Top Pageへ   前 Pageへ   
テープレコダーの電気回路をやさしく解説しています。 質問・要望は  koukouisao@yahoo.co.jp
(3)コンデンサーと抵抗
   (A)抵抗
      ・電気を流れにくくするものである。
      ・銅線は電気が流れやすい。=電気の通る管の径が太い。
      ・抵抗は電気が流れにくい。 =電気の通る管の径が細い
   (B)抵抗値の大きいものと小さいものとを比べてみると
      同じ量の電気を流す為には抵抗値の大きいほうが流れ難いので高い圧力をかけなければならない。
      (電気を流そうとする圧力を電圧と言う。)
      (流れる電気の量を電流と言う。)
     電気を水に例えて電気の流れを考えて見る。
電圧は電気を流そうとする圧力であるから、水でいえば水の圧力である。
水の圧力が強いというのは例えば水のタンクが山の上にあれば、山の高さが高い程水圧が強い。
→山の高さが電圧と言うことになる。
電流(電気の流れ)は水の流れと言うことになる。
1秒間に管を流れる量が電流(単位Aアンペアー)である。  
      同じ管の太さでも山の高いところから流れてくる場合の方が低い山から流れてくるより流れる量が大きい。
      (ただし管の長さは同じとする。)
      →電圧が高ければ同じ抵抗を通じて流れる電流も大きい。
      管の太い細いが抵抗値が小さい大きいと同じである。
              管の径が太い → 抵抗値が低い(小さい)
              管の径が細い → 抵抗値が高い(大きい)
   (C)オームの法則
      電圧、電流、抵抗の関係を整理してみると。
      流れる電流は電圧が大きいほど大きい。 → 電圧に比例
      流れる電流は抵抗が大きいほど小さい  → 抵抗に反比例

           I  (電流) = V (電圧) / R (抵抗)   オームの法則

           電流の単位  A  アンペアー
           電圧の単位  V  ボルト
           抵抗の単位  Ω  オーム

   (D)電気エネルギー
      水が管を流れていればこれを使って仕事が出来る。(例えば水車を回す)しかし、山の上の水が無くなって
      しまうと、管を水が流れないので仕事をすることが出来ない。
      山の上のタンクの中に入っている水の量が多ければ沢山の仕事ができる。又水の量が同じでも、山の高さが
      高ければ圧力が強く、より多くの仕事量ができる。電気で言うと1ヶの電気粒が出来る仕事量が大きいので
      仕事量が多くなる。

      仕事が出来る=エネルギーをもっている。
      エネルギー=仕事量=(山の高さ)X(管を通って流れた水の量)
                              ↓
                    V (電圧) X I (電流) X (時間秒)=W(ワット) X 時間(秒)
      W (ワット)とは 1秒間に消費されるエネルギー量である。
      1 Whr(ワットアワー)は 1秒間に1Wのエネルギーを消費する状態を1時間続けたときのエネルギー量である。
      アワーは時間(hour)の意味です。

      W (ワット)とは 1秒間に消費されるエネルギー量であるから

                    W (ワット) = V (電圧) X I (電流)

   (E) A アンペアーと言う単位
      電気の粒をある個数まとめてひとつの粒のかたまりと考えて(このひとかたまりの電気粒の電気量を測るのに「クーロン」
      という単位を使う)このかたまりが1ヶ分が1秒間に管を通して流れた時、1A(アンペアー)の電流が流れたと言う。
      (このひとかたまりは1クーロンという電気量を持つようにひとかたまりとする。)
      → 1秒間に1クーロンの電気粒が流れたとき1A流れたと呼んでいる。
      (電気粒のことを電荷と呼んでいる。)
      1クーロンの電荷が電圧Vの高さから管を通って流れた時の仕事量(エネルギー)は V となる。

   (F) コンデンサー
      コンデンサーは電気を蓄えるものである。(蓄電器と呼ばれたこともあった)
      ・蓄えられる電気の量はコンデンサーに加えられる電圧が大きいほど大きい。
      ・コンデンサーの容量(・・・pF とか μFの単位で表される.。コンデンサーにどれだけの電気を貯められるかを表す)が
       大きければ大きいほど蓄えられる電気量は大きい。(電圧が同一の場合)
    
     コンデンサーに電池を接続すると、その瞬間は電気が流れる
(コンデンサーは電気を蓄えるのでコンデンサーが一杯になるまでの間電気が流れる)。



次に電池を2ヶ直列にしてみると、又接続した瞬間に電流が流れる。
(コンデンサーに蓄えられる電気量は電圧が高い程多くなる。)



次に電池を1ヶに戻すと、コンデンサーに蓄えることが出来る電気量が少なくなるので
余った分の電気はコンデンサーから流れ出す。      この時の電流は上図とは逆方向になっている。(コンデンサーから流れ出す)  
     電池の代わりに プラス マイナス マイナス と電圧が交互にいつでも変化している電源
     を使用したら(音声信号とか、CR発信器からの信号)電圧がいつも動いているので、電流
     がコンデンサーに蓄えたり、放出したりすることになる。
     プラス→マイナス→プラスと交互に変化する電源(交流電源と呼ぶ)を で表すと。
左図で電流がコンデンサーに入ったりでたりする。
直列に接続された抵抗の両端には の信号が出てくる。
  →コンデンサーは変化する信号が通過出来ると考えてよい。
    コンデンサーは変化する信号を通過させるが、直流は通さない。
 

     コンデンサーに蓄えられる電気の量と電圧
     ・電圧が大きければ大きい程多くの電気を蓄えることが出来る。
     ・コンデンサーの容量が大きければ大きい程多くの電気と蓄えられる。

         (蓄えられる電荷)Q=C(コンデンサーの容量) X V(電圧)

          電荷の単位    (クーロン) [C]
          電圧         (ボルト) [V]
          コンデンサー容量 (ファラッド) [F]


    
    コンデンサーを交流電源に接続した時流れる電流を考えてみると、コンデンサーの容量が一定なら電圧Vは
    コンデンサーに蓄えられている電荷の量に比例する。→矢印方向に+に最も充電される時はa点であり、b
    点では蓄えられた電荷が全部外部に流れ出した時であり、又c点ではー電荷が最も充電された時である。
    (注:+とかーとは左上の図のコンデンサー平板の上側について述べたものである。)
    この様に電流波形は電圧波形に比べて1/4周期だけ進んだ位相で変化することになる。

    
左上図で信号の周波数と電流の関係
は左図に示される様に電圧はコンデンサ
ーに蓄えられる電荷量に比例するので周
波数が2倍(赤線で表示)になれば電流も
2倍となる。
すなはち、周波数が高ければ高い程電流
が大きくなる。
 

     もう少し詳しく電圧と電流の関係を調べてみよう。
    
左図でb〜cの間がプラス
の充電期間。斜線部
の電流がコンデンサーに
充電されその結果がc
点の電圧となり、c〜d
の間はb〜c間で充電し
た電荷を放電している
期間、dからe間はマイナス
充電期間
 

    cの時点での電圧を求めてみると (Q=CVの式に於いて)
    Q=斜線部の電荷量=I (1秒間の電荷量) x 1/f x 1/2π =CV
      (斜線部の面積)

    V = (1/2πf C) x I

    f :交流電源の周波数 Hz 又は c/s
    C:コンデンサー容量 F ファラッド
    I :電流 A アンペアー
:
    上の式を V=R I のオームの法則と比較してみると
    R → 1/2πf C 

    1/2πf Cが周波数 f の交流信号に対する電流の流れにくさを示す
    ものであり、インピーダンスと呼ぶ。
    コンデンサーのインピーダンスは周波数が高くなればなるほど小さくなる。
    インピーダンスの単位は抵抗と同じ Ω (オーム)である。


      次の Pageへ
                                          内容紹介以外の転載を許可していません。
Tape Recorder Page[コンデンサーと抵抗]