1. 使えるエネルギーとは?




 エネルギーといっても、いろいろある。例えば、人間のエネルギーは、食べ物。自動車のエネルギーは、化石燃料。しかし、一般には、エネルギーといえば、電気エネルギーのことを指すようだ。したがって、ここで扱うエネルギーは、電気エネルギーということにする。

 エネルギー供給システムの最低条件とは、何か?

 エネルギー供給システムを作る場合のエネルギーを投入エネルギー、そのエネルギー供給システムが産出するエネルギーを産出エネルギーとすると、供給システムの最低条件は、投入エネルギーを産出エネルギーが上回ることである。例えば、風の吹かない所へ風力発電設備を作っても、その設備は発電しない。これは明らかに投入エネルギーよりも産出エネルギーが小さいから、エネルギー供給システムとして失格である。また、日陰に太陽電池パネルを設置するのも同様である。
 この最低条件をクリアしない発電システムを作ったということは、投入エネルギーから産出エネルギーの差が、損失したエネルギーであり、現在のエネルギーは化石燃料が基軸となっているから、化石燃料を無駄遣いしたことになるのである。もう一つ。その発電システムを作る場合の原料資源、例えば、金属材料やコンクリート材料などが、全くの無駄となる。すなわち、あらゆる資源の浪費となる。しかし、実は、これが意外にも見落とされている。ただ単に、風力発電などを設置すれば、「環境にやさしい」などというものではないのである。

 ここで再度、念を押す。投入エネルギーと産出エネルギーの比を、エネルギー産出比と呼び、それが1を上回ることが、エネルギー供給システムの最低条件となる。(参照

 エネルギー産出比 = 産出エネルギー / 投入エネルギー > 1

 エネルギー産出比が大きくなればなるほど、そのエネルギー供給システムは、より優れているということになる。




参照
 「エネルギー供給技術の有効性の検討/石油代替エネルギー」§1.エネルギー産出比(「環境問題を考える」)




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1-1. エネルギー資源リサイクルとその他の資源リサイクルの違い
1-2. エネルギーペイバックタイムについて
1-3. 事業指標となるエネルギー産出比
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