己亥鉄道現況4

或る列車の製作過程のその後の紹介です。

室内の製作は形式図を基にし、写真を参考としましたが不明なところがあり
想像で作った部分もあります。


 
 床板、仕切、設備品はt0.3真鍮板を使用して製作し、半田付けの構成としました。


 
一等車の長手腰掛は二脚毎に床から肘掛を設け、
ここに腰掛をはめ込みました。
 


 
 二等車の腰掛は背もたれが低いタイプのため、一人掛、三人掛、長手腰掛ともカツミ製の
ロングシートを使用しました。


 
 一等車の腰掛も背もたれが低いタイプのため、市販の二人掛腰掛背もたれを切断して取り付けました。


 
中間部の腰掛(寝台)は枠を真鍮板で作り、カツミ製プラ椅子の袖を切り落としはめ込みました。 


 
 食卓の椅子は真鍮板を切り抜き曲げた構成で床に半田付けしました。
椅子とテーブルの脚の塗装は手塗りです。


 
 
 床はカーペットを想定し赤塗装としました。個室の仕切りは塗装後床にハンダで点付けしました。
給仕室(?)は構造不明のため設備は付けていません。


  展望室の椅子はニワ製のプラ椅子を
取り付けるつもりでしたが、幅が広く
収まらないため、t0.4mmの真鍮板を
曲げて作りました。 


 
  カラフルですが明治末期の落ち着いた室内塗色になったと思います。


 
 屋根板部はスエード調塗料ダークグレーを吹き付けました。換気扇、給水口は形式図
を参照して作りました。


 
 仕切り上部の長手に2本線を渡しチップLED(1608)による点灯を行いました。
3V以上で点灯します。 


 
 各車の点灯状況です。


 
 
 食堂車の昼間と夜間の点灯状況の比較です。夜間はステンドグラスが緑色に輝きます。


 
  ステンドグラスはキットに付属のディカールを一窓づつ切り抜き緑色アクリル板に貼り
窓にはめ込む構造です。郵便車の逓信省マークや車体標記文字も入っています。


実車の車体外部塗色は「瑠璃色」だったようですが、詳細は不明なためグリーンマックスの
青色20号を塗りました。塗装後の各車の姿です

 
二等車ブオロ1、実車に倣い白帯を入れました。 


 
 一等車ブオイ1、車体外観はブオロ1と同一です。


 
 
 食堂車ブオシ1


 
 
寝台車ブオネ1 


 
 
 展望車(社有車)ブトク1


 逓信省郵便車


 
キットに付属の台車は台車枠両端に制輪子が付いていましたが、感じが
よくないので
切断し、端梁を作りそれに自作の制輪子を付けました。 


 
 
  車体塗装は、この時代は漆塗りで黒色だったようなので、トップガード(黒色)を吹き付けました。
窓枠は薄茶に塗装後、車体にはめ込みました。特徴ある車体標記は付属のディカールを貼りました。


牽引機関車の製作
 或る列車の牽引機は8850が最適と思われますが、当鉄道の保有機は空制化後の姿であるため、
ふさわしくありません。時代考証的には少しずれますが、大正初期を想定し8620の原形を手持ちの
鉄道模型社製のエッチング板キットをベースに製作することにしました。


 
汽車会社製8620号機落成姿       汽車会社車両五十年誌
原形ではボイラ部の梯子がなく、テンダが8850タイプになっています。 


 
 キットはこの箱に入っているものが全てです。


 この種のキットを組むのは、900、5030、6760、8800に続き5作目です。
このキットのエッチング板のよいところは基本寸法がスケールに忠実だということです。
即ち、13mmで組む人に適していて、16番では車体幅で苦労すると思います。

今回は製作コストを抑えるためできる限り、付属のエッチング板やパーツを使用する
ことを心がけました。


 
  台枠やロッド類の入ったエッチング板はt0.8mmです。他の板はt0.4mmです。


 
 主台枠はt0.8mmでは弱いのでt0.4mmの真鍮板にハンダ付けして
t1.2mmとしました。軸受に外径φ6mmのミニベアを使用するため
それに合わせた軸穴幅としました。


 
 左右の主台枠板の位置を合わせるため、2枚重ねて2か所φ1.0mmの穴をあけ
φ1.0mmの真鍮線を通しました。


   
 モ−タが火室内に収まるよう第二動輪に吊り掛け式の検討
図です。時間短縮のため方眼紙にポンチ絵で最小限の図
で済ましています。CADは時間を要するのでやりません。
図により作ったギヤボックスに動輪とモータです。
オームギヤはキットの付属品です。 


  第一動輪の左右イコライザ―機構です。
上部の板を主台枠にハンダ付け、下部がイコライザ-です。
切り欠きは動輪に組み込んだミニチュアベアリングの脱出
防止策です。 


 
仮組の下回りです。動輪はキットのものを一度ばらし珊瑚製の13mm用
車軸に替えミニベアを入れあります。サイドロッドは動輪の位相確認の
ため三軸固定式でチェックです。第二、第三動輪間はイコライザが
ありますが、このロッドでは機能しません。位相チェックには三軸固定
ロッドが適しています。 


 
 イドロッドは関節を設けるため、切断しt0.3mmの洋白板を
裏打ちして
関節部を作りました。


 
 出来たサイドロッドです。


 
エッチング板を使用したバルブギヤです。 


 
 ボイラー部と煙室部の径が違うため、両者を別個に丸めます。


 
エッチング板から切り出したランボード、キャブ、端梁。
テンダー台車側板等です。キャブはS字タイプのものが
入っていたのでそれを使いました。 


 
 丸めたボイラーと歩板


 
 煙室扉をエッチング板から切り出します。


 
扉の裏をたたき曲面を出します。 


 
 切出した煙室扉です。


 
 最後にドリルレースで面を仕上げます。


 
 扉を開閉式にするためヒンジの芯合わせの状況です。


   
煙室扉ハンドルはパイプを輪切りにし、 に切った板と組み合わせて作りました。 


 
 キットのドームすそは平らなためパイプを当てて
ヤンキーバイスで締め込みボイラに沿うようにしましたが、
蒸気ドームはケガ大きく十分には沿いませんでした。


 
 前部デッキです。ねじ連結器は珊瑚製のロストです。 


 
 原形 テンダ側板と後妻板上部はフレア(ラッパ状)になっていますので
エッチング板側板上部を切り取り曲げた板を半田付けしました。


 
 キャブ及びテンダの手ブレーキ軸はφ2.4の丸棒から
ドリルレースで作りました。


 
 
 全体を仮に組んだところです。


 
エッチング板から切り出し赤塗装としました。 


 
 
 番号板を付けて塗装前の姿です。 


 
 本体を下から見た姿です。


 
 軸箱控えを外した状態です。
第3軸にサウンド用接点を組み込みました。


 
 動輪軸箱控えは軸ばね、ブレーキ梃子と一体にしました。


 
 キャブ下の真空ブレーキシリンダー


 
 テンダ前部です。 


 
テンダ台車はエッチング板をベースに作りました。 


 
 真空ブレーキ装置は9600の図面を参考にしました。


 
 SL-1用のスピーカーを搭載しました。


   ボイラバックプレートはウイストジャパン製を
付けました。

真空ブレーキ時代はキャブに助士席がなく
手ブレーキハンドルが設けられています。


 
 
 
塗装後の完成姿です。煙室は艶消し黒、他はトップガードの吹き付け塗装です。
前端梁は赤としました。
 


 
「或る列車」鉄橋通過中                             2019.5.22


 
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