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  グイン・サーガを初めて見たのは、今は無きパークの二階でだった。まだ二十巻くらいの頃で、既刊全てが平台に並べられていた。「豹頭の仮面」、「アルゴスの黒太子」等々、魅力的なタイトルと表紙絵。開いてみれば全百巻を謳う長い長い物語の予定、日本人の書いたファンタジーというのもかなり心をくすぐられた。しかし残念なことに子どもに買える巻数ではなかった。仕方がない、お金を貯めて少しずつ買うことにしよう。ところが類は友を簡単に呼ぶもので、ほどなくグイン・サーガ大好き!という先輩と出会った。彼女はグイン・サーガの普及に努めており、イシュトヴァーンに対する熱い思いを滔滔と語った後、既刊を全部貸してくれた。きっちりはまり込むまで時間はかからなかった。
  そのグイン・サーガの百巻目となる「豹頭王の試練」が刊行された。壮大な物語は百巻ではおさまらなかった。望むところだ。

 

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