菜の花  =26年3月19日=
 近くの道端の菜の花が満開。山村暮鳥の詩「風景」にある「いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんの…」という様子ではありませんが、本格的な春の訪れを感じました。
 利休の祥月命日は旧暦2月28日。表千家家元では毎年新暦3月27日に利休忌が営まれ、菜の花が供えられます。利休がこの花をとても好んだからと言われています。

粽(ちまき)  =26年4月20日=
 「端午の節句の行事食 ちまき 材料や巻き方に郷土色」という新聞記事を読んで、思い出したことが。関西では笹の葉で巻いた円錐形のものが一般的ですが、鹿児島県出身の方が、竹の皮に包まれた飴色の餅(食感はわらび餅のよう)を「ちまき」と呼んだのです。これは「あくまき」というもので、他にも三角形をした「笹巻き」(東北地方)や棒状の「唐あくちまき」(長崎)など地方によっていろいろあるようです。

あじさい寺「頼光寺(らいこうじ)」=26年6月6日=
 例年6月の教室では、花入れにほんのり色づいた紅ガクアジサイを入れ、アジサイ絵のお茶碗で抹茶をいただき、梅雨時を楽しんでいます。
 教室のある川西市は、清和源氏(せいわげんじ)発祥の地です。市内にある源氏ゆかりの史跡の一つ「頼光寺」は別名「あじさい寺」。梅雨の頃には、たくさんのアジサイが色鮮やかに咲き乱れます。

「夏は涼しく…」  =26年7月23日=
 きょうは二十四節気の一つ「大暑(たいしょ)」。千利休は「夏は涼しく冬は暖かに」と、もてなしの心構えを説いています。ですから盛夏の茶室には、お茶が冷めやすい平たい茶碗、水面の広い平水指(ひらみずさし)、ガラス製の器、「瀧」の字の掛物等を用います。少しは涼を感じていただけるのではないでしょうか。

着せ綿 (きせわた) =26年9月2日=
 和菓子店に、こんなユニークな上生菓子が並んでいます。ピンクの菊花の上に白いフワフワ…このお菓子の銘は「着せ綿」。
 9月9日は重陽の節句です。平安時代には、前日8日に菊の花の上に真綿を載せ、翌朝露と香りが移った綿で体を拭って若さと健康を保とうとする行事がありました。これを「着せ綿」と。
 残念ながら手元に菊の花がありませんので、食いしん坊の私は和菓子の着せ綿を賞味して、若さと健康を願うことにします。

緑茶メーカーで点てたお味は? =26年9月29日=
 茶葉を挽(ひ)く、お湯を沸かす、点(た)てるを1台に凝縮した緑茶メーカー「お茶プレッソ」が話題です。茶葉の栄養成分が丸ごと摂れ、粉末茶よりもクリーミーとのこと。味わわれた方、ぜひご感想をお教えください。sadou@apost.plala.or.jpまで。
 この機械は煎茶用の茶葉を使いますが、教室で用いる抹茶は「碾茶(てんちゃ)」という茶葉を挽いたもの。碾茶は普通の緑茶の葉とは製法が異なります。詳しくは来月に。

11月は茶の正月 =26年10月27日=
 茶の木に日が当たらないように覆いをして育てた新芽を摘み、蒸してから「揉まずに」乾燥させたものが「碾茶(てんちゃ)」。それを昔は茶壺に保存して半年ほど熟成させました。11月には茶壺の口を切り、茶葉を臼で挽いて抹茶にし、茶を点てる。つまり茶の正月と言えますね。
 もちろん現代ではお茶店で購入する方がほとんどでしょうが、気持ちが改まり、またわくわくします。
 
「日々新又日新」 =26年12月3日=
 表千家同門会(表千家茶道を習う方々の会)大阪支部の茶会が11月末に開かれました。支部60周年を記念したお品、御家元御染筆写しの扇を頂戴しました。
 開くと「日々新」の文字が。これは「にちにちあらたに」と読み、「又日新(またひにあらたなり)」と続く禅語。毎日新たな気持ちで。過ぎたことや先のことを心配せず、この日を大切にすごす、という意味です。
 お稽古も同様ですね。毎回を新たに。


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 「ひとこと集@」       門田宗朋


ホームページ開設 =25年11月23日=
 ホームページを開設しました。

「利休にたずねよ」 =25年11月29日=
 映画「利休にたずねよ」が公開されます。原作は、若いときの恋愛(フィクション?)も描かれ、今までのイメージとは異なる、男性・利休の物語。撮影には本物の楽茶碗等が使われたとのこと、楽しみです。

聖護院大根 =25年12月4日=
 先日のお稽古の生菓子は「聖護院大根」。ふっくらした愛嬌のある形に、こちらもニッコリ。京都の寺院では11月〜12月に、中風封じや健康増進を願う「大根炊き」の行事が行われます。

映画「利休にたずねよ」を観て =25年12月12日=
 映画「利休にたずねよ」を観ました。教室メンバーの感想はー
 「利休の揺るぎない美意識がすっきりと描かれており、悲しく厳しい最期にもかかわらず、重さを感じませんでした」(Mさん)
 「意外な展開。今までと違う利休像を見ました。忘れがたい過去の体験が、その後の生きざまに大きな影響を与えることを痛感」(Hさん)

「無事是貴人」 =25年12月27日=
 12月の教室の掛け物は「無事是貴人」。
 禅語の「無事」には、(修行を積んで)何事にもとらわれず、造作しないで自然に行う、という深ーい意味があるそうです。
 けれども俗人の私は、おかげさまで今年もつつがなく(無事に)お稽古を続けられました、という感謝の意を込めて、一年の終わりにこの言葉を床に掛けます。

茶は養生の仙薬 =26年1月12日=
 産経新聞に連載されている「1カ月で分かる茶道」によるとー
茶を日本に伝えた僧栄西が著した「喫茶養生記」の冒頭は「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり」。二日酔いの源実朝が、茶を喫すると良くなったとのこと。
 お茶が薬だったとは知っていましたが、二日酔いにも効果ありとは。お悩みの方、一度お試しあれ。

和の魅力 きもの =26年1月12日=
 先日の初稽古では、お若いEさんが格の高い小紋を召してお点前。着付教室に通っているだけあって、上手な着こなしでした。写真は後日掲載します。
 明日は成人の日で、たくさんの振袖姿が見られることでしょう。若い人が和の魅力に関心を持ってくださるとうれしいですね。

節分の和菓子 お多福 =26年1月31日=
 節分が近づくと、上生菓子コーナーには豆、お多福、鬼といったユーモラスな形の物が並びます。茶席も和やかに。
 豆には邪気を払う霊力が宿っていると考えられています。ところが、鬼を祭神とする神社での掛け声は「鬼は内」。また鬼の字の付く姓のお宅でも「福は内、鬼も内」だそうです。
 先日の初稽古、お着物でのお点前姿は「教室案内」ページに。

陰暦2月は「梅見月」 =26年2月12日=

 梅の固いつぼみがちらほら。そこで梅形の干菓子盆に、梅形のお菓子を盛りました。形が重なっても、不思議とくどくなりません。 陰暦2月は新暦3月頃。梅が咲く時期なので「梅見月」「梅つ月」の異名も。各所で梅花祭や梅まつりが行われます。

 ちなみに「梅の色月」は陰暦5月の異名です。


煤竹茶筅(すすだけちゃせん) =26年2月25日=
 表千家流では、煤竹で作られた茶筅でお茶を点てます。
 煤竹というのは、150年以上前に建てられた茅葺き屋根の住宅の天井や屋根裏に使われていた竹で、囲炉裏の煙で燻され、濃い飴色に変色しています。張りが強く、丈夫。
 今では古民家が少なく、生活様式が変化したため、煤竹は入手が困難になってきています。