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化学なんて大嫌い!という人のための
風変わりなヒント 創刊準備号
2004年4月11日公開
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1.一風変わった化学の授業
〜 モルについて その1 〜
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化学の授業で最初の方に出てくる「モル」。
この「モル」でつまづいて化学が嫌いになる人が多いようです。
最初に出てきたときに、
・なんで1モル=6.02×10の23乗個の粒子の集まりなの?
・どうしてこんな半端な数なの?
・大きすぎてぜんぜんイメージがわかない。
など、いろいろなことを思いつきますが、あまり詳しくは教えてもら
えないことが多いです。
そんなわけなので、ここでは少し違った方向から見ていきたいと思い
ます。
まずモルの定義を書いておきます(覚えてもらうことが目的ではない
のでさらっと通し読みするだけにしてくださいね)。
・アボガドロ数(6.02×10の23乗)に相当する数の粒子の集
まりを1モルとする。
(ここでアボガドロ数というのは、質量数12の炭素原子12g中に
含まれる炭素原子の数)。
えっ? もうやだ、って思いましたか?
これをそのまま覚えようとするのは、私もあまりやりたくはないです
ね。
本当に必要なのは、何も考えずにまるまる覚えることではなくて、実
際のところどうなのか? 本質は何なのか? ということだと思います。
上の定義を逆から考えて、少しかみくだいて書いてみると、
(☆)炭素原子(質量数12のもの)を12g集めてきたとすると、
その中には6.02×10の23乗個の炭素原子が入っています。
ということなんです(単にそれだけのことです)。
そういうことなので、別に炭素じゃなくて、酸素や水素でもいいわけ
です。
上の(☆)の中の「炭素」を、「酸素」に置き換えれば、
(☆2)酸素原子(質量数16のもの)を16g集めてきたとすると、
その中には6.02×10の23乗個の酸素原子が入っています。
になります。また、水素だったら、
(☆3)水素原子(質量数1のもの)を1g集めてきたとすると、その
中には6.02×10の23乗個の水素原子が入っています。
ということになるだけです(ちょっとくどかったですか?)。
つまり、ある原子を質量数分の重さ(g単位)だけ集めてきたときに
は、どんな場合でもその中には6.02×10の23乗個の原子が入っ
ている、ということなんです。
(ここでの「重さ」は厳密に言うと「質量」なんですが、今回はかんべ
んしてもらいましょう)。
そうしてこれを少し発展させていくと、「原子」の数だけではなくて、
「分子」の数や「電子」の数などの「いろんな粒子」の数についても、
「あてはめていったら便利に使えるね」、ということなんです。
「モル」は化学のことを説明したり、考えたりするときに便利な道具
で、ただそれだけのものなんだ、というふうに考えると少し気が楽にな
ると思います。
ひとつだけ例をあげてみます。
ある反応式を説明する場合に、
(◆)6.02×10の23乗個の炭素原子と6.02×10の23乗
個の酸素原子によって、6.02×10の23乗個の一酸化炭素分子
ができます。
などというのは、舌をかみそうなので言っていられませんが、
(◇)1モルの炭素原子と1モルの酸素原子によって、1モルの一酸化
炭素分子ができます。
というふうに言えば、はるかにラクだし、すっきりするように思いま
せんか?
また、上の(◇)のように言えば、すぐに炭素と酸素の比例関係(こ
の場合1:1)もわかるので、ずっと便利ですね。
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☆今回の小さなまとめ☆
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「モル」は説明や理解を簡単にする便利な道具です。
(ただそれだけのものです。最初からむずかしく考えなくてもいいんで
す。あとで必ずわかるようになりますから)。
次回は 〜モルについて その2〜 をお送りします。
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2.化学をつくった人たち
〜 アルフレッド・ノーベル 〜
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こちらは、創刊号に書きますのでお楽しみに!
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3.あとがき
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※参考文献はこちらにまとめてあります。興味がありましたらどうぞ。
→ http://www13.plala.or.jp/chem-hint/reference.html
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◇◇ 化学なんて大嫌い!という人のための
風変わりなヒント ◇◇
・発行者 後藤 幹裕
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