして、欲しいアイテム(ゲットできそうなアイテム)を見つけたら、次は、入札してみよう。

(以下、準備中)

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