桃の節句を迎えた。雛祭りの原型は流し雛。川で身を清めて邪気をはらう中国の習慣が日本に取り入れられ、日本では紙でつくった人形にけがれを移し、川や海に流して邪気をはらうようになった。今年はこの流し雛のように花凪家族が折り紙でつくった雛人形を飾り、花凪家族の今年1年の健康、平穏を願った。
勤医協札幌西区病院倫理委員会の第4回委員会が行われ、副理事長が出席(代理)した。第4回委員会は、がん患者への告知問題をテーマに意見交換会(公開)の形で開催。告知の是非、在り方などについて病院スタッフが話し合った。その内容もさることながら「医療の独善に陥らない」「一市民として考える」「外部の人の声を聞く」を前提に行った姿勢が新鮮だった。加藤源重さんの講演(札幌市社会福祉協議会主催)を聴いた。加藤さんは、56歳のときに利き腕の右手の指を親指の付け根を残してすべて失った。その右手を補う自助具を考案し、製作。以後、障害者に自助具を提供する活動を行い、それらは発明品として数々の賞を受け、"三河のエジソン"と呼ばれる。現在、70歳にして工房を運営し、その人生と活躍ぶりはメディアに取り上げられ続けている。加藤さんは「手に障害を持って、価値ある人生を得た。私の右手は宝物」「やる気があれば、必ずなんとかなる」…。語った言葉は聴く人の背中を押した。
NHK教育テレビの保高ディレクターから電話がある。NHKの高知局で「我が家は高齢者下宿 笑いとケンカで効果あり」(1月23日、全国放送)を再放送したいとの要請があったという。同県内で再び花凪の取り組みが紹介されることになった。
4月に味わうための、春到来に乾杯するための自ビールを仕込んだ。題して「06年自ビールづくりプロジェクト第1弾"うれしい春のために"」昨年のプロジェクトメンバー2名に新たに2名が参加した。最初につくり方、用具、ポイントなどを確認し合い、本番へ。仕込み作業の第1工程−モルト(今回は「プレミアムピルスナー」)を25℃・30リットルに調整し、酵母を入れて発酵状態にするまでを行った。初参加者は、「これで本当にビールが…」の声。
網走の津別から町役場の山田英孝さんが来花した。所用で来札のついでにだが、遠くからはるばると。理事長の十勝時代の社会福祉士仲間で、再会と視察のために訪れた。花凪の取り組みに賛同し、会員となっていただく。
新しい介護専門誌「ほっかいどうの介護」(隔月刊、セサンパ印刷発行)の取材を受ける。同誌は、「道内の介護の動向、国の動き、事業所の取り組み、利用者の声などをわかりやすく発信」「介護される人と介護する人の橋渡し役となる」を誌面づくりの柱とし、4月末の創刊を目指すという。取材は花凪の介護に対する考え方、実践、運営、今後の展開などに及んだ。
日本福祉介護教育センターのヘルパー実習生受け入れ。
第1回「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」準備委開く。「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」は、「お年寄りに働くという生き甲斐をもって暮らしてもらう」「いつでも気軽に楽しみに立ち寄ってもらう」「お年寄りの集う場を増やす」ことに主眼に置いた多機能施設兼店舗。高齢者雇用とミニデイ、そして販売等事業を展開する。花凪はお年寄りが元気でいるために必要なサービスをつくってきたが、それをまた一つ形にする。高齢化が進む一方、今回の介護保険の改正で介護サービスを利用できる人が限られることなども踏まえた。店舗内容は盛りだくさん。地域の充実・活性が「花凪屋」のもう一つの狙いで、いわばデパートのようにさまざまなコミュニティサービスを提供し、いわば市場のようにさまざまな人が来て交わる場にしていく。準備委では、こうした「花凪屋」の基本内容を確認した。
06年自ビールづくりプロジェクト第1弾「うれしい春のために」の第2段階、瓶詰め作業を行う。仕込んで一週間を経たモルトの状態は良好。すでに香りはビール。参加者一同、「飲みたい」を我慢しながら用具、ビール瓶の消毒など準備を進め、中瓶30数本に詰めた。順調に作業を終えて、みんなの気持ちの向く先はビールが飲みごろになるころ、春が本番になっているころ。
春分の日。伝統や季節行事はとても大事。みんなで牡丹餅(ぼたもち)をつくった。小豆の赤色には災いを近づけない力があるとか。花凪家族のみんなの無病息災を願った。
花凪にかかわる人の一人、中森真子さんはソイ・ミート(乾燥大豆たんぱく食材)などの普及・販売(中一素食店札幌)に取り組んでいる。花凪の食材の一つとしてそれを使うことにし、この日調理講習会を行った。いずれ、ソイ・ミートでの料理自慢大会などを楽しんだりする。
日本福祉介護教育センターのヘルパー実習生受け入れ。
「あみゅぜコンサート&今日だけ酒場」開く。「月がとっても青いから」「鈴懸けの道」「リンゴの歌」「蛍の光」「翼をください」「埴生の宿」「グリーンスリーブス」…。この日の「あみゅぜ」は春を扱った歌のほか、懐かしい歌・曲を披露した。「蛍の光」の歌詞を用意してきて、みんなで歌うと、それで火がついたのか、花凪家族が歌い続ける一夜となった。みんな昔の歌は良くしっていて、「翼をください」まで知っていたりして、歌い終わるといい顔が残った。「モーニング娘」に対を張り、「イブニング娘」を結成することに。
スタッフ研修会を開く。今回の研修内容は「緊急時の対応」。講師は花凪応援団の一人、看護士の真鍋智美さん。起こっていることの把握、判断すべきこと(安静にさせるのか、主治医・家族への連絡)、応急処置(骨折、脳出血、てんかん、誤飲)、心臓マッサージの方法などについて学んだ。大前提として冷静になること、普段からその人の健康に留意することなどを学んだ。
第2回「地域密着型ホームヘルパー2級養成研修」を開講した。花凪の同養成研修は、高齢化社会には地域の福祉力、福祉を理解する人材が欠かせないことから"地域の人が地域を支える", "少人数学習で質の高いヘルパーを養成する"を主眼に行うもの。日本福祉介護教育センターの協力を得て、昨年秋にスタートさせた。第1回研修では3人が受講。第2回は平和、福井、盤渓などから5人(女性4人、男性1人)が受講した。5月17日まで15日間で全カリキュラムを終え(週2−3日、1日2−3時間)、5月中に現場実習(4日間)にも入る予定。この日は開講オリエンテーションと「職業倫理」の講義が行われた。次回から「レクリエーション体験学習」「共感的理解と基本的態度」…と進んでいくが、実践に裏打ちされた理事長の講義、少人数によるゼミ形式で、その内容は濃い。
「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」の出店場所を平和2条7丁目の和興一ビル1階(2号館から平和奧へ車で数十秒、本通沿い左側)に決め、契約を済ませた。62・7坪の広さがあり、余裕をもってたくさんのことができる。5月1日オープン−を掲げ、4月はオープン準備に全力を挙げる。
※3月は「弥生」−「草木弥や生える」と言うが、本当にそうだ。北海道の3月は梅や桜の花とは無縁だが、雪が消えたあちこちに草や花の芽が緑の姿を現し、もう春がそこに来ていることをちゃんと教えてくれている。厳しい冬は終わり、うれしい春へ。白い日々は終わり、色とりどりの日々へ。
生け花(池坊)やリースづくりなどの先生、小堀ひろみさんが来花。新たに生け花教室を月に1度開いていただく話がまとまる。場所は生き甲斐、楽しさを提供する「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」で。花凪屋にはいろんな人の参加を得て、いろんなことを盛り込んでいく。
札幌福祉専門学校の赤坂先生ら来花。新しい試みとして1年を通じて生徒が花凪で福祉の実際を学ぶ実習授業を新年度から実施することが決まる。お年寄り1人に生徒1人がつくマンツーマン方式で行い、深く広く従来の授業や実習で得られないものを学ぶ。「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」もまた実習場所になる。
札幌工業高校放送局がテレビ番組の制作で来花し、玲会員が取材を受けた。NHKが「NHK杯全国高校放送コンテスト」を実施しているが、同校は玲会員の話で番組をつくり、同コンテスト(5月上旬、石狩地区大会)に参加したいのだという。制作する番組は、「蓄積される心(仮題)」。若い世代は人との触れあいを疎かにしていることがテーマ。花凪で高齢者や障害者らたくさんの人とかかわっている高校生の玲会員を通じて、人のつながりの大事さを訴えたいのだという。花凪がいろんなふうに注目されていることに驚く。
1号館で「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」第2回準備委員会開く。第2回は委員10人が出席。出店場所(平和2条7丁目、和興一ビル1階)が決まったことを踏まえ、5月1日オープンを目指すこと、オープンまでの段取り、店舗内容、高齢者・障害者雇用基金の設置による運営、一口千円のサポーター制度による資金支援などを確認した。店舗内容についてはさらに人脈、情報、アイデアを生かして盛りだくさんにすることにし、サポーター集めはすぐ行動に移すこととした。
NHK教育テレビの保高隆之ディレクターから打診がある。認知症のお年寄りは認知症について自覚しているか。今度はそんなテーマの番組を企画しており、制作の際は花凪を取材したい−という。「我が家は高齢者下宿 笑いとケンカで効果あり」(1月23日、NHK教育テレビ放送)の主役の花凪家族がまた活躍か。「我が家は高齢者下宿 笑いとケンカで効果あり」といえば、放映の反響はまだあり、宮崎県の日南市からも番組を見ての電話があった。経営するレストランをお年寄りのための場所につくりかえるが、花凪にいろいろ教えてほしい、協力してほしいという。その方は70代。その年齢にしてなお前進しようということにこちらも元気づけられる。
4月の職員研修会開く。医療法人渓仁会在宅ケア事業推進部の奥田龍人さん(北海道社会福祉士会会長、花凪会員)を講師に改正された介護保険について学んだ。内容は要介護区分の見直し、要支援者対象新予防給付や地域密着型サービスの創設、地域支援事業の実施など大きく変わった。きちんとを理解したいと、スタッフ以外の方も参加した。奥田講師は、変更内容のポイントを説明。変更によって事業所やヘルパーが留意すべき点、どう対応すべきかという点も示してくれた。
ニセコで介護サービス事業を行っている方が来花す。サービスの新しい展開を考えており、アドバイスなど−をとのこと。話は、花凪の理念「なりたい自分になる」−「自分のためにやる、自分が楽しいと思えることをやらなければ本当のものには…」にいきつく。
福井四丁目町内会の18年度総会があり、副理事長が出席す。花凪3号館が同町内にあり、福井四丁目町内会と連携している。福井四丁目町内会は、2年前に小さな組織で細やかな地域活動を−と発足した。住みやすい地域をつくるという熱意は3年目に入っても変わらず、総会も盛り上がった。今年の花凪との連携も楽しみ。
「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」の第3回準備委員会を1号館で開く。この日は出店内容や現在の準備状況、サポーター基金の募集状況、新たな参加者などについて確認した。参加者では西野在住のプロの版画家が登場。花凪屋を彩るためと販売を兼ね、作品を展示していただけることになった。円山の静明館デイサービスも参加の方向となった。また、取り組むべき点、留意すべき点として「子供のために駄菓子屋を」「貸本は魅力的」「喫茶・食事ではこの一品を生み出すこと」などを得た。
春の自ビールを楽しむ会&今日だけ酒場を開く。冬の終わりに仕込んだ自ビールも春を喜び、飲みごろになってこの日を待っていた。自ビールで自ビールに乾杯し、来た春に乾杯し、喉で春を味わった。お客は、自ビールづくりに参加した人のほか5人。自ビールが初めての人は、その味に感動す。持ち寄ったビールのラベルも春をテーマにつくられ、目でも春を味わった。次回の自ビールプロジェクトは、陽がいっぱいの6月の緑の芝生の上で飲むのを目指して動く。
札幌工業高校放送局が花凪の世界と玲会員にカメラを向けて「NHK杯全国高校放送コンテスト」に出品する映像作品「蓄積される心(仮題)」をつくっているが、春の自ビールを楽しむ会&今日だけ酒場の様子を取材した。この春花凪入りの新スタッフがインタビューされて「世界一のヘルパーになります」と言ったという。頼もしい。
オープンまであと1週間。「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」開店へ準備の日々が続く。店内は工事、運び入れた荷物などでまだ混沌としているが、スタッフ一同、花凪屋に笑顔が並ぶ日を楽しみにしながら頑張っている。
今月下旬は、スタッフと花凪応援団一同、「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」開店(5月1日)に向けて大奮闘の日々となった。それぞれの仕事をこなしながら、夜遅くまで店づくりに頑張り、開店態勢を整えた。ちゃんと店という感じなって、興味深々の通りかかった人が立ち寄ったり、子供たちが入り込んで面白がったり…。いよいよ明日オープンという準備最後の日、そんなことが起きた。「花凪屋」という取り組みはきっと地域に受け入れられるはずとして立ち上げ、そのことに胸を膨らませているが、5月1日からいよいよ第一歩を。
※ここ札幌の今年の桜の開花予想は"5月6日"だという。幾日かずれ込んでも、何処かにある花のスイッチが押されて花の5月、春らしい春が始まる。1月は1年のスタートであるが、4月もそうだし、北海道では5月もまたスタートの月だと思う。楽しむべきことが増える。花凪ではすべきことも増えるものの、喜ぶのみ。