男性のスタイルはトップのボリューム感とムーブメント(毛の動き)がポイントです。
ですのでメンズ縮毛矯正はクセを伸ばすことと同時に立ち上がりやムーブメントを付けるデザインコントロールが高く要求されるので僕の経験上のあくまでも個人的意見ですが、女性の縮毛矯正スタイルとはベクトルが全然違う仕事だと思います。
ですので使用するアイロンなどのマテリアルや技法がまったく異なります。
個人的には縮毛矯正技術において男女の仕事の共通点は、還元・酸化の度合いと1剤の塗布方法だけです。
薬剤も男女共通。
あとは完全に別の技術として施術させて頂いています。
ちょうどスキーに例えると整地の滑り方とコブ斜面の滑り方くらい違います。(逆に良く分からない?)
そうしないと…ペタンコ・ツンツンのカッパヘアになってしまい、「あれれッ!?」ってことに…
男性の縮毛矯正での失敗の多くは 「つぶれる」 「カッパみたいになってしまう」 「毛先が収まらずにツンツンする」 「ハネる」など、上記のポイントをうまく表現できないことにあると思います。
僕のメンズ縮毛矯正は 「修正」 「形成」 「矯正」 というメンズ縮毛矯正の3ポイントを1スルー内で行うのが特徴です。(場合によってはツインブローもします。)
これによってダメージを最小限にし、ボリューム感があり、動きが表現できる扱いやすい縮毛矯正スタイルを目指しています。
クセの構造やタイプ、撥水性度合いなどを見極めて、できるだけご希望のスタイルに近い仕上がりをご提案させて頂くようにしています。
また、クセ毛の方の多くはストレートヘアーのスタイリングに不慣れな方がほとんどではないでしょうか?今までクセ毛しか扱われてこなかったのですから、当然だと思います。
矯正するとある日突然、クセ毛でなくなるのですから普段のお手入れやスタイリングについては未知の世界!
今までやった事がないのをいきなり行うのは誰だって戸惑います。
ですので僕は仕上がり時にワックスの使い方等のスタイリング法や普段のお手入れ方法についてご説明させて頂き、ご希望の方には実際にお客様にもドライヤーをお渡しして「裏技ブロー」などのプチレッスン(?)を行って頂くようにしていますのでご不明な点は遠慮なくお申し付け下さい。
2014年5月にタンニン処理剤を導入して以降、ケミカルを勉強しなおして様々なダメージへの対応力を高めやハリ、コシを出しながらダメージを低減する施術が可能になりました。
現在はスピエラやGMT等の酸性矯正剤と従来からのチオやシス、シスアミなどの中性、アルカリ矯正剤を連動させる「pH 移行還元」をメインに低ダメージでしっかり伸ばす縮毛矯正を行っております。
HPでは掲載しきれないのでブログをご覧になって頂けると幸いです。
全体的に軟毛で、オーバーセクション(頭の上の方)とバック(後頭部)がくるんと丸まるクセが気になる40代のお客様です。
サーファーで波の状態によっては毎朝、出勤前に乗ります。下田ってこのような方、結構いらっしゃいます。文字通り、海から出社です。
ってことは毎日、海水で濡れっぱなしになるって事ですので、しっかりした矯正と海水(=アルカリ)に対するタフな「持ち」が要求されます。難しい…。
下記Before画像はシャンプー後のウェット状態です。
トップとバックは所々、軽い捻転が入っていてちょっとだけチリ付いていますが、まっすぐに立つ直毛もあって、様々なクセが混在しているタイプの方です。
↑上部2画像はカット前の状態です。
良く見るとサイド上部のハチ部分でクセが変化して分かれ目が出そうな感じだったので…
仕上がりに影響のない位までカットします。右画像はカット後の状態。→
ハチ上が軽い捻転部分、その下がそうでない部分で、完全に横ラインで分かれそうなのが見えます。
このラインの上下でアイロンの掛け方を変えます。伸ばしながらR形成する技法と納める技法を使い分けるということです。
そうしないとラインの上下で素材が違うので同じ仕上がりになりません。
カットはアイアニングの前にした方が良いか、後が良いかはその時によって変わりますが今回は先に切った方がベターだと判断させていただきました。
ちなみに今回はプレカットで削ぎまで入れて、アフターでは手を入れません。
敏感な親水性毛なので掛かりやすそうですが、弱い薬剤やコスメ系だと捻転毛を伸ばしきれません。ノンカラー毛ですが、海水と紫外線で毛先のダメージレベル=4と診断、しかも、軟毛でダメージは出やすそう…
そして白髪がちらほら出てきています。目立つ右フロント周りの白髪割合は15%ってとこだと思います。
白髪は毛髪内部のタンパク構造が黒髪と違ってアイロンやデジパなどの熱処理する技法では毛髪内の水分量によって突沸的なプチ水爆発が毛髪内に起こる事でタンパクが抜かれて毛髪内部の容積と毛表皮側の長さに差ができて表面が内部に引っ張られて縮んでしまってジリジリになってしまう現象が起こり、ひどいダメージに繋がりやすいので注意が必要です。
この現象、これがいわゆる「ビビリ」と呼ばれるものです。
ですので業界用語で「水抜き」といわれる工程が黒髪以上に重要。
抜きすぎても水素結合がアイアニング前に結合してしまうので根元修正とR形成が思うようにできず、抜き足りないと簡単にビビリます!
そこで今回はパワー8の薬剤でプロセスタイム15分置いてGアイロン/熱ちょっとだけ低めでアル中アイロンR技法で攻める施術計画にしました。
お約束のヒートブリスター処理をして毛先の耐熱性を一時的に高めてからアイアニングに入ります。
【施術行程】
15分還元⇒ポリイオンコンプレックス⇒ヒートブリスターミル処理⇒ツインブロー⇒アイアニング⇒ドカ酸化⇒ポリイオンコンプレックス⇒ブロー
仕上がりです。
シャンプー後、スタイリング剤やブローローションは何も付けずにハンドブローでバサバサッと乾かして、ブラシでさっとバックにブラッシングしただけの状態です。
心配していたダメージも感じられず、軟毛でしたが毛髪の弾力を残して仕上られたと思います。
絡みやすかったオーバーセクションもサラサラヘアーになりました。
特殊なアイロンを使用するのでかなり短い長さでも矯正可能です。最短、3cm位でもいけるかな? …サイドやネープの短い髪もしっかり伸ばしています。
同じアイロンを使用されている方は「2cmまでOK」という方もいらっしゃいますが、僕は3cmまでにしておきます。
縮毛矯正用アイロンは全部で5本ありますがそれを使い分けています。もっと少ない種類で対応できれば簡単なのですが、いろいろな髪質、スタイルに対応するにはどうしてもこれだけ必要になっています。同じモデルのアイロンでもちょっといじくってチューンナップ(?)しているのもあるので5本です。メインで使用しているのは3本で今回は2本だけで済みました。
まっすぐストレートに矯正すると、ペタンコでツンツンしてまったく収まらなくなってしまいます。これがいわゆる「カッパのようになってしまう」ということですが、自然なR形成をすればブラシバックしても自然に収まります。
画像の通りトップ、フロントもつぶれずカッパにはなりませんでした。ホッ… (笑)
バックもちょっと重めにグラデーションを入れて絶壁防止。自然な丸みでスタイルに奥行きが出ていると思います。
「施術例 1」は毛束感が出るようにしますが、こちらの「施術例 2」は収まりながらの面の流れ「ストリューム感」を求めますのでカットがまったく異なります。
始めてご来店される方の中には「伸ばすだけでいいからカットはしないで」というお客様がいらっしゃいますが、ご希望のスタイルとカットがミスマッチの場合が多く、ほとんどの場合、過剰な削ぎが入って毛先がペラペラになっている場合が非常に多いです。
過剰な削ぎは毛先に余分なスペースができてしまうことと、セニングシザーの構造上、一つのストランドの中に同じ長さの毛先がいくつもできるので毛先に力が出て暴れやすくなり、クセ戻りが早くなります。
特にメンズ縮毛矯正は矯正に向いたカットが重要です。求めるスタイルに作りこむためにもカットしてもしなくても料金は一緒ですのでカットと一緒に縮毛矯正をされることをお勧めします。(あまりにも深い削ぎが過剰に入っている場合は掛けられない場合もあります。)
施術後は縮毛矯正だけでなく、カラーリング(=ヘアカラー)やパーマ(アイロン&コールド)のお客様にはお帰りにサロンで使用しているアミノ酸シャンプー(2〜3日分)を無料でお渡ししています。
施術後しばらくは毛髪は不安定な状態ですので、このシャンプーをお使いいただくと施術後の毛髪がアルカリに傾きにくく、持ちや感触がさらに向上しますのでぜひお使い下さい。
また、予約をされてコチラの縮毛矯正カウンセリングシートに該当事項をご記入の上、ご来店されるとオールヘッドコースの初回に限り正規料金から300円 割引させていただきます。
お手入れの仕方はコチラをご覧下さい。
メンズ縮毛矯正 プライスリスト
前髪だけクセが強い…。
結構いらっしゃるんですよね〜、こういう方。
こういうタイプの方は前髪だけ矯正します。
「必要な部分に必要なだけ」ってのが経済的!
「前髪だけクセがある」って方の髪を拝見すると、実際には前髪以外にもクセがあることがほとんどです。
「他の部分と比較すると前髪だけクセが強い」ってコトなんですよね。実はここがポイント!
フロント(=前髪)だけまっすぐに矯正するのではなく、他の部分に馴染むように「クセをつける」ってイメージで毛髪形状を形成しないと、フロントだけ浮いた感じになって扱いが悪くなるだけでなく、おかしなスタイルになってしまいます。
メンズ矯正は「まっすぐにする」のではなく、「まっすぐに見えるようにRをつける」のがポイント!
◆今回のお客様
フロント生え際から2cmくらいのセクションが生え際に沿ってお顔周りだけ強い捻転毛(=ねじれたS字形状)。
その後ろが「素直なCカール形状」のクセ毛。
S字形状の捻転部分は毛先がカギ状になって絡んでブラシが通りにくい形状です。
ご本人も「チョッと短く切ると、はねておかしくなってしまう。」と仰ってます。
でも問題が発生しているのはフロント生え際だけのご様子。
僕はこのような場合、カウンセリングでフロントだけ気になるのか?それとも、その後ろのごく緩いクセ(Cカール状)も気になるのか?お伺いします。
もしフロントの捻転部分だけ気になるのでしたらフロントだけ矯正!
しかし、ここで大事なポイントがあります。
それは矯正するねじれたS字形状のクセを、後ろのCカール状のクセと同じ形状に形成しなおすという事です!
この辺が女性の矯正と大きく異なる要素です。
つまり僕が考える男性の縮毛矯正は…。
メンズ縮毛矯正 =(クセ伸ばし)+(R状に再形成)
ということ。
「クセ伸ばし」だけではツンツンしたカッパの様なスタイルになってしまいます。
ですのでアイアニング後(=アイロン処理後)はこんな状態。
リーゼント?
いいえ、フロントのS字状のねじれたクセ毛をしっかり矯正しながら後ろの緩〜いCカール状のクセに「乗るように」Cカール形成するとこうなるのです。
クセを伸ばすだけでなく、ちゃんと計算されたR形状をアイロンで作ります。
こうしないとフロントだけ質感が異なりおかしな事に…。
そしてもう一つ…。
形状だけではなく、毛の生えている方向を見定めるのもポイント!
矯正した後、どの方向に髪が落ちて収まるのかをちゃんと考えてCカールを付けないと「ありゃりゃッ」ってコトに!
この後、酸化処理(OXY)してシャンプーすると…。
シャンプー後のウエットな状態です。
どうです?
自然でしょ?
リーゼントじゃなくてちょっと、がっかり?(笑)
このフルウェットな状態でRが付いていないと「カッパスタイル」ですな。
ちゃんとR形状が付いて後ろの自毛のCカールに自然に馴染んでます!(ホッ…♪:笑)
更にバサバサッとドライヤーでハンドブロー(=ブラシを使わず手だけでバサバサッと乾かす)すると…。
毛先のRがが入りすぎずに、ふわっとした自然な立ち上がり!
今回矯正したのは「こめかみ〜こめかみ」までのフロント生え際4cmくらい。
矯正した髪を流したときに「乗っかる」セクションの自然なクセと馴染むようにR形成するとこのように自然な収まりになります。
よく、「メンズ矯正はしっかり還元しないで甘めに還元してクセをマイルドに残して矯正するのが自然な仕上がり」ってスタイリストがいますがボクは????って思います。
甘い還元はクセ戻りも早く、髪が傷むだけでなく狙った形状にR形成できないので根元の自然な立ち上がりもできず、捻転が取れません。
今回は白髪が固まっている箇所もあり、ダメージしやすいのですが、4種混合マルチ還元剤でレディース矯正と同じレベルまでしっかり還元して根元が自然に立ち上がるようにR形成したので、自然なボリューム感とストリュームが表現できたと思います。
ゆるいR形状といってもストレート矯正した髪と同様の「持ち」があります。ちゃんと還元してますからね♪
「緩い」といっても「しっかりした大きなR形状」に掛けているので持ちが良いのです。
これくらいの矯正ですと所要時間はカット時間+25分。
料金的にもカット料金+追加料金でOK!
料金も時間も「お得」なフロント縮毛矯正。お勧めです♪
Q | 縮毛矯正後のお手入れは? |
A | 縮毛矯正は毛髪内部タンパク質の結合を還元作用で切って、アイロンなどで形成した後に酸化によってタンパクを再結合して形状をつけています。 ですので「クセを伸ばす」というよりも、ストレートの「クセを付ける」という方が正しいかもしれません。 これは男性の縮毛矯正も女性の縮毛矯正もまったく同じです。 ですので男性も女性も縮毛矯正のお手入れ方法は一緒です。 酸化で形状を固定するということはアルカリ剤で結合が切れてしまうということなので、お使いになるシャンプーなどは酸性のものがベストです。 たまに「クセ毛用シャンプー」をお使いになる方がいますが、クセ毛用シャンプーは穏やかな還元作用がある成分を含んでいることがほとんどです。 ここまでお読みになられた方はもうお分かりでしょう… ご想像の通り、せっかく縮毛矯正で付けたタンパク結合(=ストレートな毛髪形状)を毎日、毎日「クセ毛用シャンプー」に含まれている還元成分でジャブジャブ切って、せっせと癖戻りさせていることになります。 ですので「クセ毛用シャンプー」はまちがっても使ってはいけません。 これらの製品は「縮毛矯正を掛けないでクセを穏やかにしたい」方向けの製品です。 そしてシャンプー後は自然乾燥よりもドライヤーを上手に使ってできるだけ早く乾かすことがポイント。 これは髪は濡れているとキューティクルが立って物理的刺激に弱くなるだけではなく、水分によって酸化結合させたタンパク結合(=システィン結合)が不安定になりやすいからです。 毛髪内のタンパク結合のうち最も結合割合が多い水素結合は濡れるたびに切れて乾くと元に戻りますが、水素結合のサポートが失われた時間(=濡れている時間)はできるだけ短いほうが有効です。 ですのでシャンプー後はできるだけ早く乾かして最後に冷風でしっかりクーリングしてください。このプロセスが「持ち」やコンディションの維持にもっとも大きな影響を与えます。 最も効率的に乾かすのは濡れ髪にいきなりドライヤーを当てるのではなく、タオルドライを入念にする方が結果的に早く乾かすことができます。 また自然乾燥は髪にとって、あまり好ましくないドライ方法であるのをご存知でしょうか? 自然乾燥派の方は「ドライヤーの熱が髪に良くない。」とお考えになっていますが、髪にダメージを与えるほど熱を加えれば、そりゃ痛みますが適切に使用すればむしろドライヤーを効果的に使用したほうがベターだと思います。 ドライヤーは熱量も大事ですが、風量も重要なポイントです。 熱が高くても風量が弱いとドライヤーの風が当たっている狭い面だけに熱が集中して渇きが悪く、結果的に余分な熱を長時間髪に加える事になってしまいます。十分な熱と大風量を上手に使ってできるだけ短時間で乾かしましょう。 またドラッグストアー等で購入したヘアカラー(=ホームカラー)は行わないで下さい。 サロンで使用しているカラー剤とは内容成分に大きな違いがあり、ダメージが深刻になります。 特に「臭わないカラー剤」は深刻です。 「臭わない」カラクリは揮発しないアルカリ成分を使用しているからです。カラー剤に含まれるアルカリ成分を揮発させることによって毛髪内に残留しないようにしているのを「臭わない⇒刺激が少ない⇒髪に優しい」とイメージされる方も多いのですが、臭わないカラー剤はどうしてもアルカリ成分が長期間、毛髪内に残留してしまうのでご注意を! お使いのツンとしないホームカラー剤のパッケージ裏側の成分表に「モノエタノールアミン」 「MEアミン」等が記されていませんか? 「無臭ヘアカラー」 は 「鼻に優しく、髪に厳しい」って評価…。 実はこの業界では常識です。 |