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10月15日(火)
いよいよパリへ。コリアンエアーで名古屋空港から9時30分出発。韓国の最新国際空港、仁川(インチョン)空港でトランジットして、シャルル・ド・ゴール空港に19時30分くらいに着。しかし11時間強のフライトは辛い。足がむくんでぱんぱんだぁ。 
ホテルまではタクシーで行くことにして乗り場へ向かう。パリのタクシーは住所を見せれば大丈夫、とどのガイドブックにも書いてある。確かにそうなのだ。パリの複雑な路をよくもまぁ覚えているものだ、「さすがプロ!」と感心はしたのだ。だがしかし! タクシーの運ちゃんはスピード狂だった…。鼻歌を歌いながら90km/hで車間距離10mほどってどうなの〜! そして追越しとパッシングの嵐…。寿命が三年ほど縮みました。なぜか自分のことをハシモトタクシーと言っていた、いかにもラテンなムッシュー。「パリのタクシーはクレイジーだろ」と言って陽気に笑ってたけど、くれぐれも事故は起こさないでね〜。 
そんな怒涛のタクシータイム(?)を経て、ホテル到着。今日はすることもないので、とっととお休みなさいと22時過ぎに就寝(笑)。 

10月16日(水)
この日はキーロフ・バレエパリ公演の初日。シャトレ座のHPによれば、初日は今をときめくワレリー・ゲルギエフ指揮(マリインスキー劇場芸術監督)である。この日のチケットはシャトレ座のHPから直にインターネットで購入した。しかし、ネット売り出し日を事前にチェックしていたにもかかわらず、出遅れてしまったため(というか時差がよくわからないというのもあった)あまり良い席は取れなかった。ランクとしてはネット売りされた席の一番悪いカテゴリーから一つだけましなカテゴリーの席で、値段はしかし非常に安かった。1枚20ユーロで、手数料を含めて22ユーロ。カード落としの換算レートを見ると、ちょうど安かったようで22ユーロ=2720円である。

 さて、15日夜にパリに入った私達は、16日の朝早速シャトレ座の場所を確認がてら、散歩をしてみた。天気は雨。シャトレ座はホテルから徒歩7分ほど。あれま、思ったより近かったのねと喜ぶ。この近さが結果的にどれほどよかったか、その時は知る由もないのだった(笑)。シャトレ座のガラスドアにはルジマトフの従来版の「バヤデルカ」ソロル(白のハーレムパンツのやつ、好き〜、でも客観的に見て写真映りが今一つ…)のポスターが貼られている。これは実はパリのいたる所に貼られていたのだ。昨日、ホテルに向うタクシーの窓からセーヌ河畔の道路の広告塔(というのかなんなのかわからないが)に貼られていたのも発見していた。しかし、何故にルジのソロル?ルジを使うなら少なくとも「シェヘラザード」の金の奴隷のポスターであるべきだ。だってルジは今回上演される復刻版「バヤデルカ」にはキャストされていないはずだから…(レパートリーになってないし)。これは結局おおいに疑問。シャトレ座に聞いてみたいものだ。(ってもしかして復刻版のソロルを踊るのかしら??でもさ〜、あれ衣装明らかに違うもんなあ)

ホテル近くのサントスタッシュ教会
左側が切れているのは修理中だった為です(言訳)
下に転がっている(置いてある)彫刻は携帯電話のCMに使われていたような

 ルジがフォーキン・プロに出演するかどうかについては、実はめちゃくちゃ直接的な質問メールをシャトレ座に随分前に送っていたわたしだった。(ルジマトフは「シェヘラザード」に出演しますか?と書いて送った)返事は出発日前日まで無しで、教えてくれないのか無視されたのか、もしくは私の英語が通じなかったのか、よくわからないけれど仕方ないなとあきらめていたのだが、出発日の朝メールチェックをしたら(かなり早朝)、なんと返事がきていて、彼は出演します、とのこと。いやはやとりあえずこの時点で一安心。そしてあれだけ、パリ中に彼のポスターをべたべた貼っておいて出ませんってことはなかろう、とは思うものの、キーロフのことだから、最後まで安心はできないと心しておくことも忘れなかった。

シャトレ劇場2階部分 ここも修理してます。真中に出張っている樹が恨めしい。
1階部分が写っていないのは街路樹と路駐車があった為です(言訳)
 さて、ネットでチケットを取ったはいいが、その引換えの仕方はよくわからない。ネット画面では開演の45分前までに引き換えるようにとあったが、色々と不安なのでポン・ヌフにある庶民派百貨店サマリテーヌ(Samaritaine)での買いだしのあともう一度シャトレ座に寄ることに。劇場を覗くと窓口が開いていて、お客さんがいるようだったので入ってみる。とりあえずなんでもいいので(っていうかわからないので)お客さんの列に並んで窓口の順番を待ちプリントアウトした予約完了したむねの紙を見せる。窓口のおねえさんは顔をしかめてその紙を見ていたが、ややあってインターネットか?と聞いた様なので、そうだ、と答えるとでは、夜7時に向こう側の窓口に行け、と今いる窓口と劇場正面に対して反対側の窓口を指して言われた。そうか、今すぐには券はもらえないのか、とわかってとりあえずその場を去る。 

7時と言われたけれどやっぱり色々不安なので、ちょっと早めに劇場に着く。中に入ると今日の演目のタイムテーブルが出ていたので見てみる。と、なーんと「ペトルーシュカ」45分、休憩20分、「シェヘラザード」42分、休憩20分、「薔薇の精」11分「ポロヴェッツ人の踊り」14分、休憩20分、「火の鳥」43分、終演時間23時50分となっている! なんだそりゃ〜、アンコールとか入れたら絶対24時過ぎるよこれは、とびっくり仰天。こんなてんこもりなプログラムを20時開演にするなんてどうかしてるっていうか演目多すぎ(いや、多くていいんだけどね)、とかいろいろ思ったが、私達は激近な場所にホテルを取ったツーリストなので、やっぱあそこのホテルで正解だったね、地元のバレエ・ファンはかわいそ〜だねとその時はまだ余裕をかましていた。しかしその余裕も終演予定の23時50分の時点でようやく「火の鳥」が始まった頃には無くなっていたけれども(笑)。
 肝心のチケット引き換えだが、7時(19時ですね)になってもいっこうに窓口が開く気配無し。そうこうするうちに劇場入口は人でごった返してきて、プログラムも売り出された。早速プログラムゲット(10ユーロ)。表紙はなんとポスターのルジ@白ソロル写真。うーむ、ここにもこれを使うか…。そしてようやく窓口が開いたのは19時半ぐらい。1時間弱待っていたことになる。すでにちょっと疲れている私達(笑)。プリントアウトした紙を窓口のおじさまに見せると封筒に入ったチケットが2枚さっと出てきた。おお〜、結構簡単なのね〜。わーい、これでやっと劇場内に入れるわ!と喜び勇んで劇場に。そしてそして一番気にかかる配役表を中で配っているおにいさんから、ドキドキしながらもらう。そしてドキドキしながらチェック…。「シェヘラザード」にマハリナ、ルジマトフの名前を確認してほーーーっと胸を撫で下ろす。あー、よかった。とりあえずこれで1日はルジが観られるんだわ。よかったよかったと思い席に着くことにする。 
席はCorbeille(うーん、発音がわからないよ〜、コルベーユかなあ?辞書を引くと舞台正面二階の特等席≠ニなっているが、20ユーロで特等席≠ナはもちろんありません)二階の上手寄りのかなり奥の席で馬蹄形劇場なので、舞台上手1/3ほどは観ることができない席である。それでも舞台との距離はそれほど遠くないような感じである。舞台緞帳はあのお馴染みのキーロフのである。果たしてこれがちゃんとしたもの(ってのも変だけど)なのか、ツアー用の簡易なものなのかわたしにはよくわからなかった。 
着席して舞台が始まるのをドキドキしながら待つ。20時を少し回ってからようやく指揮者が出てきたようで拍手が沸き起こる。残念ながらわたしの席から、指揮者の挨拶を見る事ができない。ゲルギー(って言うなよ〜、笑)の最初の挨拶姿が見られなかったのは、ちょっと残念だった。そして幕が上がった。
… 2002/10/26 …カオル

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