スン・コシ(黄金の川)を下って
                   6.

 ある晩、どこからともなく群がってきた子どもたちが私たちに民族舞踊を披露してくれた。日本の盆踊りのように太鼓のリズムに合わせて、短い単旋律の曲を際限なく繰り返し唄いながら踊る素朴な踊りである。私たちの中にも、踊りの輪に加わる者がいたりして踊りは深夜まで続いた。やがて彼らは太鼓を叩きながら帰って行ったが、その太鼓の音が谷また谷の彼方から時には大きく時には小さくこだまして、空が白むまで続いた。彼らにとって十四〜五キロの山道なぞは朝飯前なのだ。
 
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( 9) エッセイ