「苫小牧信徒大会」でアンパン分かち合い?

シスターテレジア 斉藤 弘子

 

 今年の苫小牧地区信徒大会は10月15日(日)に苫小牧教会で行われました。
大島大会長、ライヤ神父様の挨拶に始まり6教会が集いました。
 札幌カリタス家庭支援センター長の菊地さんと、梅原さん、岡田さんの具体的な事例の講話がありました。
 他の人を助ける為に開設された家庭支援センターは、キリスト教精神をもって悩んでいる人、苦しんでいる人を支援するという、排除のない多様性を目指すスケールの大きさに、神様の恵みと、多くの人の支援が共にあることを感じました。

 菊地さんがパワーポイントを使い「アンパン」とカタカナで表示し、某老人施設で実際にあったことを分かち合ってくださった。
両手にグローブをはめられていたお婆ちゃんは久し振りに自由になり、アンパンを受け取りおいしそうに食べると、すぐ、「アンパン、アンパン」と連呼し、担当の実習生はどうしたらよいのか困り果てたそうです。
「皆さんだったらどう対処しますか?」と問われ、参加者達も一生懸命考えました。答えとして、・・・・・  

『気持ちをそらす』  『ちょっと待ってね』 
『折り紙でアンパンを作る』 『外を見る』 
『もう一つアンパンを上げる』 など


 実際には、何と、お婆ちゃんには自分のグローブがアンパンに見えていたので介護してくれている実習生にも、美味しいアンパンを食べさせてあげたかったということでした。
そのことに気付いた実習生は涙、涙だったようです。
お婆ちゃんは孫のような実習生の顔を、嬉しそうに撫でていたとの話に私もハッとさせられました。

 人間は痴呆になっていなくても、目が霞まなくても、人の話をゆっくり最後まで聴いて、本当に言いたかったことは何なのかを理解するのが下手です。
忙し過ぎるのか、最初の言葉にすぐ反応して会話にならなかったり、誤解したりイライラしたり、この世の価値観に影響されている私達の聴く耳は退化しているようです。

 ミサは午後2時から始まりライヤ神父様の指導もあって、天の御父である神様に感謝し賛美する姿勢を学びました。
閉祭のラテン語の入った曲「慈しみ深く、御父のように」は迫力のある歌で、私達の後ろの席にいた男性信徒が「ああ、今日は来て良かった。
この歌を歌えただけでも、聴けただけでも最高!良い歌だなあ。」と感激しているのを聞いて私も嬉しくなりました。
苫小牧信徒大会では、イエスさまを中心に集った私達はみな兄弟姉妹なのだと実感できた秋日和となりました。