中1
とても優秀でした。
ほとんど100点でしたし、得意科目だという自信もありました。
この後に暗黒の時代が訪れるなんて、全く予想していませんでした。
皮肉なものです。
この妙な自信が過信を生み、対策を遅れさせることになります。
妙なプライドは捨てるのが良い。
中2
途中までは何も変わりません。
授業を受けるだけで、学習完了でした。
ところがある時から状況が一変します。
図形の証明で引っ掛かってしまったのです。
何だかすぐに理解できなかったので教師に質問してみたが、それまで極めて優秀だった生徒がこんな部
分で引っ掛かるはずがないという対応です。
質問には答えてもらえずに軽く笑ってかわされました。
それに対して、愚か者の当時の僕はそんなものかと思って疑問を解決することなく時間を過ごしました。
当然苦手分野だけが残りました。
他の分野は得意だから始末に終えません。
いつかできるんだろう、と妙な自信による根拠のない推測に基づき放置する。
悪循環です。
数学の成績は順調な下降を遂げました。
立派な苦手科目に成長して、足を引っ張ることになります。
中3
状態は中2から改善しません。
対策していないのだから当然です。
このままでは受験に支障が生じる。
そう思っても苦手分野に手が付かない。
苦手意識が定着して、学習に拒否感が生じていました。
できないものはできないので、仕方なく他の部分は絶対に間違えないようにすることを目標に学習。
よれよれで高校に合格することになります。
悪い結果が出ても全く不思議はない学力でした。
現在思い出しても冷や汗が出そうです。
中学総括
中2が全てでした。
あの段階で解決しておけば、きっと優秀なままでした。
対応の大きな遅れがこの後にもつながる苦痛を生みます。
鉄は熱いうちに打て、は名言だと思います。
苦手と感じたらすぐに対応。
鉄則でした。
高1の1学期〜夏休み
よれよれでも受験には成功したので、僕は油断していました。
入学早々大試練です。
テストがあったのですが、いきなり最悪の結果です。
400人弱の中、下に数名しかいません。
そこまで良い成績が取れるとは思っていませんでしたが、いくら何でもこれはあんまりです。昔は得意
科目だったのですから。
大ショックです。
その状態のまま、高校での授業が開始されます。
全くついていけません。
宿題も全然こなせません。
英語編でも書きましたが、あまりにも分からないと眠くなります。
いつしか、授業中は完全にお昼寝タイムになってしまいました。
ショックを受けたのに未だに対策を立てていない状況です。
そんなある日、学校で小テストが頻繁に行われるようになりました。
もちろん思わず笑ってしまうような点数連発です。
僕の担任は数学の先生だったのですが、そんな成績の僕を不憫に思ったのでしょうか、追試験を行って
くれました。
一定の成績に達するまで、何度も何度も。
最初の頃は、追試終了までに7〜8回必要とした記憶があります。
それでも先生は付き合ってくれました。
この経験は現在の僕の指導方針にも大きな影響を与えています。
決して見捨てない、あきらめない。
先生のやさしさに本当に助けられました。
毎日追試を受けている内に、自然に毎日の学習習慣が身に付いていました。
まだまだ時間は足りなかったが、これは大きかった。
次第に授業を聞くことができるようになっていきました。
そしてようやく成績を何とかしようと決意するに至ったのです。
さて何をするべきか。
材料は学校配布の教材でやはり充分らしい。
数学は他の科目よりもそこからは簡単でした。
比較的学習法が体系化されているからです。
ひたすら問題演習を行いました。
まだ学力が低かったので難しい問題は省略したりしながら。
すると定期テストで何とか単位が取れる程度の成績に到達しました。
さらに演習を重ねていきました。
すると偶然が起こりました。
ある模擬テストでその頃の自分の学力から判断するに奇跡的な成績を収めました。偏差値が70を
遥かに上回ったのです。
どう考えても偶然です。
解ける問題ばかり出題されたに過ぎません。
しかし気分がとても良い。
僕は単純な性格です。
勉強する気が漲ってきました。
期末試験の頃には、普通に平均程度の成績になっていました。
この勢いで夏休みに突入していくことになります。
夏休みもひたすら問題演習を繰り返しました。
結果が出ることに気分を良くしていたから継続できました。
この結果が出たことへの喜びは、他の科目の学習に対する意欲にも大きな影響を及ぼします。
1学期の数学の経験がなかったら、他の科目もどうにもならなかったかもしれない。そう感じます。
素晴らしい先生と偶然に助けられて次第に学習が良い方向に向かっていった。
そんな時期でした。
高1の2学期〜冬休み
成績は次第に向上しているが、まだ目標は定まっていない。
そんなある日のことです。
僕は分からない問題を職員室の担任に質問しに行きました。
質問終了後、彼がぼそっと呟きました。
「お前は成績はまだまだだけど、何と言うか、んー、センスがあるね。」
何、センスがあるだって!
軽い冗談半分の言葉だったのかもしれません。
しかしこの言葉は僕の胸に強く残りました。
その日、帰宅してからもずっと、反芻していました。
思い込んでしまいました。
僕にはセンスがある。
それまではまだまだ目標はそれほど高く設定することはなかったのですが、これをきっかけに変貌
しました。
目標、できるだけ一番上まで。
すると自分には足りない部分があるという自覚も強く芽生えてきました。
補うためにひたすら問題演習です。
あの一言をひたすら信じて。
僕はこつこつ努力するのがあまり得意な性格ではないのですが、センスがあると言われたら話は別です。
何しろ気分が良いですから。
こつこつを継続してこの時期は過ぎていきます。
高1の3学期
こつこつが結果をもたらし、模擬テストの成績が飛躍的に伸びました。
偏差値で70以上が珍しくない状態です。
急激に伸びたのは、まだ1年の時期にやる気になったのが大きかったと言えます。学習内容がもっと
増えてからではこんなに簡単にはいかなかったでしょう。
順調に学習が進み始めると数学は比較的楽です。
必要とされるのはより多くの問題に挑むことだからです。
楽をしないで徐々に難易度の高い問題に挑むようにすればそれで良い。
そして必要な問題を取捨選択するのは難しくない。
言い換えると、体系的な学習が容易に実行できるということです。
実際に僕が行ったのもそれだけです。
高2以降は特筆すべきこともなく、文系を志望したこともありますので省略します。
総括
僕の場合、上昇のきっかけは先生の言葉でした。
それにより、自信が生まれたからです。
「自信と継続」
体系的な学習が用意されている科目である数学には、これさえあれば充分です。
自信を持つきっかけを得るのが難しいかもしれません。
それなら思い込みでもかまいません。
学習したら、自信を持つ。
実際、僕自身が思い込みだったと思いますし。
思い込まなくても、きっかけはあるかもしれない。
自信を持つきっかけを探して、継続の力を得て、頑張って学習して欲しいと思います。
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