札幌の平地に初雪が降った。北海道を白一色にしてしまう冬が来ることを知らせる冬からの案内状だが、そうなるのはまだ先だ。日を追って寒さも増しているが、身を縮めるには早い。花凪の1年カレンダーでは、11月はまだ十分に楽しんで喜べる月。先ずは、「きれい」と初雪を喜んで、そんな初雪が降った11月の始まりを喜んだ。
理事長、標津町での根釧地区社会福祉協議会職員研修会で講演した。研修は社協の地域福祉の取り組みをより強めるために開催し、講演は先駆的実践をする花凪に白羽の矢が立った。理事長は花凪の介護理念、地域に根差した活動・事業、人と人とがつながる地域づくりなどについて語った。夜の懇親会にも参加し、研修参加の社協職員らと交流。昼は昼、そして夜は夜で盛り上がったのだった。
北海道医療新聞社の週刊「介護新聞」(木曜日発行)に理事長執筆の「花凪屋繁盛記—人と人とがつながって」が連載される。その連載が6日付けからスタートした。地域に密着する、地域の人々の多様なニーズに応える、高齢者の仕事を生み出す、認知症高齢者も地域や人々とかかわって暮らせる場をつくる…。「花凪屋繁盛記」は副題にあるように人がつながる大事さにこだわってそれらに取り組む花凪のこと、「ばりあふりーしょっぷ花凪屋」のことをつづっていく。福祉というものを問い掛けていく。第1回は、プロローグとして花凪と花凪屋の始まりについて。
北見でボランティアに取り組む人たち、地域福祉にかかわる人たち20人余りが花凪を訪れた。活動の参考にするため、遠路はるばるやってきた。店という仕掛けで地域、人とのつながりをつくる花凪屋を見て、その在り方に賛同していただいた。視察で終わらず、たくさん買い物をし、花凪屋に貢献もしていただいた。
あみゅぜ花凪コンサートを開いた。9月は札幌市教育文化会館でのあみゅぜコンサートに出掛け、背筋を伸ばしてあみゅぜの演奏に耳を傾けた。この日は、花凪家族の暮らしの一部になっているばりあふりーしょっぷ花凪屋が会場。ゆったりくつろいで、あみゅぜの演奏に耳を傾けた。背筋を伸ばして音楽を。くつろいで音楽を。どちらもできるのはぜいたくなことだ。あみゅぜはソプラノの今野美智子さん、ピアノの沖中怜奈さん、フルートの小林美穂さんが来花。3人はバッハ、ドビュッシーからお馴染みの曲まで演奏し、花凪家族はたっぷりそれらを楽しんだ。
ばりあふりーしょつぷ花凪屋でバリアフリー居酒屋「今日だけ酒場」を開いた。10月の「今日だけ酒場」は詩を楽しむことを加えたが、川柳も楽しむ一夜—この日は川柳を鑑賞しながら、杯を交わした。江戸川柳「むつかしい顔をうっちゃる袖の下」「本降りになって出て行く雨宿り」…。日本人の知恵としゃれに拍手。今の時代の川柳「安らぎは会社も家もトイレだけ」「稼ぐのは手動で払いはみな自動」…。川柳に浮かび上がる世相にうなずき、おしゃべりにも花を咲かせた。お酒だけでも楽しいのだから、盛り上がるに盛り上がった。何でもやってみるのが花凪流。今度は川柳づくりに挑戦してみることに。
【11月のばりあふりーしょっぷ花凪屋】花凪屋はミニデイサービスの場でもある。花凪家族たちは、寒くなった11月も休まずに通い、楽しい時間をすごした。それだけでなく、花凪屋は働く場でもある。花凪家族たちは、リサイクルに持ち込まれる品々の整理や手入れを引き受けている。今月もその品々が多く、働くのにも一生懸命だった。忙しい毎日を送ったが、忙しいことは幸せなことなのだ。人は生涯現役であることが何よりも幸せなことなのだ。
※もう2008年が終わる一歩手前まできた。時間が流れるのは速い。一生懸命にやっても速いし、そうでなくても速い。ならば、後悔しない一生懸命の方を大事にしたい。残るは12月、1カ月のみ。気も力も抜くことなく「2008花凪」を完走したい。※
美友希保育園(北区新琴似、渡辺淑子園長)の園児たちが花凪を訪れた。美友希保育園の花凪訪問は2005年に始まり、かれこれ4回目になる。ことしも行った学芸会を花凪で再現し、花凪家族たちと交流した。園児たちは衣装に身を包み、ダンサーになりきって踊った。登場人物になりきって、劇「オズの魔法使い」を熱演した。当初から変わらない「明るい」「楽しい」「元気」、そして「いい顔」を振りまき、当然のことだけれど、それは花凪家族たちを「明るい」「楽しい」「元気」、そして「いい顔」にした。
花凪家族会S家のご厚意で、この日のお昼はキリタンポ鍋大会となった。ルーツが秋田ということで、本場の味のキリタンポ鍋。決め手のお肉はもちろん、比内鶏。調理もお任せ。その納得の味、加えてみんなで囲んで食べるおいしさは、寒さが増す中の体も心も温めた。
12月と言えば、クリスマス。この日はクリスマスリースづくりも行った。毎年つくって楽しみ、飾って楽しんでいる。つくるリースはいろんな形のマカロニを自由に組み合わせていくもので、個性が出る。挑戦したみんなは、世界で一つのリース完成に取り組んだ。
理事長、津別町の第3回「認知症を考える講演会」(会場・町林業研修会館)で講演した。津別町は、認知症の人が増える状況の中、地域で安心して暮らしていける介護の体制づくりに取り組み、その一環で同講演会を開いている。ことしのテーマは〝認知症の人と家族を地域で支えよう〟。花凪 は地域の力を大事にした福祉の展開に取り組み、花凪家族は地域と接しながら日々を送っている。理事長は、花凪の実践を示しながら認知症を支えるのに必要なことについて語った。
この日、10月15日に開講した第7回花凪ホームヘルパー2級養成研修が修了した。計53時間の講座と実習を経て、6人が無事に資格を取得した。同研修は質の高いヘルパーを養成するために、少人数ゼミ形式で行っている。早速、しっかり学び、花凪で働くことを希望する人の採用を決めた。
健康食普及に取り組む「ハーモニー・ガーデン—大地のたより」のヘルシー料理教室を開いた。クリスマスを前にして、クリスマス用の料理をつくった。メニューはクリスマスリースの形にしたキャロットライス、クリスマス・ツリーの形にポテトやブロッコリー、大根等を飾るサラダ、そしてコーン・スープ。食材はすべて野菜で、体にいい。食事は、みんなで食べることが体にいい。出来上がった3品は、みんなで仲良く味わった。
ことしも花凪クリスマスパーティー&忘年会を北海道厚生年金会館で開催した。花凪家族とその家族、スタッフ、花凪サポーターが一緒になってクリスマスを楽しみ、1年を振り返って2008年を締めくくった。暮らしの中では着飾って出かけることも大事で、それも楽しんだ。開催4年目になる今回の出し物は作曲家市川昭介さんのもとでプロ歌手を目指していた西村嬢の歌謡ショー、音楽グループ「あみゅぜ」のミニコンサート、花凪劇団の新解釈劇「赤ずきんちゃん」。食事とアルコールでお腹を喜ばせた後は、それらで心を喜ばせた。ビンゴゲーム大会、サンタクロースのプレゼント配りでは、みんな、〝中は何かな?の紙包み〟を手にし、盛り上がった。今回もススキノに繰り出してのカラオケで二次会を楽しんだ。そしてこれまた今回も同じにラーメン横丁でラーメンを食べ、午前様帰りとなった。みんなで和気あいあい、は元気の源。たっぷりそうして新しい年への鋭気も養った。
花凪屋で餅つきをした。3年前に地域の人から使ってといだたいた50年は超える木の杵と臼が活躍した。正月のお雑煮に欠かせない伸し餅、あん餅をこしらえた。もちろん、つきたてをこの日のお昼のお楽しみにし、素晴らしき日本の味を満喫した。夜には花凪スタッフの忘年会を開いた。20日にクリスマスパーティー&忘年会を開いたばかりだが、それはそれ。みんなで杯を交わし、楽しんで盛り上がるのは何度あっていいもの。楽しんで盛り上がり、新しい年の花凪の充実、元気いっぱいへ和を固めた。
大晦日。花凪2号館にこ花下宿のみんなも一緒になって年越しをした。全員で夕方からご馳走を食べ、お酒を飲み、行く年を見送り、来る年を迎えるのは花凪スタート時からの年越し。元気に飲み食べできて、また人生を1年を重ねられるというのは幸せなことで、そのことを喜びながら、2008年最後の夜をすごした。それにしてもみんなも驚くくらいに食べる。新しい年にまで起きて、年越し蕎麦もしっかり食べた。
【12月のばりあふりーしょっぷ花凪屋】ぐっと寒さが強まり、雪の日が増え、ことしも冬そのものの12月になった。足が外に向かい難くなる中でも、ありがたいことにお客さんの足は遠のかなかった。花凪屋は〝温かい場〟だ。冬には〝暖かい場〟でもあり、立ち寄るということだろう。冬は大変だが、これからはここでは雪を払って一息—の笑顔が見られる日々が続く。
※2008年もあっという間に終わって、新しい年に変わる。あっという間に終わったということは忙しさに追われて日々が過ぎたからではなく、充実の日々を重ねたからだ。年が変わるということは忙しさに追われることに待ったを掛け、充実の日々を続ける気持ちを膨らませるためだ。花凪は2009年で9年目に入る。また充実の日々を重ねて、より良き1年を。※