1.ストーンロンダリング(これ大事!)
なじみのお客さんが有名な某石店の怪獣みたいな雑誌くれました。仕込みの間にコラムなんか読んでると、鉱物の新産地や昔の産地をどうやって見つけたか書いてました。内容かなり面白かったので見てましたが最後に気になる点を発見・・。その石を誌上で売ってました。
何度も書いてますが、石とった場所が自分の所有地なら何も問題ありません。また、他人の土地であっても採集や販売の許可を文書できちんともらってるならOKです。しかし、誌上ではそれについて何も言及してません。石に目がくらんでない普通の人が考えれば、それおかしいと思いませんか?だって文面だけ見れば勝手に土地入って石とってるの間違いないから、そういう石売るのはダメでしょう。他人に買わせて自分の罪をなすりつけるつもりでしょうか。
その石が正規の手続きをへて入手されたのなら、堂々とそれ公開して販売すれば良いはずです。○鉱山産△石、地権者□氏に許可済みってね。それが読者に対する信用ってモンです。でもそれしてないいうことは後ろ暗いとこあるってことになります。また、そんな記事・広告を載せる雑誌を作った某大手の石店も道徳的にどうかと思います。
産地情報を教えないって理由は産地を荒らされたくないから。でも荒らされたくない別の理由は自分たちが産地を独占するためでしょう。それともう1つは、自分たちが産地から無断で石とってることがバレないようするためです。業者の中には侵入禁止地域の石を堂々と売ってるとこあります。たぶん自分がとってないから、善意の第三者から入手したって言いはるつもりなんでしょう。でもそういうの売ってるだけでとても不誠実な店だと思われませんか?しかし、このワールドではそういった業者が幅をきかせてるみたいです。
言うまでもなく業者は「持って」います。石や情報なんかです。そして、それを欲しがる石キチも大勢いて熱狂的なファンになってたりします。仲間の不法行為など都合の悪い面は見逃してやって、何かあったらブログや掲示にカキコして助けてやって礼をもらう。産地荒らす業者に対し異論を唱える者を糾弾してコンテを閉鎖させ、見返りに欲しかった石をもらってたなんてこともあります。自分の良心を自ら売ってしまったンですね。賢しげに知識をひけらかすだけなら許せたのに・・。いくら知名度があっても、石をたくさん持ってても、本や論文を書いても、そんな人絶対信用できません!
毎年どこかで個人や団体がにわかショップつくって、ナントカ市場とかカントカ祭りで石を売ってます。その中には他人の土地から勝手にとって勝手に売ってる石もあります。主催者はそれに気付かないンでしょうか。否、気付かないフリしてるだけだと思います。しかし、どちらにせよ参加店が不法に入手した石を売ってたらその責任の一端は主催者側にもあります。たった1個でもそのような石が売られてた事実あれば(いくつか把握してるけど)、全ての店の全ての石に対して疑いが発生します。ハッキリ言って奈良県のミルキーウェイザクロ石なんかほとんどクロです。
いくつかの店にはお抱え山師がいます。山や川へ行って石とって(盗って)店に卸してるンです。それで生活してる人もいるから驚きです。生計立てるジャマしたくないですが、やっぱり違法な行為してるのは見過ごせません。それに会社員や公務員にとっては単なる小遣い稼ぎになってます。
せっかくの楽しい市場や祭りの場が、まるで犯罪者のマネーロンダリング(資金洗浄)のように、ストーンロンダリングの場になってしまうことを懸念して警鐘を鳴らします。
2.大量の商品鉱物のストックがある
最近お客が減ってきたもんで、ショップでも情報提供するとこ増えました。石を買えば貴重な情報を付けるみたいで、それ目当ての客もいるようです。しかし、すべてとは言いませんがその情報はショップ自身が汗水たらして得たものじゃないし、また鮮度が古いので今も採れるかどうかわかりません。それにどこやらの大手団体のように、先に行ってめぼしいものを拾って知らん顔してたりします。情報漏えいしても痛くもかゆくもないネタをエサに集客につなげようとしてます。
石が売れなくなったっていうんで、大手でも安価な小物を売るようになりました。金持ち相手の高価な石は古い時代の物が多く、鉱山関係者や年配のコレクターが亡くなったりして、その遺族から販売ルートに流れてきます。当時どうやって入手したのかはわからないので、それらについては不問にしてます。まあ貴重な物が多いからしかるべき場所で永久保存してくれるとありがたいです。
一方で、安価な石は比較的手軽に採れるので業者は大量にストックしてます。もちろん値崩れを防ぐためです。東京と京都の某店スタッフの言によれば、大きい物は衣装ケース何箱も、小さいものは(例えばあの逸見石とか)空き缶に何個もため込んでるようです。四国某県の緑色ザクロ石とか角閃石の一種などはそれでしたね。見事に産地が丸裸になってます。そこは自分の土地ではないはずですが・・。
このようなこと続ければ今後ますます売れなくなるでしょう。自分で自分の首絞めてることに気づかないんでしょうか。
3.鉱物ショップとリンクしてるサイト
基本的に業者と関わっている人の大半が業者寄りの考え方してます。どれだけ高尚で高邁に思える意見を述べても、利益追求のため石採りしたり情報集めたりしてるんです。ある大手ショップの従業員が、関西の海沿いにある鉱山から金鉱石をとってきました。元々そこは鉄や銅を採掘してたンですが、その中にキラキラした物が含まれてました。それが何かわからないまま取引先に鉱石を卸してましたが、末期になってそれが金であることがわかりました。しかし、時すでに遅し。ついに閉山になってしまいました。そして、京都のショップはその石を無断でとってきて店頭で販売してたンです。侵入・採集・販売許可もらったか尋ねると急に口ごもり、当人はそそくさと店の奥に消えていきました。今はのれん分けしたみたいで、別のショップの店長をしてます。
他人を出し抜いて不法行為をしてでも石が欲しい連中なら、こうした連中の行為を批難しません。それどころか媚(こび)を売ってまで石を得ようとします。連中の言い訳は、別に誰にも迷惑かけていないからいいじゃないか、地権者が知らないのが悪いんだ・・ってことだそうです。でも、これは盗んでるの間違いないし、それ売って金儲けしているの犯罪でしょう。そして、そういう悪質なショップとリンクしてるサイトは要注意なんです。
石仲間がショップ立ち上げたので応援する。その行為自体は否定しません。石を売ってあげる、買ってあげる、知り合いを紹介してあげる、情報を提供してあげるなど、仲間のために尽力するのはすばらしいことです。でもその結果が産地の荒廃に拍車をかけたり、地権者に迷惑かけるものになってたりするんです。いくら楽しそうにブログ書いてても、そのウラで連中が何をやってるのか知ってしまうと、書いてる文章が色あせてきます。
ときどき個人所有の山から珍しい鉱物や化石が見つかったとニュースが飛び込んできます。学術的に大変価値のあるものだったりするので、その記事に対しては僕らも好意的に受け止めてます。もちろん地権者の了解を得ず勝手に入ったことはNGですが、学問の進歩に関わることなら多少は仕方ないと思うし、そういった気持ちは一部の地権者の皆さんも持たれています。地権者の方々は研究のために頑張る先生や学生のために協力してあげようという崇高な考えをされているんです。
ところが、そうして見つけた石が心無い第三者により乱獲され金儲けの道具に使われる。いやもっとひどい話になると、第三者ではなく発見者自身がそれをするときもあるんです。
そういう事実を知った地権者がどう思われるか、皆さん考えたことがありますか?そのことについて地権者と話したことありますか?僕らはその発言を直接聞いて知っています。裏切られた思いだ、勉強のためだなんて言ってよくも人をだましたな、そんなことするように見えなかったのに残念だ・・など。地権者に「死ね」とか罵詈雑言を吐いた連中もいるし、言葉巧みにだましてマンガンを持ち逃げした関西の店主もいました。今は有名な某館長さんのフレンドになってます。HP見ただけなら良さそうな人に思えましたが、ウラでそのような行為と関係してるのがわかって評価はマイナスになりました。