近年、技の教え方を複雑に説明しすぎるあまり、技の習得を逆に難しくしているように思えてなりません。例えば「上受け」にしても、「手の平を手鏡のように自分の顔に向けてから、手の平を捻りながら上にあげる」という説明をする方がいます。またそれ以外のやり方は、「駄目だ」,「間違っている」と断言しているようです。果たしてそうでしょうか。
技は、たった一人の開祖から生み出されました。しかし開祖ゆえに成せるやり方もあったと思うのです。“人が頭上で宙を舞う”そんなことは凡人では不可能ですね。しかし当時の掛かり稽古では、そうあるべく「自分から」飛んでいたものです。でも真似は所詮真似しているだけでした。決して技術力の進歩にはつながりませんね。やはり技法には個人差があるのです。また人それぞれに体質も違うのです。それらを踏まえて指導のあり方をもう一度見直すべきではありませんか。
技は常に変化しています。無理のない体重移動や方向性を間違わなければ、複雑な方法より「Simple is best」ではないでしょうか。
PS.各種受け方について一言
私は、上受け・内受け・下受け・打上受けなどは、「肘で受けてから払いのける方法」を採用しています。最近では、可能な限りの受け方すべてを「半月受け」だけでやろうかとも考えています。
これは実に面白そうな気がしています。
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