3月3日は、桃の節句。五段のひな人形を飾る花凪屋で、ひな祭りの昼食会をした。「歳月は雛のうしろに置いてある」(木村小夜子)という俳句がある。一同、子供の心になって楽しんだ。そして、子供が無事に元気に育つことを願うのが桃の節句だが、花凪家族も元気に育って70歳、80歳を超える今をすごす。そのことをたたえつつ、花凪家族がこれからも健やかな日々を送ることを願い合った。
いろんなところへ行こうと、花凪はお出かけ事業に力を入れている。この日、「吉村作治の早大エジプト発掘40年展」(道立近代美術館)に行った。同展は、早大古代エジプト調査隊の成果を紹介するもの。違いは車やパソコンがあるかないか—今とそう変わらぬ遠い時代の人間の営みに触れてきた。混んで、入場は順番待ち。日本はこんな場でもまだまだ高齢者や障がい者にやさしくないが、頑張って見た。
花凪スタッフの鈴木千絵嬢が英国人男性グラハムと人生を共に歩むことにした。この二人の結婚式が「ヒルサイドクラブ迎賓館」で行われ、スタッフ、花凪家族、そのまた家族も出席し、みんなで二人を祝福した。みんなでうれしいことを共有し、すてきな時間をすごした。二人を前にした花凪家族の笑顔が最高だった。人はいつになっても人の中で暮らし、人とかかわり、人とつながり、いつまでも楽しんだり、楽しませたり、与えたり、与えられたり、感謝したり、感謝されたり…。それが人として一番なのだ。花凪家族にも祝福を望み、その笑顔に喜んだ二人の笑顔も最高だった。
盛岡でグループホームを運営する夫妻が遠路はるばる花凪を訪れた。2月にNHK教育テレビ・ETVワイド特集「認知症 あなたも納得!」が放映された。これからの運営を模索しているところに花凪下宿の場面を見て、参考にしたいとのことだった。少し前にも高齢者下宿を運営する人から同番組を見たとの電話があり、後日来花する。
花凪家族のYさん、Sさんの合同誕生会を開いた。Yさんはこの3月で73歳となり、Sさんは90歳に。それぞれに特注のケーキを用意し、花を贈り、みんなで食事をしながら2人を祝った。人生は常に現在進行形。73歳も90歳もまだ通過点。ずっと元気ですごしていって—と、みんなで2人にエールも送った。
ばりあふりーしょっぷ花凪屋で3月のバリアフリー居酒屋「今日だけ酒場」を開く。高校生2人が4月から進学のため花凪屋のアルバイトを辞める。その2人のごくろうさん会を兼ねた。これまでのように顔を合わすことができなくなるのは寂しいことだが、2人の旅立ちを祝して花凪らしく楽しく杯を交わした。「学校では学べないことを学べた。楽しかった。」「人ってみんな同じ。花凪ですごせて良かった」は2人の言葉。お客さんの中に沖縄民謡をやる夫妻がいて、後半は夫妻のライブとなった。楽しい沖縄民謡は気持ちも体も踊らせてくれる。居酒屋は大盛上がりした。
【3月のばりあふりーしょっぷ花凪屋】人は春に新しい気持ちを膨らませる。春が近づいて、花凪屋では春用の衣類や気分替えのための食器や家具などが売れた。売り上げ好調ということもうれしいけれど、春近し、にお客さんの顔が柔らかになっているのがうれしい3月だった。春本番の4月は、桜を咲かせたようなお客さんの顔を見るのが楽しみだ。
※鈴木スタッフの結婚、Yさんの90歳などと花凪の一員に人生のめでたき節目を迎えることがあった3月だった。それを本当の家族のように共に喜び合えることはとてもうれしいことだ。むろん、日々の小さなことでも。春がやってくる4月は、まず春を思い切り喜び合いたい。※
4月のお出かけ事業は、絵を見に行こう—だった。大丸札幌店の「ヨーロッパ絵画名画展」に行った。同展は、山寺・後藤美術館所蔵のロココやバルビゾン派の作品70点余を紹介する絵画展。詳しいことはわからなくても感動すればいいのが絵で、みんなそれぞれの目で絵を楽しんだ。お出かけのお楽しみはもう一つあり、大丸内の喫茶店でお茶のひとときをすごした。
Dさん、Kさん、Mさんの誕生会を行った。みんな、命が芽吹く春到来の4月に生まれ、しっかり命を咲かせてきた人たちだ。ばりやふりーしょっぷ花凪屋で飲めや歌えのお祝いをした。Dさんは88歳、Kさんは88歳、Mさんは80歳に。みんな、末広がりの〝八〟が輝く。3人の元気が周囲を励ましてくれてきたことを感謝しつつ、それぞれのより元気なこれからを祈った。
ばりやふりーしょっぷ花凪屋で「ヘルシー・クッキング教室」を開いた。「ハーモニー・ガーデン 大地のたより」協力の野菜とべジミート(大豆肉など)でつくる料理教室の第3弾で、今回は男性向けがテーマ。調理メニューはいろいろな風味のタレで楽しむべジミートのバーベキュー、ラタトゥイユ風のトマトスープ、エスニックサラダ。花凪スタッフの男性陣が参加し、楽しくつくった。もちろん、できあがった後はビールを傾けながら味わうことを楽しんだ。
発寒川河川敷公園に花見に行った。早い春の訪れを喜ぶのは人だけでなく、草木たちも同じで、桜も例年になく4月のうちに咲いた。月末になって曇りの日が続き、この日もそうだったが、桜は見事な花を輝かせて待っていた。ここの公園には梅もたくさん植えられ、梅の見事な花も待っていた。のんびりと緑の芝生の上で花に囲まれ、春の風に吹かれ、気持ちいいと思い、みんなでお弁当を食べる。それだけで十分な春の昼下がりを楽しんだ。
【4月のばりあふりーしょっぷ花凪屋】春が来た。季節が一回りして、またやってきた。だが、同じ春ではない。お客さんとの会話の「春ですね」も違う。季節が一回りの間に付き合いが深まって、昨年と同じ「春ですね」ではない。うれしいことだ。5月から花凪屋は3年目に入るが、その3年目はどこまで付き合いが深まるか。楽しみなことだ。
※元気な太陽が戻ってきた。花凪の庭でもクロッカスが花を、ヒヤシンスやスイセン、チューリップが芽や葉を輝かせた。花凪家族も顔を輝かせた。冬の間も外出の日々だが、これからはコートを脱いで身軽に気軽に外出を楽しめる。5月、6月、7月とそこには心弾むことが待っている。※