院長ご挨拶

雪解けの遅かった北海道も花の盛りとなり、吹く風が心地よく、さわやかな季節を迎えております。
いつもたくさんのお祈りを捧げてくださりありがとうございます。

共同体では今年2月8日、Sr.ホスチア松本を天国に見送りました。
シスターと交わした最期の言葉は、「今度、また会いましょう。」でした。
シスターが、天国で皆様と共同体の為にお祈りを取り次いでいることを信じております。

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちのどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光をあびているほうがいい・・・

 大正15年生まれの吉野弘さんの詩です。
 祝婚歌と題が付いて、結婚生活を送る2人の門出に贈る詩なのでしょう。

 不思議にも修道生活にもあてはまると思います。
この詩と偶然に出会い、味わって、このように生きていない私に気付かされ、私もこんなふうに生きられたらいいなあと思っています。
ともに暮らす人の中に、毎日出会う人の中にこそ神様を見なくてはと。
理屈ではわかっていても、実生活では、自分の思いを通したい欲求が人と人との間を難しくし、相手の欠点や弱さの方を見てしまいがちなものです。
 さあ、神様からいただくこの1日を大切に、み旨に添うように生きてゆきたいものです。

院長 シスターマルタ 上田 若子

花の写真