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  Antique Cups
 
  骨董の分野でも、ティーやコーヒーのカップは、大事なカテゴリーです。
数は少ないですが、面白いものを少し持っています。ごらん下さい。
 

 

 
ロイヤルコペンハーゲン ブルーフルーテッドフルレース デミタス ティーカップ。金の縁取り、1897年。

何故か、ロンドンの骨董店で購入。
ブルーフルーテッドの青の色も濃く良く出ており、白の地に映えています。端のレースの形もくっきりとシャープで、とてもきれいです。小さくて可愛く、金彩も濃くきれいで、お気に入り。


 
リモージュ アビランド カップ 1920-30年

こちらは、日本の骨董店で購入。アビランドとは、フランス、リモージュの窯の中では有名な窯です。(フランス料理の重鎮であった、辻静雄さんの本にも、好みのブランドとして良く出てきます。現代物のカップの頁でもご紹介すると思います。)

ピンク色のヒナギクが、グレーの巧みで、かすかな加筆でより引き立って、優しく上品に描かれてます。金彩も(ハンドルのところは少し剥げがありますけど)、きれいです。金彩の置き方も、変わっていますが、センスがあってとてもきれい。白磁も、真っ白できれい。まるで、日本画のようです。
グレーと濃い目のピンクの加筆の部分以外は、プリントですが、薄めの彩色の、とても繊細な絵付けで、本当にお気に入りです。
 


 
 
1870年〜1882年 フランス製 アビランドリモージュ
美しい風景画と蝶の絵が印象的なデミタスカップです。yahooオークションで入手。
年代は、マークからの売主さんの類推とのこと。
 
下皿とカップを別々に。
美しい湖畔の風景画。心が洗われます。
帆船と蝶。金彩とベージュの色彩が落ち着いた調和を保っています。
 

 
 
ミントンデミタスカップ&ソーサー。年代は、マークから1912-1950年。柄は太古石と鳳凰。
和田泰志先生の”アンティークカップ銘鑑”のNo.260のコーヒーカップと同じ柄です。絵柄はプリント、彩色は手作業だそうです。
鳳凰の柄と緑、ピンク、青、黒、の彩色が楽しいです。
 
下皿とカップを別々に。
下皿のアップ。ヨーロッパに伝わって消化された鳳凰柄が楽しいです。
 
カップのアップ。カップの中、縁の方にも花絵が。
底にも花絵が。

 
 
 
セーブル アンピール様式のコーヒーカップ。1837年。
アンピールとはエンペラー(皇帝)のこと。ナポレオン帝政時代の様式、ということだと思います。この色合いは、ナポレオンが好んだ緑ということです。(製造年代は、ナポレオン1世後、ルイ・フィリップの時代、第二帝政(ナポレオン三世)前ですが。)
カップのスタイルは、細長いシェイプ、高めのハンドル、上部のくびれなど、アンピールの様式(だと思います)。金の手書きの文様は、繰り返し文様で、縁内側の三角形がエジプトを思わせますが、縁外側の四角の渦巻き模様、その下の繰り返しの葉は、月桂樹を思わせますし、皿にも見られる繰り返し模様などは(それと、カップの形も)、知人から”ギリシャ・ローマを思わせる”と言われました。
色合いは、暗めに写っていますが、この写真の下皿の色合いが、実際に一番近いです。
 
カップと下皿を別々に。
裏面には、勿論窯印があります。セーブルは、全て製造年代が窯印で判るようになっているそうで、このカップの製造年の場合、はっきりと窯印の中に”1937年”と書いてあります。
(窯印も、そのうち撮影して載せますね。)
カップのアップ。ギリシャ・ローマのアンフォラの壷などを思わせる、独特のシェイプ。アンピールのハイハンドル。様々な金彩、手書きの文様も、前述のように、エジプト、ギリシャ、ローマを思わせます。(写真、暗めで判りにくいですが・・・)
 
下皿にも、カップの一部と同じ繰り返し文様が。(月桂樹など)。中心の文様は、端ののアレンジとも思われます。
カップと下皿、別の角度から。この方が、カップのシェイプが良く見えるかもしれません、
ちなみに、このカップ、さすがセーブルと言うべきか、私の手持ちのカップの中で、2番目に高価です。(1番は下のフォンテーヌブローのカップ。)

 
 
 
セーブル 大きなティーカップ 1846年。フォンテーヌブロー城のセット中の1つ、窯印(素地、彩色)の他に同城の城印あり。カップ;直径:12cm、下皿:18cm。
ロムドシンさんのセーヴル展の時に見た、大きなティーカップです。
白地に植物(蔦?)模様、数ヵ所に何かの文様が入り、極彩色の鳥が描かれています。大きさと、全体の印象、鳥の彩色(微妙な極彩色で、セーヴル展で見たヴァンセンヌ窯のカップの鳥の彩色と似てる気がします)が気に入り、後日、思いきって購入しました。
 
カップ単独で。光の具合が悪い(白熱光を使っています)ので、写りがいまいちですが・・・
特に、この大きさと、ヴァンセンヌ窯のカップの鳥の彩色に似た、極彩色の鳥の彩色が気に入っています。(特に、この、左側の鳥の、青と紫の色合いが好きです。残念ながら、良く見えませんが・・・)
この品は、私にとっては、何だか、記念のカップみたいな意味合いがあります。
盾のような模様の中の文様は、3本の箒を組み合わせたような文です。
下皿単独で。蔦や金彩はトレースだそうですが、いかにも貴族のお城で使われていたという感じで、気に入っています。
実はもう一つ、同じセットのカップがあって、その方がお皿中央の金彩などの擦れが少なかったのですが、鳥の彩色や、文様などの具合が気に入って、こちらにしました。
盾状の模様の中の文様は、豊穣の角、果物、書状(巻紙)と剣、斧と水差し、槌(?)と羽根(?)など。
 
カップと下皿を別々に。
カップを別角度から。
盾状の模様の中の文様は、T字状の建物です。
カップをもう1方の別角度から。
盾状の模様の中の文様は、山脈(?)です。
 

 
 
 
KPMベルリンの花柄カップ 1800年頃
金彩は1780年頃のものですが、花の絵付けは1800年頃とのこと。花絵と金彩がとても美しいです。これが200年前に作られたとは・・・
欧米文化の奥深さ、人間ってなかなか進歩しないのだなあと思います。
 
カップと下皿を別々に。
下皿のアップ。花絵がとても美しい。白い花も映えています。
カップ花絵のアップ。美しいです。
完成された美、というより、絵柄の自由奔放さがあるこういう絵付けが好きです。
 
ハンドルの金彩と細工。木の枝風に、小さな葉も付けて表現されています。
 
底にも小さな花絵が。

 
 
ドレスデン ラム工房作 デミタス カップ&ソーサー1870〜1910年  
ドレスデンの中でも、もっとも優れた装飾技術で知られているAmbrosius Lammの、カメオ・金彩のカップです。とても小さく、繊細で美しいものです。(磁体が薄く、まるで卵の殻のようです。)金彩がとても繊細で美しく、見惚れます。yahooオークションで入手。
 
カップと下皿を別々に。
カップのアップ。カップ内側にも、外側、カメオの周り、その他の部分にも、繊細な金彩が施されています。カメオの金の絵(青の地も)も美しいです。
 
下皿のアップ。こちらの金彩とジュエリングも美しい。

 
 
 
マイセン 18世紀初頭〜中頃 インドの華 カップ
yahooオークションのオークション外取引で入手。骨董行脚 オークション編に書いたカップです。これと同じような品を落とし損ねたのですが、その後売主さんから連絡があり、同じような品を格安で譲っていただけるということで、入手しました。この年代に作られた汎用品ですが、それなりに美しい品です。
 
カップと下皿を別々に。
カップのアップ。ちょっと絵に繊細さや描き込みが少ないかな。でも、カップの内側にも装飾があって、まあまあの品です。
下皿のアップ。真ん中辺に、この年代には時々ある、鉄分が飛んだ点が見えます。
柄も、それなりにきれいだけど、ちょっと絵付けに情熱が足りないかな。
 
カップの底にも花絵が。

 
 
 
1920年頃の、英国、カールトン社カップです。
このメーカーさんのごく初期のころのもののようです。東洋風の塔や柳が、金と黒、緑で面白く描かれています。ちょっとキッチュな感じ。
このころ、エルメス社のヒスイの緑と黒檀の黒の装飾品が流行っていたそうで、それに影響された彩色ではないかとういうことです。
内側やハンドルに、塗られている金彩も見事です。
縁の黒と金のモザイクに、梅や唐草らしき文様も入っています。

カールトンは、アールヌーボー期の窯で、ベリーやお花などを象った器が有名だと言うことです。
これは、ロムドシンさんのセールで買った品で、残念ながらソーサーに薄いニュウが入っています(下の写真)。
 


 
ソーサーとカップを並べたところ。
ソーサーにも塔の絵が描かれています。
 
ソーサーの裏の高台。マークと、右上にニュウが見えます。(ニュウは、表からも見えます。)
マークのアップ。
普通この窯は、文字のみのマーク(Carlton Wareの名の)だそうで、このツバメのマークは初期のみだそうです。W&Rは、Willshau&Robinsonの略だそうです。

 
 
 
こちらも、上と同じカールトン社モカカップです。パウダーブルー地中国人と庭園図。年代は、上のものより少し下って、1920-30年代です。こちらもロムドシンさんのカップ展で購入。
美しいパウダーブルーの地に、金彩と色とりどりのエナメルで絵と模様が描かれて、美しいです。カップ内部とハンドルは、きれいに金彩が施されています。
 
ソーサーとカップを並べて。ソーサーの縁は金の細かい網目模様にエナメルで装飾。見込みには、松の盆栽と遠景に薄紫で彩られた柳。
カップ正面のアップ。黄の衣を纏った中国人と、花木を中心にした植栽が、金線で描かれ、エナメルで彩色されています。
カップ裏のアップ。左奥(ハンドルの付け根)に橋(橋上には人物が2人小さく描かれています)、手前に緑の葉を茂らせた植栽。
 
カップ横のアップ。緑の築山の向うに楼閣、柳(?)の木、遠景に紅い花の咲いた木。数羽の鳥が飛んでいっています。
ソーサーのアップ。縁は金の細かい網目模様に4色のエナメルで装飾。(朱のエナメルが少し削れてるのが惜しいです。)見込みには、松の盆栽と遠景に薄紫で彩られた柳。青地の部分にも、上の方に鳥が飛び、下の方には小さく築山と柵がさりげなく描かれています。
 
裏面マークのアップ。上の白地のコーヒーカップのマークより、1つ新しいものだそうです。

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