珍 魚 等 7

正に珍魚、フリソデウオ
田布施の西原さんが底引き網で漁獲。珍しい魚
が捕れたと、届けられた。感じから深海魚だろう。
 瀬戸内水研の重田です。
 同定したところ,フリソデウオ科のフリソデウオでした。
太平洋と大西洋の熱帯海域の,沖合中層に生息する魚
です。瀬戸内海では2例目の貴重な記録となります。日本
全体でも,とても珍しい魚(稀種)です。

 成魚は体長1mくらいになります。本個体は22.8cmでした
(尾鰭は欠けています)。体側には幼魚の特徴である円形
斑が散在すること,尾の長さが,幼魚と成魚の中間くらい
であること等より,本個体は未成魚と考えられます。
 瀬戸内海では,本種の近縁種は,ユキフリソデウオ,テン
ガイハタ,サケガシラ,リュウグウノツカイ等の採集記録があ
ります。みなタチウオのお化けのような姿の魚で,外洋の深
所に棲む稀種です。現在,外海(豊後水道)から瀬戸内海へ
扉が少し開いているのでしょう。
瀬戸内通信8号にも紹介されています。

単なる奇形
 
08年5月27日上関の飯田俊一さんが
建網で水揚げ、
瀬戸内水研の重田です。さて,昨日のカワハギの
件ですが,調べてみました。
 奇形のウマヅラハギ(カワハギ科)でした。尾柄
部がとても短くなっており,背鰭やしり鰭の後端
が,そこに食い込んでいます。通常は背鰭の軟条
数は36-40本,しり鰭の軟条数は33-37本ですが,
本標本はそれぞれ29本,30本でした。全長は
31cmで,相当,体が短くなっています。尾柄部の
骨の異常と考えられます。 本標本は♀で,卵巣
が肥大しており,産卵直前の状態でした。
 ハンディーキャップにもかかわらず,頑張って生
き抜いて来たのでしょう。


巨大ヘギ
上関町の飯田さんが桁こぎで漁獲ウッカリして裏側を撮影し
たため、種類が特定出来ないかも?
こんなに大きなのを見たのは初めて。瀬戸内水研の重田で
す。さて,HPの写真,見てみました。ヒラメ科のガンゾウビラ
メの仲間です。
写真で分かる範囲で種を同定するため,計数形質,計量形
質の分析をいろいろ試みました。しかし,同定できませんでし
た。ガンゾウビラメの仲間は数種おり,ほとんどが南方種です。
瀬戸内海で多獲されるのはタマガンゾウビラメで,広島県尾道
あたりでは「でべら干し」が有名です。本種は全長20cm位まで
です。他にはガンゾウビラメ, メガレイ,ヘラガンゾウビラメな
どがおり,これらは比較的大きくなります。
写真の個体のシリ鰭条数は56本前後ですから,タマガンゾウ
ビラメ,メガレイ,ヘラガンゾウビラメのうちのどれかと思いま
す。本個体の体長/体高,頭長/上顎長はタマガンゾウビラメ
と同等です。しかし,体長/頭長が大き過ぎます。ただ,これが
大きいのは,巨大個体ゆえかも知れません。タマガンゾウビラ
メだったとしたら,記録的な大きさです。標本が確保できなか
ったのが,とても残念です。

メアジ
熊毛郡上関町の小浜一也さんがたたき網で
漁獲現物を見るのは初めて。
瀬戸内水研の重田です。さて,6/27の魚の
件,調べてみました。
 同定したところ,アジ科のメアジでした。大
きな眼と,その表面を覆う厚い脂けん,体側
に黄帯を持つことが特徴です。沖縄などの
暖海域に生息する南方系の魚種です。瀬戸
内海では,周防灘,伊予灘,備後灘などで
記録があるようですが,山口県(瀬戸内)で
は,「希種」とされる珍しい魚です。

巨大アワビ
右上のアワビは長径16センチ重さ
590グラム3個で1500グラム
08年1月26日柳井市大畠の大岡
さんが磯で

1月に蛾
1月11日夜柳井魚市場の事務所
窓ガラスに1匹の蛾が留まっていた。
真冬に蛾なんて記憶にないので、
事務所内から撮影。時間は夜7時頃。

この時期にカレイが丸々
上関で水揚げされたカレイですが、
良く肥えています。
例年だとこの時期のカレイは骨と皮で
身は殆どありません。
上のカレイが550グラム34センチ
下が460グラム32センチです。
これは海水温が異常に高いためとしか思え
ません。
又ギザミが1月22日は平郡の中田さん2月
2日には周防大島町の西元さんが水揚げさ
れた。
2月にギザミは昨年からで以前は無かったと
思います。

特大クジメ
田布施の久保田さんが建網で漁獲。
07年2月10日の31センチ470グラムに
次ぐ
 瀬戸内水研の重田です。さて,5/29のア
イナメ類の件,調べてみました。
 体側の側線は1本ですので,クジメです。
クジメとしてはかなり大きなサイズで,丸々
と太っています。解剖したところ,♀で,腹
腔脂肪(いわゆる内蔵脂肪)をとても多く
蓄積していました。
 本種の産卵期は冬季で,体力回復のた
めに,餌をたくさん食べてきたのでしょう。


ミノカサゴ
田布施の西原さんが底引きで漁獲された
ミノカサゴ、一度に2匹は初めて
 瀬戸内水研の重田です。
 ともにお腹が膨れていましたが,開腹し
たところ,ほとんどは空気でした。
生殖腺はとても小さく,繁殖期ではないよ
うです。いくらか腹腔脂肪を貯めていまし
た。外海(豊後水道)から供給されたと考
えられます。黒潮からの働きかけがあった
ものとみられます。

瀬戸内海初、テンジクカレイ
上関町の難波さんが建網で獲られた「へぎ」、3月19日の物に比べ
ると目方も半分だが、今回は現物を確保し、写真も表から撮影。お
世話になっております。瀬戸内水研の重田です。テンジクガレイ(ヒ
ラメ科)でした。
 テンジクガレイはヒラメ科の魚です。ヒラメや,タマガンゾウビラメ(「
でべら干し」のでべら)の仲間です。熱帯・亜熱帯域に分布する南方
の魚です。 水深30m以浅の砂泥底や砂底に生息しています。
 瀬戸内海における記録は無く,今回が瀬戸内海初記録となりま
す。これまで,日本では10種,このうち,瀬戸内海では8種のヒラメ
科魚類の記録がありました。本種の確認により9種となりました。
 本種はタマガンゾウビラメと同属で,両者は外見もそっくりです。し
かし, タマガンゾウビラメは全長20cmまでしか大きくなりませんが,
テンジクガレイは全長35cmにもなります。「でべらの化け物」と言う
のがぴったりなイメージです。有眼側(いわゆる,「おもて」の方)の
斑紋も異なり,テンジクガレイには,体側中央に二つの黒斑がある
のが大きな特徴です。本個体は♂でした。
 全長30cmを超えるような「へぎ」は,珍しい南方種である可能性が
高く,また,タマガンゾウビラメ(でべら)であれば,記録的な大きさで
す。今回のテンジクガレイは♂でしたが,♀もいると思います。
瀬戸内通信9号で紹介されています。

カエルアンコウ
田布施町の新庄さんが建網で漁獲され、届
けられた「いざりうお」
瀬戸内水研の重田です。
 同定したところ,カエルアンコウ科のカエル
アンコウ(旧名;イザリウオ)です。南日本な
ど,東部太平洋を除く全世界の温・熱帯域に
分布し,瀬戸内海ではたまに獲れる珍しい
暖海性の魚種です。沿岸の砂底や砂泥底に
生息します。

ハリセンボン
田布施の新庄さんが7月9日頃建網で.。
瀬戸内水研の重田です。ハリセンボン科
のハリセンボンです。世界中の熱帯,温帯
域に分布し,瀬戸内海ではたまに獲れる珍
しい暖海性の魚種です。浅海のサンゴ礁や
岩礁域に生息します。
 黒潮流域では,2000年頃から沖縄や鹿児
島で本種の大量来遊が見られ始め, 2002
年には宇和海(豊後水道)に大量に来遊し,
巻き網をはじめ各種漁業への支障,はまち
など養殖魚の誤食による斃死が問題になり
ました。瀬戸内海では大量来遊は見られな
いようです。

タカノハ
柳井市阿月の坂井さんがゴチ網で漁獲されたタ
カノハこれだけ肥えたのは珍しい。
 瀬戸内水研の重田です。
 同定したところ,タカノハダイ科のユウダチタカ
ノハでした。日本にはタカノハダイ科魚類は3種
(本種と,タカノハダイ,ミギマキ)います。いずれ
も比較的暖かい海域に生息し,瀬戸内海では少
ない魚種とされます。
 解剖したところ,♀で,卵巣は発達していませ
んでした。腹腔には脂肪を多く蓄えており,よく
太った状態でした。冬季に周防大島南部で幼魚
を採集したことがあり,本種の繁殖期は秋季のよ
うです。本個体は,秋の産卵に備えて, 栄養をた
くさん蓄積中だったのでしょう。

最近の異常気象は深刻な被害をもたらしていますが、
温暖化が原因です

地球温暖化の影響で南方魚の漁獲が目立ってきました。
口のきけない魚類は既に十数年前から北への移動で人類に警告を発していました。

このまま対策を怠ると自然災害だけでなく食糧不足にも益々拍車が掛かります。
今こそ1人1人が環境対策に真剣に取り組む必要があります。

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春から珍客 瀬戸内海初?
柳井市平郡西の中村さんが底引き網で漁獲。
この時期に天然のウナギにお目にかかるのは初めて。
瀬戸内水研の重田さんの報告抜粋
さて,1/8のウナギですが,調べたところ,体側は黒黄金
色,腹部は灰白色となった銀毛ウナギでした。よく見ると
眼径も大きくなっていました。銀というよりも黒黄金のウ
ナギです。

産卵直前の親ウナギはまだ採集されていませんし,日本
沿岸から遠い産卵場へ向かう経路も全く分かっていませ
ん。これほど私たちの身近な魚でも,よく分かっていない
ことがたくさんあります。
 降りウナギは餌を食べないらしく,なかなか獲れません。
水深のある海域で銀毛ウナギが獲れるのはとても珍しく,
瀬戸内海では初めてではないかと思います。瀬戸内海周
辺では,1989年12月に宮崎市沖の日向灘(水深30m)で,
降りウナギ1個体が採集されたことがあります。日本全体
でも数十例しかないと思います。