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カラスは秋から冬に掛けて「塒(ねぐら)」を形成するようになる。塒は都心部の林や山林沿いの斜面など季節により変化する。

札幌の場合は春〜秋にも塒が形成されるがこれら秋冬塒と異なる場合が多いが同じ場合もある。カラスの塒は変動が大きいと思ったほうが良いだろう。縄張りを持つカラスは春から夏の繁殖期には塒へは行かない。この時期の塒を利用するのは縄張りを持っていない若いカラス達である。

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カラスが塒へ向かうのは通常日没前前約2時間前が多いが天候によって前後する事が多い。夕方近くになるとカラスが同じ方向へ飛んで行くのを見た事があると思う。これが「塒飛行」である。しかし一気に塒に入る訳ではなくて途中で採食場や水浴び場へ立ち寄る場合がある。牧場や収穫後の畑などには集まりやすい。

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塒近くのビルや電線にもたくさんのカラスが集まる。これらを「就塒前集合(しゅうじぜんしゅうごう)」と呼ぶ。特にブトがいると声が大きくて響くのでずいぶんとたくさんいるように思われるが実際にはそんなにいないのが現状だろう。あとカラスは何度か一斉に飛び出して「大旋回」をする。この光景は壮観だと言える。でもカラス嫌いな人に言わせると「気持ち悪い」らしい。

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塒を壊そうと躍起になっている自治体も多いがはっきり言って習性なので止めさせようとしても無駄である。しかしその手法はいろいろとある。たとえば「懐中電灯のような光を照らす」「花火を鳴らす」ということである。あとここ数年鷹匠による追い払いが流行しているようだがやはり一時去るだけでまた戻ってきているようである。私が思うにわざわざ山などにある塒を壊して中心街などに集結させる方がお粗末だ。実際にそうなってしまいどうにもならなくなっている場所もある。



先にも述べたが習性そのものを止めさせるなんて無理である。カラスがたくさん集まれば糞も大量に排泄されるのは間違いない。しかし余計な手出しをしてカラスを興奮させて下痢状の糞をまき散らすのでかえって酷い状態になる。
カラスの塒は時期が来たら羽数が減るし解散する場合だってあるし静観する余裕が欲しいと思う。