花凪日誌

2008年5月1日

ばりあふりーしょっぷ花凪屋がオープンして2周年を迎え、記念セールを1—3日の3日間行った。これまでのお客さんへの感謝、より喜ばれる花凪屋になる決意を込めて行った。セールの間のお客さんは2周年に「おめでとう」、これからに「頑張って」…。うれしいことに、こちらの感謝に応援の言葉が返ってきた。振り返れば、花凪屋は、〝手前みそ〟でなく、着実に歩んできた。ミニデイ、お年寄りの働き場、高齢者雇用、託児サービスなどに成果を得ているのはもちろん、安易・容易にはいかない地域への浸透も進んだ。リサイクル部門の活用(商品の提供・購入)は右肩上がりで増え、来店を通じて花凪への理解、花凪の向こうにある福祉への関心が深まった。1年後にまた振り返れば、さらに—と言えるようになっていたい。

2008年5月12日

花凪にも悲しいことがある。花凪の紳士、かっこよくてかわいい男、愛すべきKさんとの別れの日がきた。花凪でみんなに囲まれる中、友としたお酒を飲んで逝った。何度も復活しては喜ばせてくれたのだから、まだもっと家族でいたかった。少し落着いた後日、2号館の庭にKさんを偲ぶ花を植えた。

2008年5月21日

十勝から老人介護施設、グループホーム、在宅支援事業所で働く人が来花した。自分たちでグループホームを立ち上げる計画があり、運営の参考のために花凪の取り組みを見にきた。立ち上げ後、どんなグループホームが十勝に増えるか楽しみだ。

2008年5月23日

花凪おでかけ事業で大丸に行った。4月も同デパートの絵画展を鑑賞したが、今度は「ジョン・バーニンガム絵本原画展」を楽しんだ。バーニンガムは、世界的に著名なイギリス出身の絵本作家。描く絵が素朴でユーモアたっぷりなのが魅力。100点を超える原画に触れ、みんな、温かな気持ちを膨らませた。喫茶店で一息入れるのもお楽しみの一つで、そこでは美味しいものでお腹を膨らませた。

2008年5月24日

バリアフリー居酒屋「今日だけ酒場」を花凪屋で開いた。暖かな日の光がうれしい春が来たが、今度は爽やかな風がうれしい季節が来る。みんなでお酒を飲むだけでも盛り上がるが、ことしのこれからをどう楽しむか—のおしゃべりなどで盛り上がった。この日の居酒屋のお客さんは、春に旭川から札幌に越してきたS夫妻。縁あって花凪と長く付き合っていただくことになった。花凪とS夫妻とのこれからをどう楽しむか—のおしゃべりでも盛り上がった。いつもよりビールの空き缶が並ぶ居酒屋となった。

季節に寄り添い、酒とともに—の花凪 こっちでもあっちでも話に花が咲いた

2008年5月28日

姫路から「花凪で暮らせれば」というAさんが来花した。2月に放映されたNHK教育テレビのETVワイド特集「認知症 あなたも納得!」で花凪を見て、そう思うや実際を知りたいとやってき、花凪家族と3日間すごした。帰る前日のこの日、そのAさんを囲んで宴を開いた。Aさんの「楽しかった」にこちらも「楽しかった」。花凪で暮らすことになるのは縁で、どうなるかはわからないが、「また来る」に「また来て」…。送別のためではなく、再会を期して杯を交わした。

距離を越えての出会いに乾杯—の一夜 北海道、そして姫路の話に花が咲いた

2008年5月31日

理事長、NHK学園高等学校専攻科「社会福祉コース」の08年前期スクーリング(札幌、かでる2・7)で講師を務めた。同講師は05年から4年目になる。2年次必修の「介護概論」を担当したが、現場で実践する立場で講義した。

【5月のばりあふりーしょっぷ花凪屋】2周年記念セールで始まった5月の花凪屋だが、家具類がよく売れ、提供も多く、届けたり、取りに行ったり大忙しでもあった。時期的に昨年もだったが、ぐっと増えた。たぶん、花凪屋の浸透を語るのだろう。6月、7月、8月も昨年よりさらに—の調子で行けばうれしい。

※別れがあり、出会いがありの5月だった。別れは必ず来るものだけれど、悲しいことだ。出会いは必ずあるものでないから、うれしいものだ。季節が巡れば花を咲くけれど、人のつながりの花はそうと限らない。得た人のつながりは大事に大事にしていきたいと思う5月だった。※

2008年6月7日

立教大の大学院で福祉を学ぶ方が訪れた。07年に同大の森本コミュニティ福祉学部教授らが地域密着型サービス調査研究(研究会委員長・森本教授)のヒアリングで来花した。それが縁となり、同大から二人目の訪問。花凪の在り方に賛同してくれた。

「YOSAKOIソーラン祭り」を見に行く。昨年はステージで踊りが披露される石屋製菓の「白い恋人パーク会場」だったが、今回は大通公園会場に。同会場では公園の南北の通りをヨサコイチームが次々に踊っていく。すぐ目の前で躍動する踊りが見られる。ことしは天気にあまり恵まれず、この日もお日様が隠れていたが、空を覆う曇など忘れさせる熱いお祭り、人の元気、人の輝きを楽しんだ。

ヨサコイは楽しい、とVサイン 目の前で踊る人たちの花が咲く 百花繚乱、踊りの花が次から次と

2008年6月16日

お出かけ事業で、北区にある百合が原公園に行った。百合が原公園は、札幌市が整備する花の公園。25ヘクタールの広さにその名通りのユリをはじめ、6500種の植物が植えられ、春から秋まで花が咲き続ける。6月には多くの花が咲く。一行は出迎えたそれら、広がる緑、街にない静けさの中で心ゆったりのひとときを楽しんだ。7月には7月、8月には8月の花が咲く。百合が原公園にはまた行くことにした。

待っていた花と一緒に記念撮影 良き所に来ると、良き顔になる みんなのために曇り空から太陽も

2008年6月17日

西区内にある「北海道料理 宮の森」でジンギスカンを楽しんだ。花凪はジンギスカン食べ歩きを続けている。昨年は千歳の「キリンビアパーク」だった。ことしは、何度か利用した老舗「宮の森ガーデン」(閉店)を引き継いだ店だというので同店に行った。ジンギスカンは北海道自慢の一品。毎回のことではあるが、みんなでたっぷり食べ、そしてもう一つの北海道自慢のビールをたっぷり飲んだ。

2008年6月21日

ばりあふりーしょっぷ花凪屋で「沖縄民謡ちどり組」のコンサートを開催した。「沖縄民謡ちどり組」は、札幌で福祉の仕事をしている夫妻、お医者さん、北大医学部入学でこの春札幌に来た沖縄の若者で結成の4人グループ。今回がグループとしての初演奏会で、第一歩を花凪で飾った。披露してくれたのは「安里屋ゆんた」「目出度節」「鳩間節」「てぃんさぐぬ花」「十九の春」…。沖縄にあこがれる3人、そして沖縄人の歌と演奏は熱く、聴き手は沖縄にいるかのようになって楽しんだ。沖縄の音楽は心を弾ませる。聴き手は聴くだけでなく済まなくなって、しまいには踊りも飛び出した。

花凪を沖縄に運んだ「ちどり組」 太鼓に笛が加わって大盛り上がり 歌って踊って笑ってみんな一つに

2008年6月23日

お出かけ事業で、石狩のはまなすの丘公園に行った。同公園は、石狩川河口にできた砂嘴に自生する植物を楽しめる自然公園。植物の種類は、北海道の道花ハマナスがはじめ150種を超える。バラ色のハマナスの花が咲くのは6月から7月にかけてで、それが一帯を彩るのを見た。海、石狩川、伸びる海岸線、陸の広がり…。一行は、北海道ならではの自然も眺め、良き半日をすごした。

2008年6月28日

花凪08年度総会を開いた。花凪も法人(NPO・特定非営利活動法人)であり、総会が運営の軸となる。出席した理事・会員(委任含む)から07年度の事業・非営利活動、その収支、08年度の計画について承認を受け、08年に全力を注ぐこととなった。08年度計画において目指す大きな柱には花凪ならではの介護の一層の充実、スタッフの資質向上、地域とのかかわりの促進などを挙げた。それらに取り組みながら、08年も花凪らしい活動を重ねて花凪家族、かかわりある人にめいっぱい日々を楽しんでもらうことになった。

2008年6月30日

花凪スタッフの研修を行った。テーマは料理。ヘルシー料理教室を担当している「ハーモニー・ガーデン—大地のたより」の協力を得て、体にやさしい大豆肉や小麦たんぱくの調理法と料理を学んだ。夏が来るのを考え、つくったのは冷麺、ナスのそぼろ&キノコあんかけ、夏風味噌スープ。最後は出来上がりを試食したが、やはり、ビールが一緒だった。

【6月のばりあふりーしょっぷ花凪屋】花凪屋が知られるに従い、大きな家具の引き取り・送り届けが増える。点検が必要な電化製品の扱いも増える。困っていると、新たに加わった男性スタッフがそれらに大活躍で、花凪屋のパワーはさらにまた大きく。困れば、人が現れる。一生懸命な人とつながるのはこちらも一生懸命だからだろうが、ありがたいことだ。

※6月を楽しんだ。その6月でもう1年の半分が終わり—と言えば、そうだが、まだ半分が—とも言える。まだ半分に今までにないこと、新しいものが詰まり、われわれを待っている。次は夏が始まる7月だ。元気な太陽、青空、光…を満喫しなければならない。※