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光学コラム

レンズ設計実務を行っていて、「とりあえず形にはなるけれど、内容を理解して設計をしたい。」と思う光学設計者は少なくないと思います。

今の時世は短時間で高性能の設計が要求されるだけでなく、非球面の使用や偏芯光学系を含んだ複雑な設計が増えているので、パソコンを使用した光学設計ソフト無しではレンズ設計ができない状況になっています。

設計レンズデータに適切な設定を行えば、特に光学の知識に長けていなくても誰でもオペレータ感覚で設計できるようになってきていますので、ものつくりの技術者として「内容を理解したい」と考える人が多くなってきているものと思われます。

オペレータ感覚で設計できるということは、会社側の立場から考えると、作業が標準化されて管理がしやすくなりますが、設計者本人の立場から考えると、普段設計している光学系は対応できるが、それ以外の光学系の設計は対応が困難ということなので、技術者としてのやりがいが少なくなるばかりか、応用の利かない技術者になってしまうのではないかという懸念が出てしまいます。

「内容を理解する」の「内容」には、光学理論に関する知識、光学部品に関する知識、ものつくりに関する知識、光学設計手法に関する知識等いろいろな内容が含まれており、これらについては数多くの文献が出版されています。

しかし「理解する」とは、「文献の内容を実務に反映する」という意味と捉えることができますので、光学設計業務は文献から取得した「点」としての情報が、設計実務に必要な繋がりのある「線」としての知識になりづらいのではと考えられます。

さらに光学仕様が多様化してくると、それに対応した独自の実務が主流になりますので、設計業務の一連の「内容を理解する」ことは容易なことではありません。

この「光学コラム」では、私が今まで実践してきた設計業務について、いくつか紹介いたします。

結像光学系について、設計部門だけでなく生産技術や製造現場をレンズ設計者として実務経験した知識を、可能な限り設計に反映させてきました。論理的だけではなく感覚的な内容もありますが、設計実務の進め方の一例として、少しでもお手伝いできれば幸いと思います。

今までの蓄積した知識をまとめながら、合間を見て随時追加していきたいと考えています。

コンテンツ

「光学設計者の日記」というブログを開始いたしました。そちらもご覧ください。

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