あわ〜ストーンU

いしにっき

 ここには、石の活動で僕らが体験したり見聞したダークな出来事を書いてます。「気ままに訪問記」が光明のような内容なら、この「いしにっき」は暗闇の部分にスポット当ててます。これらは単なる悪口ではなく調べた事実を述べてるだけです。もしブログやBBSで意見述べるおつもりなら、きちんと内容全部を読んでからにして下さい。また、これから始めるビギナーの方や地権者の皆さんにはぜひ読まれて、これらの事件に巻き込まれないよう注意しましょう。
 なお、アルファベットとイニシャルは必ずしも一致するとは限りません。また、ここに登場する複数の呼名が同一人物または団体や業者を指すこともあります。
5.いろいろなトラブル(業者編)

1.ストーンロンダリング(これ大事!)
 なじみのお客さんが有名な某石店の怪獣みたいな雑誌くれました。仕込みの間にコラムなんか読んでると、鉱物の新産地や昔の産地をどうやって見つけたか書いてました。内容かなり面白かったので見てましたが最後に気になる点を発見・・。その石を誌上で売ってました。
 何度も書いてますが、石とった場所が自分の所有地なら何も問題ありません。また、他人の土地であっても採集や販売の許可を文書できちんともらってるならOKです。しかし、誌上ではそれについて何も言及してません。石に目がくらんでない普通の人が考えれば、それおかしいと思いませんか?だって文面だけ見れば勝手に土地入って石とってるの間違いないから、そういう石売るのはダメでしょう。他人に買わせて自分の罪をなすりつけるつもりでしょうか。

 その石が正規の手続きをへて入手されたのなら、堂々とそれ公開して販売すれば良いはずです。○鉱山産△石、地権者□氏に許可済みってね。それが読者に対する信用ってモンです。でもそれしてないいうことは後ろ暗いとこあるってことになります。また、そんな記事・広告を載せる雑誌を作った某大手の石店も道徳的にどうかと思います。

 産地情報を教えないって理由は産地を荒らされたくないから。
でも荒らされたくない別の理由は自分たちが産地を独占するためでしょう。それともう1つは、自分たちが産地から無断で石とってることがバレないようするためです。業者の中には侵入禁止地域の石を堂々と売ってるとこあります。たぶん自分がとってないから、善意の第三者から入手したって言いはるつもりなんでしょう。でもそういうの売ってるだけでとても不誠実な店だと思われませんか?しかし、このワールドではそういった業者が幅をきかせてるみたいです。

 
言うまでもなく業者は「持って」います。石や情報なんかです。そして、それを欲しがる石キチも大勢いて熱狂的なファンになってたりします。仲間の不法行為など都合の悪い面は見逃してやって、何かあったらブログや掲示にカキコして助けてやって礼をもらう。産地荒らす業者に対し異論を唱える者を糾弾してコンテを閉鎖させ、見返りに欲しかった石をもらってたなんてこともあります。自分の良心を自ら売ってしまったンですね。賢しげに知識をひけらかすだけなら許せたのに・・。いくら知名度があっても、石をたくさん持ってても、本や論文を書いても、そんな人絶対信用できません!

 毎年どこかで個人や団体がにわかショップつくって、
ナントカ市場とかカントカ祭り石を売ってます。その中には他人の土地から勝手にとって勝手に売ってる石もあります。主催者はそれに気付かないンでしょうか。否、気付かないフリしてるだけだと思います。しかし、どちらにせよ参加店が不法に入手した石を売ってたらその責任の一端は主催者側にもあります。たった1個でもそのような石が売られてた事実あれば(いくつか把握してるけど)、全ての店の全ての石に対して疑いが発生します。ハッキリ言って奈良県のミルキーウェイザクロ石なんかほとんどクロです。

 いくつかの店にはお抱え山師がいます。山や川へ行って石とって(盗って)店に卸してるンです。それで生活してる人もいるから驚きです。生計立てるジャマしたくないですが、やっぱり違法な行為してるのは見過ごせません。それに会社員や公務員にとっては単なる小遣い稼ぎになってます。

 
せっかくの楽しい市場や祭りの場が、まるで犯罪者のマネーロンダリング(資金洗浄)のように、ストーンロンダリングの場になってしまうことを懸念して警鐘を鳴らします。




2.大量の商品鉱物のストックがある
 最近お客が減ってきたもんで、ショップでも情報提供するとこ増えました。石を買えば貴重な情報を付けるみたいで、それ目当ての客もいるようです。しかし、すべてとは言いませんが
その情報はショップ自身が汗水たらして得たものじゃないし、また鮮度が古いので今も採れるかどうかわかりません。それにどこやらの大手団体のように、先に行ってめぼしいものを拾って知らん顔してたりします。情報漏えいしても痛くもかゆくもないネタをエサに集客につなげようとしてます。

 石が売れなくなったっていうんで、大手でも安価な小物を売るようになりました。金持ち相手の高価な石は古い時代の物が多く、鉱山関係者や年配のコレクターが亡くなったりして、その遺族から販売ルートに流れてきます。当時どうやって入手したのかはわからないので、それらについては不問にしてます。まあ貴重な物が多いからしかるべき場所で永久保存してくれるとありがたいです。

 一方で、安価な石は比較的手軽に採れるので業者は大量にストックしてます。もちろん値崩れを防ぐためです。東京と京都の某店スタッフの言によれば、大きい物は衣装ケース何箱も、小さいものは(例えばあの逸見石とか)空き缶に何個もため込んでるようです。四国某県の緑色ザクロ石とか角閃石の一種などはそれでしたね。見事に産地が丸裸になってます。そこは自分の土地ではないはずですが・・。
 このようなこと続ければ今後ますます売れなくなるでしょう。自分で自分の首絞めてることに気づかないんでしょうか。



3.鉱物ショップとリンクしてるサイト
 基本的に業者と関わっている人の大半が業者寄りの考え方してます。どれだけ高尚で高邁に思える意見を述べても、利益追求のため石採りしたり情報集めたりしてるんです。ある大手ショップの従業員が、関西の海沿いにある鉱山から金鉱石をとってきました。元々そこは鉄や銅を採掘してたンですが、その中にキラキラした物が含まれてました。それが何かわからないまま取引先に鉱石を卸してましたが、末期になってそれが金であることがわかりました。しかし、時すでに遅し。ついに閉山になってしまいました。そして、京都のショップはその石を無断でとってきて店頭で販売してたンです。侵入・採集・販売許可もらったか尋ねると急に口ごもり、当人はそそくさと店の奥に消えていきました。今はのれん分けしたみたいで、別のショップの店長をしてます。

 他人を出し抜いて不法行為をしてでも石が欲しい連中なら、こうした連中の行為を批難しません。それどころか媚(こび)を売ってまで石を得ようとします。連中の言い訳は、別に誰にも迷惑かけていないからいいじゃないか、地権者が知らないのが悪いんだ・・ってことだそうです。でも、これは盗んでるの間違いないし、それ売って金儲けしているの犯罪でしょう。そして、
そういう悪質なショップとリンクしてるサイトは要注意なんです。

 
石仲間がショップ立ち上げたので応援する。その行為自体は否定しません。石を売ってあげる、買ってあげる、知り合いを紹介してあげる、情報を提供してあげるなど、仲間のために尽力するのはすばらしいことです。でもその結果が産地の荒廃に拍車をかけたり、地権者に迷惑かけるものになってたりするんです。いくら楽しそうにブログ書いてても、そのウラで連中が何をやってるのか知ってしまうと、書いてる文章が色あせてきます。

 ときどき個人所有の山から珍しい鉱物や化石が見つかったとニュースが飛び込んできます。学術的に大変価値のあるものだったりするので、その記事に対しては僕らも好意的に受け止めてます。もちろん地権者の了解を得ず勝手に入ったことはNGですが、学問の進歩に関わることなら多少は仕方ないと思うし、そういった気持ちは一部の地権者の皆さんも持たれています。地権者の方々は研究のために頑張る先生や学生のために協力してあげようという崇高な考えをされているんです。

 
ところが、そうして見つけた石が心無い第三者により乱獲され金儲けの道具に使われる。いやもっとひどい話になると、第三者ではなく発見者自身がそれをするときもあるんです。

 
そういう事実を知った地権者がどう思われるか、皆さん考えたことがありますか?そのことについて地権者と話したことありますか?僕らはその発言を直接聞いて知っています。裏切られた思いだ、勉強のためだなんて言ってよくも人をだましたな、そんなことするように見えなかったのに残念だ・・など。地権者に「死ね」とか罵詈雑言を吐いた連中もいるし、言葉巧みにだましてマンガンを持ち逃げした関西の店主もいました。今は有名な某館長さんのフレンドになってます。HP見ただけなら良さそうな人に思えましたが、ウラでそのような行為と関係してるのがわかって評価はマイナスになりました。


4.灰バナジン柘榴石は贋物?
 下の画像は、鞍瀬鉱山から産出した灰バナジン柘榴石と言われてる石です。知人がその昔に中国の業者から購入したそうで(今は一切の購入を控えてるそうです。)、当時はかなりの値段だったよう。彼はそれを京都と愛媛の知人に見てもらいました。すると、これ見るなり言われました。「これって偽物じゃないか。」って。

 灰バナジン柘榴石はバナジウムを含む珍しいザクロ石です。ちょっと明るい緑色の染みみたいなのが、石の表面に飛び散ってる石です。染みに見えても倍率上げたレンズで見れば、それなりにきれくて粒子のよう見えます。ところが、これはくすんだ緑色の染みそのものになってます。深緑色なら桃井先生の名を冠した
桃井柘榴石かもしれんが、そんなレア鉱物でないのは明らかです。

 どこの業者かなんてブログ見てたらわかる人にはわかるだろう。

     

    ※ここで言うパチモンとは?
     (1)ラベルに書いてる鉱物名
      そのものが違う
     (2)鉱物は正しいが、産地が違う
     (3)売り物の画像とは異なる
      別物である

 結論から言えば、これは「緑マンガン鉱」に近い物でザクロ石ではないとのこと。ということは、彼はその業者にパチモンつかまされたってこと。この業者は大学の研究員と取引しながらレア鉱物を入手し販売してます。組成を分析するのにちょうど良い環境あるのに、自分の売り物は分析してないみたい。返品したらお金返してくれるんでしょうか。

 
他にもあちこちでパチモンが続々と量産されてます。染みみたいな石が1個ウン万円だったりしてます。ダイヤより高いんじゃないかな。だから、こんな業者は信用おけないんです。彼もそれを知ってから一切の購入を取りやめました。賢明な判断と思います。皆さんもこんなケースあるんで気を付けましょう。



5.フェイク化石やニセ鉱物を売る商人
 バッタもん売りつける店は昔も今もあります。
 コロナ不況でうちの売り上げけっこう厳しいけど、ひいきにしてくれてた外注さんのおかげで何とかやってます。それでも仕事減ってヒマしてる時間あるから、今日は日曜市に来ました。食材の仕入れ値とか供給量に関心あって、市場調査という名目の散歩してました。そん中で石を売ってる店を何軒か見かけけど偽物ありました。

 まず、
モロッコ産のアンモナイト。どうみても石を彫って作ってる。巻き貝みたいにそれらしくらせん状に彫ってるけど、中心部が余りにも角ばり過ぎる。よく見れば彫刻刀の削り出し跡わかる。これと同じ物は神戸の化石専門店や県内の博物館でも確認してる。次に、エビの化石。黒いお目々パッチリで触角の先が水墨画みたいに消えてる。よく描けてる絵だね。じょうずだね。生息時代は平成かなぁ〜?これ売ってる店は偽物ってこと知ってるかなぁ〜?知らんのかなぁ〜?モロッコのお土産と商品名付けて売ってるならセーフだけど、そう書かずに化石コーナーに置いとくは「詐欺」ですよ。知らんで売っててもアウトだし、知ってて売ってればもっと悪質だ!

 古典的なフェイク鉱物もありました。中国産の色つきカルサイトやアラゴナイト、水晶やめのうなどがそれです。カルサイト(方解石)やアラゴナイト(あられ石)は炭酸カルシウムだから、容易に人工結晶作れます。手のひらより小っちゃい物が数千円とかふざけてないか。店のおっちゃんに話聞くと天然石だと言った。カルサイトが真っ赤?アラゴナイトが真っ青?含銅だとしても青み強すぎでないかな。

 パワーストーン屋は値段の高い店多いけど、それは別にコメントしない。二束三文の水晶に金を蒸着したアクアオーラとか、アメジストを焼いて作ったスモーキークォーツとかであっても、人が手を加えたいう事実きっちり書いて売ってるなら問題なし。だけど、
客の無知につけ込んで欺して買わすならそうはいかない。液浸法で顔料を染み込ませるのは、めのうなどで見られる常套手段。どぎついピンクやパープルは見ただけで気分悪くなりそう。

 国産鉱物も置いてた。こっちはフェイクじゃないけど、田上山や天川村など禁止区域のある場所ばかり。すべてがそうじゃないだろが出所はアヤシイ。関川のザクロ石も売ってた。握りこぶし大が数千円。現地へ行けば拾い放題なのに。こっちも別の意味で客の無知につけ込んでる。こんなケースばかりだからショップは基本的に信用おけないんです。こういう人たちと売り物は違っても、僕も商売してることに変わりません。けど、商売ってのは信用第一。あんたらは商売人の風上にも置けません。

 
今日は十日戎(えびす)です。商売の神様の日です。神様は見てます。バチが当たらんように真っ当な商いをしていきます。






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Last updated: 2021/1/10
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