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リビングのオーディオで聴く際に音量差をなるべく小さくするために、音量の小さな曲をプロパティ⇒オプション⇒音量調整(以下、プロパティ音量調整)で大きくして聴いている。
iPod touch(第4世代)64GB + ND-S1000 →同軸→ SA8004 → PMA-2000 → STUDIO 290
iPod touch(第4世代)64GB →USB→ SA8004 → PMA-2000 → STUDIO 290
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リビングのオーディオではちょうどいいのだが、カーステで聴くと最近の曲よりも音量がかなり大きくなりびっくりしてしまう。
かといってカーステ用に音量調整なしの新たなプレイリストを作るのも面倒くさい。
iPod nano(第6世代) ヘッドホン出力 →ミニプラグケーブル→ カーステ
iPod側のボリュームは全音量の約90%の位置(以下、iPod音量90%)にしていたので、試しにiPod側のボリュームを全音量の約50%の位置(以下、iPod音量50%)にしたところ、
リビング同様ちょうどよくなった。イメージとしては図のような感じだ。
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しかしこれで解決したわけではない。人の耳は小さな音には敏感に反応し、大きい音には鈍く反応するので、それを考慮して一般的なボリュームは図のAカーブを採用している。
Bカーブでは敏感な小音量時の微調整が難しいからだ。
FM CD演奏時にはAカーブのなだらかな領域を使用できるので問題ない。
しかしiPod音量50%だと音量が非常に小さいので、必然的にカーステのボリュームを多く回さないとまともに聴こえない。
するとAカーブの急峻な領域を使うことになるので、微調整が非常にシビアで使いにくい。しかもうっかりFMに切り替えようものなら大音量のFMが鳴り響く。
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これはもう、前回の改造
で「改善の余地」として残しておいた「Dockコネクタ(30ピン)を改造してライン出力を取り出す」をやるしかない。やってみないと結果は分からないが。
ダイソーからDockコネクタ関連の在庫がなくなってLightningコネクタに置き換わるのも時間の問題だろうと、買いだめしておいたケーブルを使用する。
左のコネクタは4箇所のツメでひっかけてあるだけなので簡単に分解できた。
右のコネクタはネット情報ではケーブルを押し込むと外れると書いてあったが、全然びくともしなかったので、白い樹脂部分を金ヤスリで削って分解した。
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分解してみて唖然。USB用ピンの穴しか開いていない!ネットで見た何年か前の工作記事では、ピンはなくても裏の穴はきちんと30個開いていたので、
いくつか分解してピンを移植すればOKと考えていたが甘かった。表は30個の溝があったので安心しきっていた。いつまでも手をつないでいられるような気がしていた♪ そんな感じだ。
さすがにこんな極小の穴を自作で開けるのはムリがある。
もし穴が開いていて画像の左から右に1~30まで番号を振ると、
2:AV GND 3:R+ 4:L+ 11:AUDIO_SW 15:GND 16:USB GND 21:付属品種別 23:5VDC+ 25:USB Data- 27:USB Data+ を使用する。
2・3・4はミニプラグ(RCAプラグ)に接続し、11・15を短絡(ショート)させると音声がライン出力される。
11・15を短絡(ショート)し21と68kΩ抵抗で接続すると、iPhone 3Gでエラー表示が出なくなる。
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千石電商オンラインショップでDockコネクタ(30ピン)を売っているが、送料込で1,000円弱かかる。くっそー、何年か前なら315円でできたのに~!とポチッとする決断ができない。
ここでポチッとすると、自作マニアとして負けた感じがする(誰に?)。
そんなこんなで優柔不断にネットを見ていると、PGA iPhone iPod対応 DOCK式充電スタンド 充電・同期可能 (ホワイト) RX-IPDOCKWH(画像の商品)を発見!送料込で591円。
以前からこんな感じのDockを1度は使ってみたいなぁと思っていたので、即行でポチッった。いやぁ Amazon は便利やね。
いちいちログインしなくていいし、しかも今回は「1-Clickで今すぐ買う」を試してみたら本当に1クリックでカード決済まで終わってるし、Amazon 恐るべし!
他社製品でもっと安いものもあったが、接触が悪い・すぐに壊れたなど惨たんたるカスタマーレビューだったので却下した。
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PGA iPhone iPod対応 DOCK式充電スタンド 充電・同期可能 (ホワイト) RX-IPDOCKWH
背面にLINE OUT端子・Dock端子があるので、自作よりもスマートに接続できる。
もし将来的に接触不良が発生し使えなくなっても、中身は簡単な作りのはずなので分解して修理すればずっと使えそう。
ピンの在庫は手元にたくさんあるので、穴さえ開いていれば何とかなる。
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早速、iPod nano(第6世代) + RX-IPDOCKWH ライン出力 →ミニプラグケーブル→ CDレシーバーCR-S1 で聴いてみた。
僅かなノイズが発生するとの記述が同製品黒色のカスタマーレビューにあったが、まったくノイズもなく音質も良い。パソコンからUSBで充電中でも同様だ。
挿したままiPod上部電源ボタンを押すと接続がぐらつくが、その際にもノイズはまったく出ない。
なおライン出力なのでiPod上部ボリュームボタンを操作しても、音量は一定のままだ。
ではそろそろ、プロパティ音量調整がどう出力されるか実験してみよう。同じ曲を プロパティ音量調整なし ・ +40% ・ +100% で聴き比べてみたところ、音量にまったく差がない。
つまりライン出力はプロパティ音量調整が無効ということだ。
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車に取り付けて聴いてみた。左画像はセンターコンソールを閉じた状態で下画像が開いた状態。
上段の灰皿トレーは横向きのままでは底面からの高さがあり、
コンソールふたがiPodに当たって閉まらないので縦向きに変更。このままではiPod画面が見えないので、操作時はDockごと持ち上げて画面を見る必要がある。
iPod nano(第6世代) + RX-IPDOCKWH ライン出力 →ミニプラグケーブル→ カーステ
プロパティ音量調整が無効なので、元の音量が小さな曲と大きな曲との差はもちろんそのまま残ったままではあるが、
これまでのように音量がいきなり大きくなることに比べればずいぶんとマシな差だ。びっくりすることなく、カーステ本体のボリュームで曲ごとに調整すればよい。
また幸いにもFMとの極端な音量差もないので、カーステのボリュームもFM同様にAカーブのなだらかな領域を使用でき、小音量時の微調整も楽だ。
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気になる音質は、ヘッドホン出力よりも音のひずみが減少し高音質になった。一般的にデジタルオーディオ機器は、
・デジタル信号⇒DAC⇒アナログ信号⇒オペアンプ →ライン出力
・デジタル信号⇒DAC⇒アナログ信号⇒ヘッドホンアンプ →ヘッドホン出力
となっていて、それぞれ受け側(接続先)に適した特性になっている。
試しにテスターで抵抗を測ってみた。
iPodをプレイ状態にしてミニプラグケーブルのGNDとL(またはR)との抵抗を測定。
・ライン出力: 約100Ω (iPod nano(第6世代) + RX-IPDOCKWH ライン出力 →ミニプラグケーブル)
・ヘッドホン出力: 約6Ω (iPod nano(第6世代) ヘッドホン出力 →ミニプラグケーブル)
抵抗値が違うことから推測するに、iPodの出力もそれぞれ受け側(接続先)に適した特性になっており、それが音質差として表れたのだろう。機器においても餅は餅屋ということだ。
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