【コ ラ ム】
No.40/2006.12(ボランティア)

美術館はどうなるのか、高まるボランティアの不安

- 美術振興協会と懇談会を開く -


  10月25日夜、美術館でポプラの会の申し入れによる美術振興協会との懇談会が開催された。協会からは滝沢会長代行、理事のとまりん館吉田学芸員に前田館長、岡部学芸員と女子職員の方々が出席、ポプラの会からは8名だった。2月に端を発した休館問題が、町民を含めた美術館関係者や愛好者の願いにも拘らず不透明なまま推移しているため、ボランティア内部でも不安や動揺が広がり日常活動にも影響を及ぼしそうなので管理責任者である協会から現在の状況をどう把握し、また今後の具体的運営案も聞くというのが大きな狙いであった。以下、代行と館長の発言要旨である。

 現在は冬期間も開館するためには何ができるか模索確認の状態だ。町は 19年度冬期間閉館を盛り込んだ条例を作ろうとしているがその中で管理者が通年開館を希望するならやってもよいとの一文があると聞いている。

  陳情を採択しているのに町は対応策を講じないのは明らかに議会軽視だが、町から指定されている立場なので町との対決に持ち込むことは長い眼で見た場合どんなものか。そこで当面の課題は冬期間開館のため必要な 390万円をいかにして確保するかだ。現在120万円は何とか目鼻が付きそうだが、さらに次のようなことを考え交渉に入っているものもある。

・ロータリーやライオンズの例会を美術館で開く。(「うきよ」が閉鎖するので会場がなくなる。)
・協会病院職員のセミナーを開く。
・駐車場に有料月ぎめのスペースを取る。役場と話し合い中。
・封筒類の紙質見直し。
・切手、葉書類売りさばき。※
・ボランティア保険は掛け金が安い会社にかえる。保険額はかわらない。※
・パンフ類に商店や企業の広告を載せる。
・冬のナイトオ−プン開催。
・特に 1、2月の入館者が少ないことがネックなので、学校や各種団体に働きかける集客活動をする。等々
(※は実施中のもの)

このように前例にとらわれない新しい発想による実現可能性あることから取り組んでいきたい。
【ボランティアからは美術館の有効なPR必要、文化センターでの各種サークル団体に来館を呼び掛ける等の提案もあった。】

  現在、協会のNPO法人申請中である。認可されると対外的な信用がつき町内外企業による賛助会員が期待できる。外部からの資金援助としては北海道文化財団、出光、朝日等の大口もあるかも。
  来年3月、町は協会に管理者を継続する意思の有無確認をする。町としては継続を希望しておりそのためにもNPO法人取得を要請しているようだ。協会が継続を希望しない場合、町は管理者公募に踏み切る。いなければ町の直営施設となり最悪の事態が予想される。もし休館の場合寄託作品の引き上げになるとその作品は戻ってくることはないだろう。また寄託者には休館に関わる経緯、今後の見通しについて責任者である町は一切説明しておらず、一部の寄託者から批判の声も上がっており、町はその対応に苦慮しているという。
  美術館としては、 19年度は何とか乗り切れそうだが、20年度以降はどうなるか皆目見当つかない。390万円の算出基礎は12、1、2、3月の4か月分人件費、事務消耗品費、電話代、除雪費の合計額である。

 この懇談会は管理者初指定の協会が抱えている諸問題が率直に語られボランティアの不安感もかなり解消し有意義だった。 また協会からの申し入れで今後もポプラの会と の話し合いを検討することになった。

O.Y

 

 
  Back Number-----
39号振興協会への期待・講座感想    
38号館長抱負を語る(指定管理制度)    
38号インターンシップ・講座感想3    
37号第3回ナイトオープン