惜 別

納骨式
4/9納骨式(室蘭・望洋台墓地)

Sr.ヨハネ久保燿子

 修友との別れは遠い先のことのように思っていましたが、いつの間にか私たちは高齢期に入り、神のみ許に旅立つ日を身近に感じるようになりました。

 Sr.ホスチア松本は、Sr.マリアベダ岡と私と共に同期生として入会し、「子よ、心の耳を傾けよ…」との戒律の呼びかけに天国の宝を見つけた者のような喜びに満たされて、お互いの弱さを支えあいながら姉妹愛を深めつつ50年が経ちました。

 Sr.ホスチアは聖母と同じ誕生日に北朝鮮で生まれ、凍りついた鴨緑江でスケートを楽しんで鍛えた身体は、結核で7本の肋骨を失い片肺になっても身が軽く、多くの苦しみを背負いながら頂いた命を謳歌する姿には頭の下がる思いをしたことが度々ありました。

 入会した当時は、アメリカ人のシスター達も多く、祝日には修練者の余興を楽しまれ、ある祝日、私たちは「白鳥の湖」を踊ることに決め、ノビスの白べールに白いネグリジェ、シーツを腰にまとって白い運動靴を履き、衣装を整え、さわりの場面を曲に合わせて腕を組み、優雅に踊りだしました。
 ところが、最後の見せ場で大柄なSr.マリアベダが飛び上がり、華奢なSr.ホスチアと私が支えたので、Sr.マリアベダはドタン!(私は反射的に目をつむりましたが)Sr.マリアベダは上手に両足で立ち、三羽の美しい白鳥は深々と頭を下げ幕となりましたが、皆は大爆笑。
 今もこの本院初演の話は語り草となっています。

 私たちは有期誓願後、Sr.ホスチアは高校事務室勤務、Sr.マリアベダは勉学のため東京へ、私は夕張保育園へ派遣されましたが、先輩のシスターたちのおおらかな愛に包まれた養成のこの時期を懐かしく思い出します。

 Sr.ホスチアが捧げた一生を顧みる時、神様のお働きの軌跡を感じます。
永遠の安らぎへと導かれる希望の主イエス・キリストに賛美と祈りを心から捧げます。