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平成28年に日本地質学会が日本を代表する石として「翡翠(ひすい)」を選びました。石に少しは興味のある僕としては地元の石が選ばれたことは素直にうれしく思います。僕は四国の大学を卒業しましたが、今は帰郷して下越の田舎に住んでいる者です。他の県の人はわからないかもしれないけど、翡翠の産地は上越です。新潟は東西に300kmくらいある細長い県だから、同じ県内でもそこまで行くのは大変だった。管理人の○君や先輩のA氏とU氏、同行のM氏とK氏にこの記事を捧げます。
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僕が拾った翡翠の1つです。場所は親不知海岸で、薄いけれど緑色をしています。翡翠は硬いので全体的に丸くなることは少なく、角が残っているのが普通です。やや重くて指で触るとすべすべしたモチ肌みたいな質感があります。こればかりは言葉で説明できません(A氏撮影)。
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ラベンダー翡翠です。薄いけれど紫色をしています。
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ノーマルな白色です。見つかるほとんどの翡翠はこのタイプです。
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薄い緑色をしています。指にまとわりつくような質感です。
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黒色の部分が多いタイプです。他に青いタイプもあります。
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こう書けば産地に行けばヒスイが必ず採れるような錯覚を起こしそうですが、実際はそう甘くないです。僕が1日かけて採取できたのはたった2個だけで、きれいな物ならもっと少ないです。夏休みに来た観光客が楽しそうに拾っている様子などネットやポスターで目にしますが、あれはかなり盛っていると思う。何回かに分けていろいろと調べてみたけれど、まともにヒスイが拾えている観光客はほとんどいなかった。その原因としていくつか考えられます。
@ヒスイそのものが少なくなった A拾う人のヒスイの知識が不足しているので見逃してしまう
B拾うための装備が用意できていない C最初から遊び気分であまり拾う気が元からない
ヒマだったので市振海岸や青海川河口で朝から晩まで見ていると、ひっきりなしに人がやって来ていました。車のナンバーは長岡と富山が多く、次いで金沢と新潟、長野や群馬もありました。翡翠の数が少なくなったのか、それとも翡翠はあるけれど拾う人が多すぎるのか、判断しにくいです。しかし、気になることがあります。
@について、橋立ヒスイ峡から青海川を流れて、あるいは小滝ヒスイ峡から姫川を流れてヒスイは海に入ります。それが潮流や波の力で再び海岸に戻ってきます。観光客など一般の人が拾えるのがこのヒスイです。一般人は砂浜や波打ち際で打ち上げられたヒスイを探すのです。ところが、空が白んで明るくなるとどこからともなくセミプロか業者らしき人が次々と海に入って、腰まで浸かりながら海中のヒスイを採っていました。青海川で見ていると、1時間以上もかけて海岸線に沿って往復しています。これでは砂浜に打ち上げられる前にほとんど捕獲されてしまうでしょう。一晩かけて波にもまれて陸地に近づいたヒスイが、到達目前で採り尽くされてしまうような勢いでした。
Aについては、仕方ない部分が多々あります。誰でも最初は初心者ですから、パンフや本よりも有能なガイドや専門家がいなければ難しいでしょう。海岸にイラスト看板を設置していますが、見てもよくわからないです。Bについても、砂浜で探すのは数が少なくて難しいから、せめて長靴でもはいて海の中に入る必要があります。浜で釣りをしている人の邪魔にならないように、そこを大きく迂回しながら海岸線に沿って探します。箱めがねや熊手などを持っていた人もいました。Cは論外ですね。
日本の石に設定されてから、ネット販売されるヒスイが急に増えました。また、道の駅でも地元の会員による臨時のショップが増えました。彼らは、売るためのヒスイを採りに朝から頑張っていたようです。このような状況では、僕たちのような素人がヒスイ拾いを楽しめる訳がありません。緑色が濃くて透明感のある逸品ならともかく、せいぜい数十円から数百円の値しか付かないような石まで根こそぎにしてしまうのはいかがなものかと思います。ヒスイが採れないのは自然にそうなったのではなく、人為的な要因が大きいと感じました。ポスター等でヒスイが採れますとか書いてあるのはマユツバものだと思った方が良いかな?
それでも良いからヒスイを探したい人のために、以下に産地情報を記載します。2016年9月から11月にかけて現地を訪れました。
続いて、A氏のチームが2019年4月から5月に現地を訪れたのでそれもレポートします。
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1−1.富山県朝日町ヒスイ海岸の駐車場の石碑
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1−2.ヒスイ海岸でヒスイを拾う人と浜釣りする人
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1−3.この日は平日だったので人影はまばらだった
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1−4.トイレの横の案内看板で内容は微妙かな?
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1−5.越中宮崎駅より東の方へ砂浜が続いている
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1−6.ヒスイ海岸の東端は軽トラなら線路の下をくぐれる
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2−1.親不知観光ホテル近くの遊歩道の彫刻文字
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2−2.先ヶ鼻のトンネル西側から見た海中の様子 |
2−3.日本海沿岸の定置網漁と能登半島
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2−4.北陸自動車道の親不知海岸高架橋
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2−5.観光ホテルから遊歩道を降りて海岸線まで
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2−6.国道8号線展望所直下の海岸 |
3−1.道の駅「親不知ピアパーク」の石碑
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3−2.道の駅の砂浜では観光客がヒスイを探していた |
3−3.小さな博物館の大きな翡翠の原石102トン
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3−4.高価な青ヒスイを含んでいる部分がきれい |
4−1.青海川上流の橋立ヒスイ峡の立て看板
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4−2.大水で流された川底でもヒスイ採取は禁止 |
5−1.青海川中流の山と山に挟まれた谷間
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5−2.降りられそうだがヒスイを探せるか微妙? |
5−3.国道と鉄橋の下を流れる石灰で白く濁る河川水
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5−4.河口に広がる砂浜は早朝から人気がある |
6−1.姫川の西側に位置するラベンダーヒスイの海岸
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7−1.姫川大橋から上流を見たところで川幅は広い |
7−2.日暮れが近いのに下流の干潟には人影が見えた
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8−1.小滝ヒスイ峡がある山々の方を見たところ |
画像はないけれど、他にも市振海岸や歌などの海岸線を歩きました。結局どの海岸でもほとんど拾えず、辛うじて親不知海岸と青海川河口で小さい物が少しだけでした。同行してくれたM氏やK氏、U氏も同様でした。それなりに石に詳しい人もいましたが、ジャンルが違うと素人同然になってしまうみたいでした。少しずつ経験を踏めば上達すると思うけれど、肝心なヒスイそのものがセミプロたちに先に採られている状況ではそれも難しいです。それでも一度くらいなら行ってみて自分の目で確かめたらと思う。僕はもう行かないけどね。
(前半は2016年12月26日にN氏より)
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1−7.富山のヒスイ海岸は姫川・青海より最も西の海岸
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3−5.観光客もまばらな親不知海岸へはIC降りて1km |
7−3.姫川を3kmほど遡った地点でかなり増水している
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7−4.更に5kmほど上流へ移動して河川の合流点に来た |
6−2.ラベンダーの海岸には家族連れやカップルが多い
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6−3.ヒスイ採りの地元プロたちが道具を持って闊歩してる
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5−5.青海川河口西側の砂浜は石よりも砂が目立つ
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5−6.丸みを帯びた石灰岩や流紋岩などヒスイ以外ばかり
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8−2.最奥の小滝のヒスイ産地は監視カメラ付き
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8−3.案内看板を見ればよくわかるが採っちゃダメ!
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8−4.これが最も巨大なヒスイの岩塊だけどもっと上がある
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8−5.カメラ前の白っぽいヒスイに触らせてもらった
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1−8.最終日はやっぱりここ、富山に始まり富山に戻る
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1−9.ゴロゴロガラガラと大きな音を出して石が転がる
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この記事の前半を読んでどうしようか迷いましたが、やっぱり一度は行ってみようと思い立ち決行しました。富山ヒスイ海岸・ラベンダーヒスイ海岸・青海川河口の海岸・姫川の河口と中流部からやや上流・小滝ヒスイ峡それとフォッサマグナミュージアムを回りました。毎日のほとんどの時間をヒスイ探しに使いました。ヒスイに関して結果は惨敗!それらしい物はありましたが断定できず。友人のK氏がミュージアムで見てもらった石は違いました。もっとも他のことでそれなりに収穫があったので、まずまずといったところです。
ヒスイだけを目的で行かれると失敗します。親不知の道の駅でヒスイを売っているから、それを買ったら終わりでしょう。雰囲気を楽しむつもりくらいでないと全く楽しくないです。それにしてもプロはすごい。あきれるほどにヒスイが枯渇しています。ヒスイ海岸が「元ヒスイ海岸」に格下げされてしまいました。日本を代表する鉱物が産地からなくなるなんて、何と言ったらいいのかわかりません。小滝や青海の産地では絶対に採取しないように!盗掘は許せません!せめてその産地だけは保護しましょう! (2019年8月2日にA氏より)
新潟県にお住まいのM氏から情報来ました。ヒスイ目当ての観光客が減り、毎朝採取してるセミプロたちも少し減ってるらしいです。採れなかった人相手に道の駅でヒスイを売ってます。原石を加工した後の残りカスが一袋千円でした。型抜きした残り物だったみたいで、ほとんどゴミに等しいもの売ってる神経がわからんそうです。買ってる人はいなかったみたい。ゼロ密遊びの延長として、秋が深まるとやって来る人の数が増えていく。ただし、お買い上げ単価は目減りしてて財布のひもが固くなっていってる。そんなもの買って銭失いしたくないですね。
ところで、このページを参考にコピペして現地行って探す人が増えてるみたいです。元々そういう方々のために開設したページだから特に問題ないです。ヒスイ採れなくても現地へ行ってみたい人は、ここのデータを参考して下さい。できればM氏のように採集ナウの現地情報くれたらうれしいです。ヒスイ採れなくてもそれ以外いろいろ面白い石あるよ!僕らは姫川薬石と梅林石、アクチノライト拾いました。ただし、薬石はまがい物が多いからアヤシイ店やヘンなサイトでまがい物を売りつけられんよう気を付けて下さい。皆さんの旅の無事を祈ってます。
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9−1.歌集落の中央を流れる川の河口
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9−2.高架橋の足元の小さな海岸 |
再びM氏の登場です。コロナのせいでどこへも行けず、仕方ないからヒマつぶしにヒスイ採りを見てるそうです。
県外ナンバーがちょっと減ったけど、オープンな場所で活動できるからやっぱり来てます。それは別にかまわないですが、問題はヒスイ採りつくしてしまった地元のにわか業者たちの方です。ヒスイ求めて朝から晩まで誰かが入りびたってたけど、採れなくなったものだから海岸に出る人も減って来ました。やっと熱が冷めてきたかな。でもその結果がヒスイの枯渇に繋がってしまいました。もう元には戻らない。
ヒスイ保存会です・・みたいな顔して、自分たちの小遣い稼ぐために盗っていたのに、県外客が大勢来て盗っていったと主張してる人います。ふざけたこと言わないで欲しい!あなたらは保存するんじゃなく現実に絶滅させてるじゃないか!!自分らだけでヒスイを独占して他には拾わさない。小さい物まで採ってしまう必要がどこにありますか?そんなことする者が保存会を名乗る資格はないと思う!・・思わずくすぶってた怒りの声が出てしまいました。読者の皆様には失礼しました。(2021年8月12日にN氏より)
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