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   使用済み核燃料廃棄物の行方
 青森県の六ヶ所村に使用済み核燃料処理施設があることは知っていたが、貯蔵量が95%にも達していることは知らなかった。また廃棄物は全国の原発施設から送られてくる訳であるが、その全国の原発施設内の一時保管場所貯蔵量も70%程に達しているというのだ。政府は使用済み燃料の再利用という苦肉の策を考えているようであるが、再処理で発生する放射性廃棄物の濃度は高レベルになるのである。それは7000ミリシーベルト以上を発生する放射性廃棄物を生み、当然致死量を遥かに超えているのである。現在の高レベル廃棄物は貯蔵状態であるようだが、人間が20秒間被曝すると死に至る危険度なのだ。
 低レベル放射性廃棄物の埋設、高レベル放射性廃棄物の貯蔵。低レベルの廃棄物でさえ、自然界の放射能濃度にするまでに300年の時間がかかるようである。施設側では「そのために働いているのである」とも言っていたが、300年先のことなど誰が分かるのだろうか。有事の際は増税(復興税?)による国民の責任にされるだけではないか。まさに福島原発の事故が良い例である。折りしも六ヶ所村では、核燃料再処理工場を建設していると聞くがトラブル続きのようである。さてどうしたものだかね。
 
 原子力エネルギー施設の存在は、関連地域に計り知れない経済効果があったことは確かである。今回事故を起こした福島原発周辺地域も例外ではなかった。しかしながら原発施設の安全神話が崩れ去った今、最悪すぎたリスクを考えれば、私達は原子力エネルギーそのものを放棄すべき時期に来ているのではなかろうか。
 
 そういえば放射性廃棄物の処理方法は、最終的に地下300mに埋設するという考え方が世界共通のようである。しかしながら、私には天変地異や地殻変動などを考えての結論には到底思えない。また、いい加減な核保有国の存在は一体どうするのであろうかとも思える。
何れにせよ「人間のやることに絶対はない」ということだけは肝に銘じておくべきであろうね。
更新日時:
2011/11/13

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